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仕事において「教えてもらえばできます」は最悪のNGワード

転職を決意する時、人にはそれぞれの事情があると思います。

勤めていた会社が倒産してしまった。

業績悪化の影響を受けてリストラの対象となってしまった。

現職の待遇や仕事の内容に不満があり、転職を決意した。

資格を取得したので活かせる仕事にかわりたい。

一度は違う職種に就いたが、やはり以前からの夢を追いかけたい。

どのような事情があったとしても、転職活動をしている一人の求職者であるという事実に変わりはありません。

理由がポジティブなものだろうが、ネガティブなものだろうが、採用する会社としては短期間で戦力となってくれる、やる気のある人物を選びたい、ただそれだけなのです。

面接においても、新卒の学生達に質問するのとは違うスタンスで、あなたの経験についてたずねてくるでしょう。

自分は今までに何をやってきたのか、それを新しい会社ではどう活かせるのか。

取得した資格がどのような場面で役に立つのか。

あなたは自分自身を「お買い得ですよ」と上手に売りこまなければいけないのです。

自分としてはやる気を見せるつもりで言ったセリフ「教えてもらえばできます」は、印象が悪くなることはあっても、良くなることはありませんので、どうぞご注意を。

前職での経験がまるごと活かされ、新しい職場でも以前とまったく変わらないスタンスで仕事ができる転職に成功した、という人はほとんどいません。

仮に似たような職種であったとしても、仕事の進め方はそれぞれの会社によって違うからです。

他所からやってきた破天荒な転職者がいきなり自分流でバリバリ仕事をこなし、最終的には職場の中心人物になる、なんてドラマのような展開は現実にはありません。

つまり転職者は、必ず何がしか新しいことを覚えていくしかないわけです。

だからこそ「教えてもらえばできます」と言ったのに、いったい何がいけないの?

そう疑問に思う人もいるでしょう。

このセリフは、すでに社会人としての経験がある人間が面接で発すると、驚くほど幼稚な印象を受けるものです。

「教えてもらえばできます、じゃあ教えてもらわないとできないのか?」とつっこみを入れたくなるんですね。

「そんなの、新しい仕事をするんだし、知らない職場なんだから、教えてくれるのが当然でしょう?」

そう反論したくなる気持ちがわからなくはありませんが、雇用側が求めているのはあくまでも社会経験のある『転職者』なのです。

教えなければできない人間を雇うぐらいなら、べつに新卒でいいわけです。

さらに付け加えると、新卒者の面接であっても「教えてもらえばできます」という学生は好まれません。

何でも貪欲に吸収してやろうという気構えの学生がほしいからです。

学生でさえそうなのですから、転職希望者がそんなことを言ったらアウトです。

中途採用で新たに人を雇い入れた時、仕事の内容だけでなく、職場の人間関係や待遇面も含め、100%満足のいく転職に成功したと感じてくれる人ばかりを採用できるわけではありません。

しかし、一歩新しい職場に足を踏み入れたなら、それにいちいち角を立てず、短期間で上手に自分の中にある不満と折り合いがつけられるのが賢い転職者というものです。

それに、今までに「教えてもらえばできます」と言って採用された人で、教えたらなんでもできた、という人には残念ながらお目にかかったことがありません。

そういう人は仕事でつまづくと「教えてもらわなかったから出来なかった」と言い訳をする傾向にありました。

そして、職場での人付き合いもおしなべて上手ではありません。

「あの人がああだから…、このやり方だとこうだから…」というように、上手くいかないことの理由を自分以外に求めるからなのでしょう。

同じことを言ったとしても、すべての人間が同じ内面を持っているわけではありません。

しかし、転職者を採用する側とすれば、仕事ができないかもしれない、トラブルを起こしやすいかもしれない、と判断される人間をわざわざ採用する必要はないわけです。

同じ内容を伝えるにしても、面接担当者が好意的に受け取るよう、表現の仕方に気を配りましょう。

「そんなのムリ!」と即座に否定しているようでは、満足のいく転職など到底ムリだと自覚してください。