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挨拶は何でもないことのように見えても実は対人スキルの塊である

挨拶は人間関係の基本です――。就活にいそしむ学生にとって、こんな言葉はすでに聞き飽きていることでしょう。人事担当者には精一杯ハキハキと挨拶するのは当然として、廊下ですれ違う社員にもぬかりなく会釈をする。そんな風に上手くやっているつもりでも、自分で思っているほどその姿が様になっていない人もいます。

挨拶はなんでもないことのようで実は人間関係を築くスキルの基本

挨拶をする。たかがそれだけのことですが、簡単なようでいて、しなれない人には実はけっこう難しいものです。例えば道ですれ違うだけのご近所の人。

顔は知っているけれど名前も知らなければ話したこともない。こういう相手に自分から臆さずに挨拶をすることができますか?

する必要がない相手だからしない――。このような考え方をする人は、自分で思っているほど就活の場でも魅力的な挨拶ができていません。挨拶というのは実は一瞬にして相手の気持ちをつかむ技術の塊。

○まずは相手の存在に気がつきます。

挨拶するために視界に入れるわけですが、この時じろじろ見るのも失礼ですし、変にニヤニヤするのもいけません。あくまでもさりげなく、変なオーラを出さないように。

○そして、ごく自然に相手も自分を見るように促します。

間違ってもコッチ見ろと言わんばかりの物欲しそうな顔をしてはいけません。

○相手が自分を認識したところでタイミング良く声をかけるわけです。

無愛想でもなく、また変に媚びるようでもない、ごく自然な発声が望ましいでしょう。声をかけるまで気づいてもらえない場合は、相手の思考に無遠慮に踏み込まないような滑らかさが要求されます。そして自然な表情でニッコリと微笑む。

……どうですか?

たかが挨拶ですが、よく考えてみると実はけっこうテクニックがいるものなのです。しかし、幼い頃から気持ちの良い挨拶ができている人は、特に難しく考えなくても自然にこういった動作ができてしまいます。

そして、そういう挨拶ができる人のことを「感じの良い子」だと周囲の大人は評するのでしょう。

付け焼刃の挨拶は失笑のもと

ところが、こういう何気ない挨拶を怠ってきた学生は就活での態度を見ているとけっこうわかってしまうもの。挨拶する一連の動作がやけに仰々しかったり、変にぶしつけだったりと不自然さが満載だからです。場合によっては本人の知らぬ間に失笑をかっていることだってあるほどです。

挨拶しようと必死なのはわかりますが、コッチ見ろ光線が出ている視線というのは正直あまり気持ちの良いものではありません。何か他のことに気をとられている時などは、鬱陶しいと感じるころもあるぐらいです。

こういうタイプに限って、自分の挨拶に感じの良い挨拶が返ってこないと「挨拶して損した」という顔をします。一方通行の挨拶になってしまったことを恥ずかしがったり不貞腐れたりするのも挨拶しなれない人の特徴でしょうか。

しなれている人は、相手から反応が返ってこなくてもあまり気にしません。なぜなら、挨拶をしても気づいてもらえないということはよくあることだからです。

挨拶は習うより場数を踏んで慣れた方が身につく

就職活動が始まったからとあわてて挨拶の練習をする人がいます。本当は小さな頃から目上の人に挨拶する習慣があれば一番いいのですが、今さら遅いと嘆いても始まりません。大学の就職セミナーの時だけ一生懸命練習していてもそう簡単に上達しませんから、今日からでも近所の人に挨拶しまくりましょう。

近所でよくすれ違う年配の人、よくいく弁当屋の店主、通学で使っているバスの運転手さん……。その気になれば練習相手はいくらでもいます。

仰々しい挨拶など必要ありません。「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」「ありがとうございました」たかが、この程度の一言であっても、自分から声をかけるということがとても大切なのです。

こういう日常の挨拶をし慣れていくと自然に笑みを浮かべることができるようになっていきます。そのような表情が面接では「好印象」と受け取られるのです。