海外経験を語る時「それに比べて日本はダメだ」という話は受けない
学生生活の中で頑張ったことやアピールポイントに海外での経験をとりあげる学生はたくさんいます。
外国で生活するということは異国文化に直に触れることです。
それゆえ、かなり刺激的に感じるのでしょう。
しかし自分で思っているほど、聞いている方はあまり感動しないのもまた事実。
よほど驚くような珍しい体験でもしているのなら注目されますが、たいがいは似たり寄ったりの内容ばかりで目新しさがありません。
おもしろいのは、やたらと得難い経験だったと強調する人に限って、実は数ヶ月程度の短期留学だったりすることです。
単に異なる文化や習慣に触れて驚いた、という程度の浅い経験談にやたらと熱を込められると、あまりのイタさに目も当てられません。
そして大した経験もしていないわりに「それに比べて日本は…」と母国批判を展開するのには正直言って閉口させられる時があります。
大した経験もなく、正確な知識によって裏打ちされていない安易な日本批判はまず好意的には受け取ってもらえません。
やめておいた方が無難でしょう。
そもそも、浅い経験だけで海外経験について語ったところで、単なる観光旅行の延長にしか聞こえません。
そこに中途半端な日本批判が混ざると、びっくりするほど頭の悪そうな印象を与えてしまうんですね。
幼い頃から海外で生活している帰国子女は、感覚が海外仕様になっているケースが多いので別として…。
大学生以上の年齢になってから海外生活を長く経験すると、「日本っていい国だったんだなぁ」という感慨を生まれて初めて持つ人が意外に多くいるものです。
特に海外勤務を経験すると、仕事の面での常識の違い、進め方などの相違にぶつかります。
日本で仕事をしている時とはまったく違う種類のストレスを抱えるなんてしばしばでしょう。
それだけに、改めて日本の、母国の良さをしみじみと感じてしまいます。
つまり、他国で暮らして初めて母国の素晴らしさを知るわけですね。
もちろん仕事の面だけではありません。
日常生活においても日本の良さを日々実感したりするのです。
例えば水質の良さ、コンビニの充実、出会う人々の謙虚な人間性などといったものでしょうか。
日本にいる時はたいして和食好きでもなかったのに、無性に日本の味が食べたくなるのは郷愁もあるのでしょう。
それらの経験をしてきたうえで薄っぺらな海外体験を聞かされたところで、失笑するぐらいしかできることはありません。
おまけに比較して外国はいいなどと言われると「おまえ、わかってないねー」となるわけです。
それは何も海外生活経験者に限った話ではありません。
全く海外生活の経験がない相手に聞かせても反応はまずかんばしくないでしょう。
――それはなぜなんでしょうか?
普段は意識していなくても、日本は母国です。
それを青二才にけなされることは、身内の悪口を言われるのに似た感覚があるのかもしれません。
そういった不快感というのは、印象そのものに影響を与えてしまいます。
結果として、就職活動のために選んだ話としては失敗だったと言わざるを得ないでしょう。
ですから、中途半端な海外体験しかしていないのなら、それを主軸にした話を展開するのはとても危険です。
もし自分なりに自信のある体験をしていたとしても、安直に日本批判につながる話題の展開は避けた方が無難です。
逆に、眉唾ものだと思われるような日本製品の称賛もやめておきましょう。
ありがちなのが、海外生活の中で御社の製品に出会い、その素晴らしさを知りました、というたぐいのストーリーでしょうか。
これ、正直聞き飽きるほど多くの学生が使い古したネタです。
御社の製品が留学先で出会った人々にとても好評だった、という展開も多いですね。
みんな、考えることは同じということです。
みんなと同じがいけないわけではありませんが、その他大勢の中に埋没してしまっては意味がありません。
あえて言う必要もないことですが、経験の捏造は絶対にいけません。
「その話、ウソ臭いな」と思われた時点で完全にアウトです。
それから、少し留学したぐらいで英語が堪能だとアピールする人がいますが、これもおすすめできません。
本当に堪能かどうかはTOEICやTOEFL、英検などの具体的な数字によって示した方が効果があります。
早めに対策して、出来るだけ高得点をあげておきましょう。