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姿勢が悪い学生はそれだけで面接担当者に興味を持ってもらえない

面接の時には姿勢を正しく――。そんなの当たり前じゃないかと思いますよね。ところが、これがけっこう崩れてしまっている学生が多いことに驚かされることがあります。

何も終始お侍さんのように背筋をピシっと伸ばして前を見据えていろ、というわけではありません。ごく自然な動作の中で姿勢良くしていればいいのです。ところがいつの間にか体が緩んでいる隙だらけの姿を見つけると正直がっかりしてしまいます。

いつの間にか背中がまるまっている。無意識に膝に片肘をつけて座っている。イスに浅く腰掛けているのに背中が背もたれについている。これらの姿勢に共通するのは「くたびれた印象を与える」ということでしょうか。

くたびれた印象――。快活さと新鮮さが何より求められる学生に、ですよ?こんな疲れた印象の学生が面接担当者の中に「快活な学生」として印象に残るはずがありません。

「あいつ、疲れてるなぁ」という印象すら与えないかもしれません。なぜならあっという間に「どうでもいい学生」のカテゴリーに仕分けられてしまうからです。

面接担当者と差し向かいで話すときだけピシっとしていれば大丈夫なはず。……甘い考えと言わざるを得ないでしょう。面接会場において、誰がどこで何を見ているかなんてわからないものです。たくさんの学生がいるから、ちょっと見られたぐらいで憶えられるはずがない?

これが、けっこう自分でも意識しないうちに憶えていることが多々あるんです。人間の大脳って高性能だな、と思う瞬間でしょうか。

その憶える、という感覚は「はっきり記憶する」というより「なんとなく印象が悪くなった」というものに近いでしょうか。

無意識に近いような状態で「この学生はさっきのだらしない子か…」と記憶をさらうわけです。この時点でマイナスポイントを稼いでいることはあっても、プラスに作用していないことは間違いありません。

その後、面接ではぴしっと姿勢よくハキハキと答えていた。ここで一気に印象は良くなるでしょうか――?そこはなんとも判断が難しいところかもしれません。

もしかして化けの皮を剥がせば本当はだらしないタイプなのか?本当はうちの会社にはあまり興味がなくて、せいぜい滑り止め程度の感覚で来ているのか?昨日の夜は合コンで盛り上がって、もしかして今日は二日酔いなのか…?

どう思われるかについては面接担当者の性格にもよるとは思います。しかし、一つだけ共通していることがあります。姿勢が悪かった、ただそれだけのことで一度は印象がマイナス寄りになった、という事実です。

就職活動は好印象を与えてナンボです。姿勢一つが少しでも影響を与える可能性があるのなら、気合を入れて矯正しても損はありません。

企業の説明会に参加した時、面接の時。何も就職活動のすべてにおいてガチガチに緊張していなければいけない、と言っているのではありません。緊張するのは仕方がありませんが、できるだけリラックスすることも心がけるべきなのです。

しかし、リラックスすることと緊張感を失うことは似ているようで、実は全然違います。リラックスしている学生は落ち着いて見えますが、緊張感を失くした学生は単にだらしなく見えるだけです。

違いがよくわからない?それではいつまでたっても「自分は完璧にオンとオフを使い分けられている」という大きな勘違いから抜け出すことはできないでしょう。

面接や説明会は自宅でくつろいでいるのとは訳が違います。オンはあってもオフの時はないのです。そのオンの状態を最小値から最大値までどのように調節するのか。手綱を握っているのは他ならぬ自分自身なのですから、自分でなんとかするしかありません。

そんなことができるはずがないと思う学生は、自分がどれほど緩んだ生活を送っているのか自覚がないのでしょう。きちんとできている学生は大勢います。ただ自分がその中に入れていないだけ。その原因を他人の責任だと感じているうちは、底の浅い学生という印象を抜け出すことなどできないでしょう。