事務で派遣されたらまずは社員が何と言って電話を取るかメモしよう
事務職として派遣される場合、業務の中に電話応対が含まれるか含まれないかは職場によってマチマチです。
契約書には「事務用機器操作業務」と書いてある。
だから電話応対は契約外の仕事だ!
……と、声高に叫んだところで無駄でしょう。「そうだったよね、電話応対させちゃってゴメンね」と言ってもらえるケースはまずありません。
データ入力やデータ加工のみが専門で、そのためだけに部屋が用意されている、もしくはコーナーが仕切られているなら話は別です。しかし、一般の社員とともに机を並べて仕事をする場合、電話応対ゼロで済ませることはかなり難しいでしょう。
電話応対が苦手な人にとっては 《電話をとる=苦痛》 となってしまうことがしばしば見受けられます。だからと言って電話応対を避けながら事務職を希望するとなると、働ける職場がかなり限られてしまうのもまた事実。そこで、少しでも電話応対に慣れるよう、自分なりに工夫をこらしてみましょう。
まずは何と言って電話を受けるかを確認しましょう
外線を受ける場合、多くの職場ではそのとり方にある程度の決まりや共通するセリフがあるものです。職場の社員達がどんな文言で電話を受けているのか、まずは電話が鳴るたびに聞き耳をたててみましょう。
語尾などに多少の違いがあったとしても、ある程度の共通性を見つけることができたら、すぐにメモに書き出します。そして、電話を受けた場合に備え、自分の名前まで書き込んだ状態で電話のすぐ近くにそのセリフを貼り付けておきましょう。
例えば……
『はい、○○物産統括事業部△△でございます』
『お電話ありがとうございます、○○物産△△が承ります』
……というような具合にです。
○○は会社の名前、△△はあなたの名前が入ります。もし、誰も会社の名前を言わない、もしくは名乗らない場合はそれに従ってかまいません。
内線の場合は部署名だけ、ということもありますね。メモに書いてあることを『読む』ことで、緊張のあまり会社の名前を度忘れしてしまう――。
とっさに何を言っていいのかわからなくなる――。そういうミスをなくすことができれば、まずは御の字というわけです。
電話のとり方がばらばらの場合は参考にするターゲットをしぼりましょう
職場によっては驚くほど電話の出方がまちまちな場合があります。名前を名乗る人もいれば、名乗らない人もいる。この場合は、職場の中で一番電話に出ている人の文言を参考にするとよいでしょう。その人の語尾などがあまり丁寧でない場合は、そこだけ少し変える必要があります。
例えば……
『○○株式会社営業一課△△ですが…』
というかなりあっさりした出方をする人が多く電話を取っているとしたら。
『はい、○○株式会社営業一課△△でございます』
というように、ぶっきらぼうな印象を緩和させた方が何かと角が立ちにくくなります。あまり丁寧過ぎてもちぐはぐな印象を与えてしまいますので、少し丁寧にする、ぐらいが無難なところでしょう。
自信がない人はその他の文句もすべてメモしておきましょう
電話に出たとたん、緊張のし過ぎで頭の中が真っ白になってしまう人がいます。こればかりは慣れるしかありません。
もう大丈夫だと思えるまでは、自分なりのマニュアルを作っていつでも目に付くようにしておきましょう。電話を取り、名乗ったその先についても自信がなければいくつか文言を書いておくとあわてません。
『失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?』
『あいにく、ただいま担当の者が席を外しております』
『こちらではわかりかねますので、担当の者におつなぎさせていただきますね』
などなど。
何度も電話を受けていると、自分が発するセリフの範囲が思っていたより広くないことに気がつくかもしれません。
守備範囲さえわかってしまえば、あとは上手にリレーするだけです。
間違えてはいけないのは、誰からかかってきた電話で、誰への用件であるか。そこはしっかりとメモにとり、速やかに電話を取り次げるようになればもうあれこれ気に病む必要はなくなります。
習うより慣れろ。昔から言われることですが、電話応対というのはまさにその通りなのではないでしょうか。派遣だから電話応対は契約外だ!などとまくしたてるより、自分の事務スキルを上げるためにもまずは出来る努力をしてみましょう。