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妊娠を隠して短期派遣の仕事に就くのは社会人として間違っている

派遣登録で短期の仕事のみを希望する人はたくさんいます。留学を控えているから。夫の扶養の範囲で働きたいから。…などなど、短期間だけ働きたい事情は人によって様々にあるでしょう。

ところが、中には妊娠を理由にあげる人がいて驚かされることがあります。それでもまだきちんと告げてくれる登録者は常識があると言えるでしょう。一番困るのは、妊娠を隠して短期の仕事に就こうとする人です。

妊娠していても様々な理由からギリギリまで働きたい気持ちはわかります。その多くは経済的事情であり、これから子供が産まれる身。少しでも多く蓄えたいと考えるのは人として道理なのかもしれません。

しかし、妊娠は病気ではないとはいえ、いつもの体ではなくなっていることもまた事実。特に妊娠初期にはつわりの程度もわからず、仕事を始めたとたん重いつわりで動けない…。なんてことは往々にしてあります。

また、安定してきたからと言っても油断は大敵です。いつ何時、切迫流産の危険に晒されるかわかりません。もしもそのような状況になってしまったら、とにかくじっと安静にしているしかないんです。仕事なんかしている場合ではありません。

途中で辞めたら派遣先も負担が大きい

そしてあなたが担当していた短期の仕事は、派遣先の人の負担になるかもしれません。もしくは、違う派遣スタッフが担当するかもしれませんが、中途半端なところからでいらぬ苦労が発生することも考えられます。その人達はあなたの妊娠にはまったく責任がないというのに。

そういったことが予想されるからこそ、雇う側も当然躊躇します。派遣の場合だと派遣会社が雇う側ですね。短期なのだから、ダメならまた違う人を派遣すればいいじゃないかと単純に考える人がいます。しかし、そうではありません。

短期だろうが何であろうが、派遣先ではその会社の指揮命令者によって働くことに変わりはありません。そして新しい人に仕事を教えるということは、短期だろうが長期だろうがそれなりに労力のいることなのです。

ましてや短期であっても誰かを雇わなければいけないということは、それだけ手が足りていないからということに他なりません。すぐに辞めてしまう人の穴を埋める余裕があるなら、そもそも短期の労働者を雇う必要などない、ということです。

妊婦さんには周囲も気を使う

そして、妊娠しているとわかっている女性がそれを隠して短期で仕事に就くということは、もともと職場にいる長期の労働者が妊娠するのとは訳が違います。

それを妊娠のせいで短期派遣してもらえないと困るから黙っていました、と言い訳するのはお門違いもいいところです。

妊婦さんが職場にいると、良い意味でも悪い意味でも周囲は気を使うことになるでしょう。よほど人間関係の冷え切った職場でもない限り、妊娠した女性の体を気遣うのは人間としての本能と理性の両面から見てごく真っ当なことです。

しかし、そんな気遣いをほんの短い期間だけ働くポジションにまで求めるのはあまりに酷というもの。周囲にとってはただのストレスにしかならないからです。

いくら妊婦本人が「私のことは気にしないでください」と言ったところでそう簡単にはいきません。日に日に大きくなっていくお腹を見ながら、完全にそのことを無視することは、常識のある人間であればあるほど難しくなるでしょう。

妊娠を隠すなんて社会人失格です

そういった事情を踏まえているからこそ、例え短期であっても妊娠した女性に派遣として仕事を紹介するのは難しいという現状があります。そのことを登録時に説明すると、妊娠しているせいで働けないと経済的に困ると嘆く人が後を絶ちません。

しかし、そのような経済状況であるにもかかわらず、妊娠したのは自分自身の行動の結果だということを忘れていませんか?

そんなことを言ってるといつまでたっても出生率が改善されませんよ!と訴える相手は派遣会社ではなくて国にするべきです。

悪い大人が子どもを騙して妊娠させた…。もしそうだとしたら、これはまさに犯罪です。許せることではありません。しかし、いい大人にその言い訳は通用しないんです。

ましてや、妊娠を隠して短期の仕事を「もぎとろう」などという発想は、社会人として失格です。