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女性は強し!ニッポン女子の海外における就職事情

最近、すっかり元気のなくなった日本の男子サラリーマンとは対照的に、海外でバリバリ働くニッポン女子が目立って来ている。ニューヨークでも、シンガポールでも、はたまた日本人が比較的少ないインドでも良くッポン女子を見かけるようになった。

先日、シンガポールで元部下と昼食を取りに飲茶へ行こうとチャイナタウンの有名飲茶店に行った。店は満員。根気よく並ぶことにしたが、店内をよくよく見回してみると客の1/4が日本人。しかも元気なニッポン女子が大半で、楽しそうに仲間と談笑しながら次から次とカートのおばさんから料理受け取りガンガン食べていた。

夜は夜で、シンガポールリバー沿いにあるビアレストランで、自分の彼氏の話を肴に元気にビールをグイグイ遣っているニッポン女子に遭遇。私は「たまたま元気な日本女性を見ただけだろうか?」と思っていたら、たまたまではない証拠を裏付ける数字があった。

平成23年10月現在の外務省領事局が発行した「在留邦人数調査統計 平成24年速報版」の数字である。

海外に在留している邦人数は1,182,557人(前年比3.4%増)で、うち女性が612,297人(51.8%)と男性を上回りますます増加傾向にあるというのだ。道理で海外でニッポン女子をよく見かけるはずである。

ニッポン女子のバイタリティーには恐れ入るが、何か背景があるのではないかとインドで人材紹介を展開している日系人材会社のマネージャーに聞いてみた。

「日本では企業の新規採用が激減しているのと、メーカーを中心に先般の円高で日本での仕事がなくなり、拠点を海外にシフトする企業が増加する中、日本人女性の雇用は大変厳しいものとなっております。

しかしながら、もともと好奇心と環境順応力に優れた日本人女性が男性より先に海外へ視野を広げ仕事を始めたということではないでしょうか。勢いと大胆さは男性より女性の方がありますしね。」との事。日本では非常に困難となった就職事情でも、海外でのニッポン女子の就職は平等に門戸が開かれている。

海外は日本と違い、性別や年齢は基本的に問わない。逆に年齢が若ければ「信用がない」との事でよほど優秀な人間以外要職に就かせてもらえない。良い例がアメリカのセールスマンである。アメリカのセールスマンは相対的に年齢が高い。50代、60代がゴロゴロいる。しかも経験と人脈が豊富で携帯電話一本で仕事をこなす。

要は人脈と経験が問われているのである。日本企業のようにまだ30代後半や40代でも「年齢が行き過ぎている」とか「転職が多すぎる」などその人の経験や本質を見ずに表面上の理由ばかりを並べたてているようでは国際競争力には到底勝ち目がなく、中国・韓国勢に加えインド勢の参加により海外の市場のチャンスを益々失うに違いない。

こんな状況の中ニッポン女子は堂々と世界を渡り歩いているのである。経験があろうがなかろうが、人脈があろうがなかろうが、得意のコミュニケーション能力と日本人にしか持ち合わせていない「察する」能力、つまり「気遣い」や「心遣い」を武器に海外企業に認められ堂々と市民権を得ているのである。

アジア各国でニッポン女子を雇用している企業にヒアリングしてもニッポン女子の評判はすこぶる良いのである。

これに比べてニッポン男子の情けないこと。保守的で冒険はしない。現状維持で満足。人より変わった事をしたらすぐに叩かれるので大人しいのが一番と考えている。これでは国際競争に勝てるはずがない。これは世界を知らない旧態依然とした日本企業にも責任があるが・・・。

いずれにしても、普通の能力でちょっとだけ勇気を出して海外で就職活動したという至って普通のニッポン女子が海外で活躍しているのである。

ニッポン男子は彼女たち以上の勇気と経験を積まないとニッポン女子から結婚相手にも認めてもらえず、益々日本の少子高齢化に拍車がかかるとともに、ニッポンのカイシャが危機的状態となり、生き残って行けなくなるのではないかと危惧してしまうのは当然ではなかろうか。