デキる人は喋らない!?「聞く」技術で仕事の能率アップ
「喋れないからダメ」なんてことはありません!
コミュニケーションが上手な人=お喋りがうまい人、と思っていませんか?実は、必ずしもそうと言いきれないこともあります。特に営業や販売、カスタマーセンターなどお客様と直接関わる仕事についてはそうです。
「緊張してしまってうまく喋れない」
「話さないとダメな人だと思われるのではないか?」
こんな不安を抱えていませんか?
議論やプレゼンの場ならともかく、日常の業務では喋り続けるよりも聞き手でいたほうがうまくいくこともあります。しかし、ただ聞いていればいいというものでもありません。今回はうまく聞き手に回るためのコツについてお話します。
敏腕営業マンの仕事術
「デキる営業マンは聞き上手だ」という話を聞いたことがある方は多いでしょう。確かにそうなのですが、この言葉を曲解して会話を放棄してしまっていませんか?
上手な聞き手=上手く相槌を打てて、相手から情報を引き出せる人です。誰だって「はい」「そうですね」「おっしゃる通りです」としか言わないような相手には「ちゃんと人の話を理解しているのか?」と疑いたくなりますよね。
話の内容まで理解して始めて聞いたことになるのです。そのためには相槌だけでなく、時には質問や提案をすることが大切です。
「そのようなご希望でしたら、こちらはいかがでしょうか」
「……とおっしゃいますと、○○ということでしょうか」
こんな言葉を挟むと、話す側も「ちゃんと考えながら聞いてくれている」と思いますから、より多くの情報を引き出すことができます。結果、より適した商品やサービスを提供することができ、あなた個人や会社の評価が高まるというわけです。
聞いてもらえた人は、こちらの話も聞いてくれます
しかし、たまに本題から逸れ続けるお客様もいらっしゃいますよね。世間話から始まって、あまりこちらに関係のない愚痴などを延々と話し続けるタイプです。
自分が喋りたいだけの人なら聞き流していても問題ない場合もありますが、厄介なのは「ちゃんと聞いてるの!?」なんて怒り出すタイプ。「用件を話していないうちから何を言ってるんだ」と言いたくもなりますが、心の中だけにしておきましょう。そういうときは一体どうすれば良いのでしょうか。
そんな場合も、質問や提案は有効です。なぜなら、人間の心理として「話したいことがなくなると、相手の話に耳を傾けやすくなる」というものがあるからです。もちろん全ての人がそうとは限りませんが、可能性はあります。きちんと話を聞いてくれた人へは信頼感も出てきますから、本題に入ってからこちらの話を聞いてくれる態勢になりやすいというわけです。
場合によっては、世間話や愚痴の中からヒントが見つかるかもしれません。化粧品売り場の美容部員さんはこれが実に上手ですね。特にデパートの化粧品売り場(カウンターといいます)では、特定の担当者がいることが良くあります。
美容部員の方はただ商品を押し付けるのではなく、まず「お客様が何を買いに来たのか」を上手く聞き出します。そして希望に合うような商品を紹介し、お客様が気に入ってくれればそのアイテムでお試しのメイクアップをします。それから他の商品を勧めるのです。既に当初の目的が達成された後なので、お客様も良い気分になっていますから、もう1アイテム買い足してくれる可能性が高くなるというわけです。
ほぼ100%女性相手の仕事ですから、おしゃべり好きなお客様が来る可能性が非常に高い職場です。そのため話の内容はもちろん、直接顔を合わせて話しますから、その日の服装やお客様の顔立ちに至るまでヒントになりそうなところを探しやすいというのもあります。
もちろん毎回上手くいくわけではありませんが、この「一度相手の希望を叶えてから、更なる売上げアップを狙う」というやり方はとても有効です。彼女達こそ敏腕営業レディと言えるかもしれません。
目指せ、聞き上手!
このように聞き上手=聞き流すことではありません。相槌だけでなく、質問や提案を上手く使いこなしてこそ、真の聞き上手と言えるでしょう。最初のうちは難しいかもしれませんが、話の内容を理解すればさほど難しいことではないはずです。
ちなみにこれは、仕事だけでなくプライベートでも使える手です。例えば恋人へ誕生日プレゼントをするとき。何気ない会話の中で、相手の方が「こんなの好きだな」「あれ欲しいな」と言っていたことはありませんか?そういうちょっとしたことを覚えておいて、好みに合うようなものをプレゼントするととても喜ばれますよ。
当たり前と思う人もいるかもしれませんが、これがなかなか難しいと感じている人は多いようです。要点を踏まえて話を聞くことが大切というのは、ビジネスでもプライベートでも同じですね。