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思い切ってみる?海外に移住して働くために必要なこと

憧れもほどほどに

「日本はもうダメだから、海外に移住したい!」と考えたことのある人もいるでしょう。

しかし、旅行などの短期間滞在ならよく見えても、実際に暮らしていくとなるといろいろ大変です。

今回は海外移住をするための手続きなどについてまとめてみました。

まず何からする?

海外へ移住するためには、国内でも現地でも多くの手続きを踏まなくてはいけません。

現地で住む場所や勤め先の目処がついたとして話を進めます。

まず、日本にいる間にやることは以下のとおり。

・海外転出届

書いて字のごとく、海外に引っ越しますということを届け出る書類です。

1年以上海外に住むことが決まったら、住んでいる地域の役所に出さなくてはいけません。

住民票が抜かれ、住民税や国保の対象外になります。

保険証を返さなくてはいけないので、お忘れなく。

・国民年金について

国民年金は任意で加入し続けることもできますが、海外に住んでいる間に払わないと受給金額に反映されません。

「数年だけ海外に住むけど、将来は年金をきっちりもらいたい」という場合は、予め前払いしておくか、日本に銀行口座を残しておいて自動引き落としにするといいでしょう。

・国外運転免許証

車を運転する人は、この手続きで「日本で免許を取ったので、私は車を運転する資格があります」ということを証明しなくてはいけません。

ただし、有効な国・地域はジュネーブ条約加盟国だけです。

警視庁の以下のページに一覧がありますので、予め確認しておきましょう。

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/menkyo/kokugai/kokugai04.htm

現地でやる手続きは国・地域ごとに異なりますので、ここでは共通するものだけ紹介します。

・就労ビザの申請

就職先を見つける前に取れるかどうかがポイントです。

すぐ取れるものではないので、きちんと前後関係を調べておきましょう。

不法就労は最悪強制退去・再入国不可になります。

永住権が取れれば必要ありませんが、永住権に期限がある場合・就労許可が別途必要な場合もあるので要注意です。

・在留届

3ケ月以上滞在する場合には、現地の日本大使館もしくは領事館へ提出する必要があります。

各種証明書や災害時の安否確認のために必要なので、忘れずに出しましょう。

日本に帰るときには帰国届も出さなくてはいけません。

「地震がイヤだから海外がいい」は早とちり

特に東日本大震災以降に多い移住希望理由が、「地震が怖いから」というもの。

しかし、ちょっとこのページを見てみてください。

【世界の震源分布とプレート】

http://j-jis.com/data/plate.shtml

「プレートの境目になるところに地震が多発する」というのは常識ですが、この地図を見ると北極圏や南極圏以外のほぼ地球全体で地震が起こる可能性があることがわかるでしょう。

アフリカ西部や北米大陸・オーストラリア・ヨーロッパは少ないものの、これらの国は地震以前に移住の手続きや税金の高さ、治安面で不安が残ります。

ですので、地震を避けたいというだけの理由で移住を選ぶのは早計です。

外国は日本ではない!

当たり前と思われるかもしれませんが、外国では日本的な考え方や常識はまず通用しません。

「時間や約束をきっちり守る」というような基本的なことでも、です。

最も、この厳格さが海外で「日本人は勤勉だ」と言われる理由でもあるのですが……。

どこの国へ移住した人も、だいたいの場合まずここで躓きます。

中にはイライラして帰国してしまう人もいるほど。

日本人の基準からすると「いい加減すぎる」「適当すぎる」のが当たり前だと思ったほうがいいでしょう。

また、会社や働き方に関する意識も違います。

「会社のために働く」のではなく、「自分のために働く」のが当然なので、サービス残業なんてもってのほか。

無駄に居残っていると不審に思われるほうが多いです。

クビになってしまったときの反応も違います。

日本では「会社勤めができなければ人間失格だ」と落ち込んでしまうタイプが多いですが、海外では「あんな会社辞めてせいせいするよ!さあ、もっといいところを探そう」と極めてポジティブな考えの人が多数派のようです。

その他宗教や人種に関するマナーなど、数え上げればキリがありません。

日本の無宗教・ほぼ単一民族という環境は、他のどこの国にもない特性なのです。

そのため、海外に出たときにはそうした文化の違いを意識できず「非常識だ!」と思われてしまうことが多々あります。

日本人からすると外国はまさに「異世界」なのです。

もちろん、「だから移住するな!」なんて言うつもりはありません。

「何があっても外国で生き抜いてやる!」というタフな精神の持ち主であれば、きっとうまくいくでしょう。