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偏った媒体からの情報だけで就活していると視野が狭くなりやすい

就職活動において学生の皆さんは日々情報収集に勤しんでいることでしょう。業界全体について調べたり、企業を個別に研究するにあたり、多くの人がインターネットを活用しているのではないでしょうか。

確かにインターネットはとても便利なもので、知りたい情報をすぐにいくつも引き出すことができます。企業のサイトはかなり充実したものが多いので見るだけでも楽しいですし。

しかし、インターネットに頼りすぎた情報収集の危険な点――。それは多くの情報の中から知りたいことを探しているつもりが、実はとても偏った狭い範囲の情報しか得られていない、ということです。

企業のホームページは情報ではなく宣伝と捉えるべき

お目当ての企業のホームページ。きっと何度も何度も閲覧しては憧れを募らせていることでしょう。見るたびに「この会社に入りたい!」という気持ちが湧いてきませんか?

そうなんです。企業のホームページというのは、「我々はこういう会社です」と自己紹介をしているだけではありません。その会社に良いイメージを持ってもらえるよう、様々な仕掛けがしてあるのです。

規模の小さな会社だとそこまで手がまわらないこともありますが、大手になるほどその傾向が強いでしょう。がっちり費用をかけて計算されたホームページを作ってあるのですから、当たり前と言えば当たり前なのですが。

当然のことながら、ホームページは閲覧によって悪い印象を持たれるような内容には作りません。本当は社員全員がニコリともせず黙々と働いている会社だったとしても、ハツラツとした笑顔のモデルが写っていれば実像は想像もつかないでしょう。

それは別に悪いことではありません。それだって企業のイメージ戦略の一環なのですから。しかし、就活をする以上そんな浅いところで留まっているのではなく、もっと掘り下げて調べなければ意味がありません。

そのため、企業が自身で発信している情報だけではなく、新聞、雑誌、ビジネス書などを含め、客観的な意見をもっと拾うべきなのです。

インターネットの情報はすべてが正しいわけではない

知りたい事柄を検索すると、驚くほどの数がヒットしてきますよね。それこそ、何万、何十万、何百万という桁数を瞬時に拾ってきます。

怖いのは、そのすべてが正しい情報ではない、ということです。完全に何もかもが間違った情報であれば、まだある意味わかりやすいのかもしれません。

恐ろしいのは、故意に流された「真実によく似せて作られた偽の情報」。それから、勝手な個人の見解をあたかも世論のように述べたもの、でしょうか。

後者は事実に対して述べられた意見であっても、一個人の思想が反映された時点で就活のための情報としてふさわしいものではなくなります。

敬愛してやまない評論家の意見を参考にする、というのであれば別ですが、どこの誰かもわからない一個人の意見を参考にすべきではありません。

批判にしろ礼賛にしろ、客観的な事実以外が情報に含まれた時点から、それは誰かの思想に影響されてしまうことになるからです。

新聞や雑誌、書籍だって個人の意見が含まれているのではないか?と反論されそうですが、インターネットの垂れ流しの情報と混同すべきではありません。

多くの人の目によるチェックが入った内容と、匿名や偽名でも情報を発信できてしまうインターネットの一記事はやはり同列ではないからです。

人間は、自分にとって都合のよい情報を無意識のうちに選択しようとする生き物です。例えば自分の狙っている企業の業績不振のニュースが報じられたとします。

あわててネットであれこれ検索すると元金融マンのブログに関連する記事が。「あの会社は基盤がしっかりしてるから大丈夫」――そのような楽観的な見解が述べられています。

それなら問題ないだろう、などと鵜呑みにして判断したとしたら、あまりにもお粗末です。その元金融マンが本当にもともと金融関係の会社に勤めていた証拠などどこにもないのですから。仮に本当に元金融マンだったとしても、あてになるほど優秀だったか定かではありませんし。

読み慣れないと経済新聞や経済誌は読みにくく感じることでしょう。しかし、自分の将来のためですから出来る努力を怠ってはいけません。多少訳がわからなくても、とにかくまずは読んでみることをおすすめします。

そうしていくと、少しずつでも頭に入ってくる事柄が増えてくるものですから、付け焼刃にならないよう早くから読む習慣をつけておきましょう。