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履歴書の趣味や特技に予想外の突っ込みが入るかもしれない

履歴書の趣味や特技の欄。学生の皆さんの中には、何を書けばいいのかと悩んでいる人もいることでしょう。

ずっと続けてきた部活動や習い事のことを書く人も多いでしょう。本当は趣味でもなければ、ましてや特技では絶対にないと思っていたとしても、経験年数が長いのであれば、それはそれでいいのだと思います。

しかし、とりたててコレといったものがない場合、そこにフィクションをまじえたくなりませんか?

おそらくたいがいの学生さんは履歴書の書き方や、新卒向けの面接マニュアルなどをあれこれ読んで頭をひねっているでしょう。

さすがに「読書」「音楽鑑賞」「映画鑑賞」などと記入する人は少ないと思います。「読書」と書くにしても、好きな作家や分野についてより詳しく書くように、というアドバイスに従っているのかもしれません。

上っ面だけなら書かない方がいい

本当に読書が趣味で、暇さえあれば本を開き、小さい頃から本の虫と言われています…という人は何も問題ありません。

そういう人は、自分の好きな傾向や作家について、きちんと語るべき内容を自身で理解しているからです。

しかし、本当は読書が趣味とはいえない程度にしか本を読んでこなかった人。

普段はせいぜい雑誌をパラパラめくるぐらいで、本は話題になったものをごくたまに読む程度。そんな人が上っ面だけで読書好きを装うことはやめておきましょう。

面接担当者が履歴書を見る時に、趣味や特技の欄を最重要視しているわけではありません。しかし、見てはいるんです。

目に留まるか、留まらないかの差はありますが。そして、いざ面接の時にその学生の人となりを知りたくて、そこに質問が及ぶことはままあることなのです。

かつて実際にあった面接でのケースです。

面接官は真実を見抜く

ある学生の趣味の欄に『読書、特に推理小説が好きで、自分でもトリックを考える』とありました。

面接担当者は複数名いて、どの学生にもいくつか共通の質問はしていましたが、それとは別にフリートークのような雰囲気で人となりがわかりやすそうなことも聞いていたのです。

その流れの中で、人事部長が趣味の欄に目を留めて質問をしました。

実はこの人事部長、自分で推理小説を書いて新人賞に応募してしまうほど推理小説が好きな人でした。読んでいる冊数も半端な数ではありません。

そしてこの学生も自分と似たようなタイプだと思ったのか、トリックの作り方についてたずねたのです。

ところがその学生の答えはシドロモドロで、とてもではないけれどトリックを自分でも考えるほどミステリー好きとは思えないものでした。

何とも言えない微妙な空気が漂い、質問をした人事部長がその場を和まそうと冷や汗をかいていたぐらいです。

おそらくその学生も、好きな作家や作品名ぐらいは頭の中に用意してあったのでしょうが、まさか真実味を持たせようと書いたことが自分の首をしめることになるとは思いもしなかったことでしょう。

ないことを書くより目に留めてもらう努力をする

「音楽鑑賞」や「映画鑑賞」も同じことです。

普段アイドルグループの曲しか聴かないのに、付け焼刃でクラシックや多国籍音楽のことを書いたりすると、どこでツッコミが入るかわかりません。

なぜなら、面接する側の人間は社会人で、学生の皆さんよりも年齢が高く、その分いろいろなことを経験しているからです。

明確な趣味のある社会人は、それについての知識と経験が豊富ですから「にわかマニア」のことはすぐに見破ってしまうでしょう。

本当はよく知りもしないのに、「アフリカの民族音楽に興味があります」などと書くぐらいなら、「アイドルグループの音楽を思いきり歌って踊ります。そのおかげで嫌なことがあっても翌日までひきずりません」とでも書いてあった方がよほど好感を持ってもらえるかもしれません。

少しでも履歴書を個性的にする努力は必要です。どう書いたら興味をもって目に留めてもらうことができるのか、精一杯頭をひねって考えなければいけません。

しかし、ないことをあるように書くのは自分の首をしめるだけですから、やめておきましょう。