• RSS

履歴書と職務経歴書、どちらをおろそかにしても転職はうまくいかない

転職活動をしていると、履歴書だけではなく職務経歴書の提出も同時に求められる場合が多くあります。職務経歴書にあれこれ詳しい内容を記載するのだからと、履歴書をやけに簡略して書いてしまう人を見かけることがありますが、これは大きな間違いです。

志望の動機や本人希望、趣味・特技などの欄は何を書けばいいのか悩む部分でもあります。ですから、職務経歴書があると、これ幸いとばかりに省略してしまうのでしょうが、それでは片手落ちもいいところでしょう。

そのような手抜きをする人は、だいたいがそういった欄のない履歴書を選ぶ傾向にあります。通常よく使われる履歴書の左半分しかないペラペラものを提出しているケースまでありました。

職務経歴書はやたら熱心で枚数が多いのに、履歴書はA4サイズ1枚。これでは「中途採用としていかに御社に入りたいのか」ということを職務経歴書でどんなに熱く訴えたところで、滑稽にしか見えません。

パートの応募と間違われそうな履歴書を選んだ時点で、やる気があるのか?と疑われてしまいそうです。そんなことになったとしたら、転職活動をしている意味があるのでしょうか。

そもそも、職務経歴書とは何のために提出するのかを考えてみてください。仕事として具体的には何を経験してきたのか?どういうスタンスで取り組んできたのか?そういう、より実際的なところを判断するための参考資料にしたいから提出してもらうわけです。

それなのに、その参考資料を提出するのだからいいだろう、などという勝手な解釈で履歴書の記述を省略したとすればどうなると思いますか?ダメな印象を与えることはあっても、プラスになることはまずありません。

履歴書は「私はこのような背景をもつ人間です」と目的をもって訪れた相手へ挨拶をしているのと同じです。

それなのに職務経歴書というお土産を持ってきたからと、いい加減な挨拶で済ませてしまったとしたら、訪問を受けた相手はどう感じるでしょうか?

そういうことなら履歴書はしっかりと書き、面接で直接話しをする分、職務経歴書の方をもう少し簡略化します。…などと考えたとしたら、これもまた間違いです。

そもそも「簡略化」しようという考え方そのものが、転職への覚悟が甘いと言わざるを得ません。中途採用をする場合、職務経歴書はかなりしっかりチェックされます。内容そのものも大事ですが、そこばかりに気をとられていると的を外す結果となるでしょう。

採用する側が見やすい職務経歴書として作成されているか?ということがとても重要になってくるのです。ぱっと見て「うわ、読みにくい!」と思われてしまったら、その職務経歴書はあなたの転職活動にとってマイナス要素でしかありません。

ですから、やたらと枚数が多ければいいというものではないことを念頭に置いて作成するようにしましょう。

  • 過不足なく簡潔にまとめられているか?
  • 書式が職務経歴書としてきちんと成立しているか?
  • 文書として美しく仕上がっているか?

そういう社会人としての力量そのものが職務経歴書から透けて見えてしまうことを忘れてはいけません。

履歴書は熱意をもってきちんと丁寧に手書きをする。職務経歴書は文章作成ソフトを使って、これまでの実績や経験をわかりやすくまとめる。

こういう基本的なことがとても大切なのに、その先のことばかりに目がいっていると転職活動の第一歩すら踏み出すことができません。

「この人には会って話を聞いてみたい」と人事担当者に思ってもらわなければ、面接という機会すら与えてもらえないのですから。