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自社だけ見てるとわからない!?パッケージデザインの落とし穴

自社製品だけ見ててもダメ!

見た目って大事ですよね。「人は見た目が8割」なんて本が一時期流行りましたが、それは商品も同じこと。女性の場合特に「この化粧品、パケ買いしちゃった~」なんて話はよく聞きます。いくら製品の中身が優れていても、外見からそれがわからないと売れなくなってしまうのです。

売り場に並んだときのことを想像しよう

お客さんに手にとって貰うためには、まず目立つことが大前提です。一番手っ取り早く効果的なのは、同じカテゴリの商品で使われている色を避けること。これで成功したのがロッテの「紗々」やサントリーの缶コーヒー「BOSS」。

当時はお菓子やコーヒーで「売れない」とされていた青系統の色をパッケージに使うことで、それまでと全く違うイメージを作ることにより、ヒットさせることができました。どちらのパッケージも現在はあまり青が入っていませんが、ヒットのきっかけは青色だったのです。

なぜ青がダメだったのかというと、心理学的に食欲を減退させる色だからです。レストランで青一色のお皿ってあまりないですよね。それは青という色が食べ物を冷たく、固く見せてしまうからなのです。最近ではこれを逆に利用し、「ダイエット中は青いお皿を使おう!」なんてこともいわれていますね。

また、ビール業界にも似たような話があります。社名を失念してしまったので、仮名で話を進めますね。その昔、Aというビール会社はシェアが上がらないことに悩んでいました。Bという会社が既に業界一位の座を勝ち取っており、なかなか差が縮まらなかったのです。

中身の品質には自信があるのに、なぜ売れないのだろう?と考えたA社は、一か八かの勝負に出ます。B社と似た赤中心のパッケージから、青中心の色合いに変えたのです。すると、飛躍的に売上げが伸びました。青と白をメインにした爽やかなデザインが、「ビールはオジさんの飲むもの」というイメージを変え、若者が手に取るようになったのではないか?といわれています。

このように、食品・飲料業界で青は一時期「売上げ飛躍をもたらす色」になったことがありました。現在ではスティックタイプのインスタント飲料やカップスープなど、さまざまな食品のパッケージに使われていますね。

目立つが一番!?

ここで筆者の体験をお話しましょう。以前食品関係の会社にいたことがあるのですが、担当していたカテゴリの売上げが伸びず、悩んでいたことがありました。既に定番商品が固定しているものだったので、新しいアイディアを入れても「斬新過ぎて手に取りづらい」という状況だったのです。そのため「全く新しいものを作る」のではなく、「馴染みのあるものを目立つようにする」ことを考えました。

そこで目に付いたのが黄色。黄色は食品の色として馴染みがあるものの、担当商品ではなかなか使われていませんでした。もちろん、当たるかどうか確信なんてありません。実験のつもりで使ってみたところ、これが大成功。それまでの商品とは桁違いの売上げを記録することができたのです。さすがに「黄色を使えば絶対に売れる!」とは思いませんが、「売り場で目立つ」ことが売上げに繋がるということを確信した出来事でした。

ゼロから考えてみる

このように、「それまでなかったもの」を取り入れるとパッケージデザインの魅力は格段に上がることがあります。ここでの例は飲料と食品だけですが、もしかすると他の商品でも応用できるかもしれません。商品開発やマーケティングに行き詰ったら、まず色を変えてみてはいかがでしょうか。