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ルートセールスマンのスキルアップ術には、こんな手もある

決められた得意先を回るルートセールスマンは、自社製品の商品知識を得意先に売り込むだけでは売上アップにつながりません。しかし、ちょっとした工夫さえすれば、驚く程の成果を出せる可能性があります。

営業マンに求められるコミュニケーション能力しだいで、その方法は生き残りをかけた社内競争に勝ち残れる可能性を大きくしてくれます。

現在、転職を考えている最中で、ルートセールスを希望している人には参考になる話です。もし、面接で営業についてのスキルを問われたときにも役立つ話です。

ルートセールスは、営業所のエリア内にある自社製品を必要としている会社を選んで巡回する仕事です。例えば、ノーリツの給湯器を売っている会社であれば、給湯器を扱っている会社を訪問して注文を取ってくるのが仕事となります。

したがって、同業他社も同じような会社周りをしているので、競争に勝つためには独自の工夫を凝らす必要があります。

まずやってみて欲しい工夫に、商工会議所や各種セミナーへ参加して、他業種の人たちと交流を持つことです。こちらは、ノーリツの給湯器のルートセールス、相手はコピー機や事務機器を扱っている営業として考えてみましょう。

セミナーで出会った二人は、全く無関係の商品を扱っていますから、当然ながらライバルではありません。ノーリツの人は、日に何社ものガス会社や建築事務所、工務店や卸売会社をまわります。

かたや事務機器を販売している営業は、取引のある会社を何社も訪問してトナーなどの事務用品を受注しようと回っています。共通事項は、日に何社も回っているということだけです。ここで注目してほしいことは、事務機器の営業のまわる先にノーリツの給湯器を扱う可能性のある会社があるかもしれない、ということです。

反対に、ノーリツの営業も事務機器を販売する取引先として自分のエリアの会社が該当する可能性がある、ということです。つまり、交換営業という手法を使うことで、お互いのスケールメリットを活かせる可能性があるわけです。

ノーリツの営業が得意先で、些細な話題からコピー機の調子が悪い、という情報を知ったとします。そこで、「わたしには、親しくしている事務機器の営業がいて、とても優秀な人なんです。ぜひ、使ってもらえませんか」と提案したとしたらどうでしょう。

得意先ということは、その営業が信頼されていることの証ですから、取引先としては提案を受け入れてくれる可能性が大きいでしょう。人は、知らない人からモノを買わない、というセオリーがありますから、この場合は、ノーリツの営業の親しい人、イクオール信頼できる、という図式をかけるわけです。

次に試して欲しい手に、初営業でのその後の印象を最大限に高める方法があります。初めて訪問する会社では、なかなか担当者に合わせてもらえない可能性がありますが、もし運良く会えたとしたら、この手は非常に有効です。

挨拶程度でも、名刺交換ぐらいはすると思います。その名刺には、会社の所在地と担当者の名前が印刷されています。そこで、その会社をあとにしたら、その足で郵便局へ向かいます。

はがきを一枚買って、会社の住所と名前を記入し、自分の会社の住所、氏名も記入します。もちろん、全て手書きでないと効果は半減します。

はがきの文面は、こんな感じにしましょう。「先ほどは、お忙しいところをお会いさせていただき、たいへんありがとうございました。まずは、御礼まで」たったこれだけの文面に過ぎません。

しかし、そこには、会社を出たあと、すぐに郵便局へ向かって、投函した事実があります。翌日にははがきは届くでしょうから、その2日後に再びアポを取って会社にいる担当者と会いましょう。

最近は、手書きではがきを出す人が少ないので、相手はよほどのことがない限り好意的に見てくれているはずです。人間関係とは不思議なもので、たった一枚のはがきが縁で大きな取引に発展することもあります。

もうひとつ紹介するなら、お土産の使い方についてです。会社を再訪するときには、自社のカタログなどを必ず持っていきます。相手が急いでいる場合は別ですが、すぐにそれを差し出してはいけません。

詳しいカタログよりもチラシだけにしてみたり、場合によっては商工会議所などで発行されている経営者のための小冊子などにします。相手の欲求を引き出すためには、隠すことも戦略の一つです。人間関係を熟成させた上で、相手の欲求を引き出せば、商取引はスムーズに進みます。

ルートセールスをしようと思っている人は、常に発想の転換が必要です。相手の心理を読むことも大事な仕事だと思ってください。面接官にどんな営業がしたいのか、と問われたときにこの話ができれば、あなたのイメージはさらに引き立つでしょう。