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君もTEDみたいなプレゼンをしよう!スピーチの達人がテクニックを伝授

話し手は、ジェイソン・ティティック氏。彼は、ビジネスの各界の人達に、効果的なスピーチ、振舞い方を助言するコーチです。

このTEDxスピーチにおいて人のタイプを4つに分け、それぞれ自分のタイプにあった話し方をするのが成功のカギだと説きます。

(参考動画)

私はジェイソン・ティティックです。私は、優れたアイデアを持っている各界のリーダー達に自分のアイデアを是非広めてほしいと願っています。

ここにいる皆さんはなにかアイデアを持ってますか?

ところで私は、今までに「モントレーでいつか話してみたいんです。」という人に会ったことがないですね。

カリフォルニア州、モントレーは、1990年にTedが発祥した地です。私に相談してくる人は、だいたい人を説得したい、自分の考えを人にうまく伝えたい、人に自分の考えに耳を傾けてもらうにはどうしたらいいだろう、という人たちです。

自分は『どのように』相手の助けになるか、を伝えよう。

私が初めて人に教える仕事をしたのは1993年のことです。大学で師事していたエルジー教授を手伝って、サマースクールで高校生を教えることになったんです。

数学の単位を落とした生徒39人の3クラスです。「君は各クラスを回って、(助教として)生徒たちを助けてくれたまえ」

私は途方にくれました。「多すぎるよ。そうだ、各教室の6人ずつを選んで、計18人のクラスを作って別室で教えたらどうだろう?そのくらい数なら教えられるよ。」

教授は、「よろしい、私は君のお父さんと知り合いだ、任せよう」(会場笑)

私はまだ19か20歳くらいでした。そこで一つ目の教室に入って、担任教師にそのことを伝えたところ、彼女は、「いいわ、彼、彼女、彼、彼と、彼、それから彼をお願いね!」私「・・・」(会場爆笑)

私は次の教室、三つめの教室でも同じようにしました。生徒たちを連れて別室に行くと、エルジー教授も一緒に入ってきました。

教授は俳優のジェームズ・アール・ジョーンズが、ラッセル・クロウ役をやっているみたいな感じの人なんです(会場爆笑)。

教授は言いました、「諸君はこの夏、セカンドチャンスを求めてここにきているだろう。しかし、ただここにいるだけじゃあ、セカンドチャンスは手に入らない。セカンドチャンスは自分でつかむもんだ。だから、ティテック先生の授業をめちゃめちゃにしてみろ、君たちにもうチャンスはないぞ!」

私は思いました、「ティテック先生か、うーむ、初耳だ。(会場笑)こうして教授も生徒たちに私に任せるって言っているし、うん、いけそうだ。教えさえすればいいんだろ。」

でも教授が教室を出て5分もしないうちに、机が二つ、教室の端から端に吹っ飛んだんです!(会場爆笑)

夏の間、父と対話に対話を重ねて、私は気づいたんです。他人に自分の考えを伝えるのはよそから見るより簡単なことじゃないと。

では、TED TALKが多くの人を引き付けるのはなぜか?一番人気のTED TALKの視聴者は1500万人、なぜか?

TED TALKのプレゼンは地球上で毎日何百と行われています。では、それを誰でもできるようにするコツがあるんじゃないか。私がそれを今から皆さんにお教えしようと思います。

まず皆さん、「私はあなたのためにこんなことができますよ」と伝えることから始めてください。

私が自分のできることを初めにお伝えしたことを覚えていますか?「私は優れたアイデアを持っている各界のリーダーに自分のアイデアを広めてほしいと願っています。」ってお伝えしましたね。

それを「私はこの仕事を20年間やっています、かくかくしかじか」、なんて話し始めても、正直どうでもいいでしょう?

それで興味を持ってもらえれば少しはいいけど、相手の心には訴えかけないですよね。相手にも自分と同じものを見てもらわないと。

TED TALKでも、話し手が自分のストーリーを語りますよね、たとえば皆さんが初対面の人に自分に親しみを覚えてもらうために。でも、それは無駄なことなんです。

私がこれから皆さんに伝えることは、友達とのリラックスした会話にも、仕事の相手を説得するのにも応用できます。親戚の集まりで初対面の叔父さんと話すときにだって。

人は、おかしいから笑うのではなくて、気分がいいとき、安心感を感じているときに笑うんです。そこが、まず皆さんに注意してもらいたい第一歩なんです。

聞いている人に安心感を与えましょう、あなた自身にではなくね。

「君みたいな人をさがしていたんだよ」と言われよう

ここに数匹の金魚が釣針のまわりに集まっている写真があります。いまこの金魚たちに、「聞いて、聞いて、耳寄りな話があるんだよ、聞いてよ!」と話しかけても、金魚は「はぁ?関係ねえだろ、うまいこと言って、おれたちを釣り上げようとしているだけだろ」って思うのがおちですね。

みなさんは、「自分が何者であるか」という話でなく、「自分は相手をどのように助け、相手のために何ができる人間なのか」を話すことです。

これが大事なんです。相手の必要としていることをくみ取って、自分がその解決策を提供できる、と伝えるのです。

世の中には驚くようなアイデアを持っている人はたくさんいる、でもそれを人に伝え、人に広めることができていないんです。

私はあるソフトウェア開発者に会いました。彼はすごいソフトが作れるのです。そこで、

私「君のソフトウェアについて語ってみてよ!」 彼「いいよ。」 私「じゃ、君は300人、いや1人の人に、自分の仕事をどうやって紹介する?」 彼「私は10年プログラムを開発してます、・・・」 私「それは面白いけど、訴えてくるものがないねえ。君はそのプログラムで何を解決してくれるの?」 彼「普通のソフトウェアは使い方が難しいじゃないか?だれでも直観的に使えるものじゃないじゃないか?私は誰でも簡単に使えるソフトを開発しているんだよ。」 私と彼「なるほど、これで行こう!」

そこで、私は彼に、「私は○○と申します。どなたでも簡単に使えるソフトウェアを開発しています。」という言い方を提案したんです。

そうしたら、彼の言葉に耳を傾ける人間が増えて、人は彼を見直して、「君のような人を求めていたんだよ」という声もかかるようになったわけです。さあ、皆さんが伝えたいことは何でしょう?

『何』の前に『なぜ』を伝えよう

偉大なTED TALKの講演者に共通する話の進め方のコツは、彼らは「何」ではなく、「なぜ」あなたはそれが欲しいのか、から話を始めるということです。

私が最高のTED TALKの講演者だと思うサイモン・シネックの「ゴールデンサークル」のプレゼンを聞いたことがある人はいますか?

彼は「人は『なぜ』を刺激されるまで、『物』に興味を持たない」と話していました。

私は2年前、妻に頼まれたiPadを買うために、アップルストアの前に並んでいました。私の前には55人待っています。私は隣の人に話しかけました。

私「あなたもiPadですか?」 隣の人「もちろん!」 私「iPadで何します?」 隣の人「どうするかなー。(会場笑) 見たこともないからねぇ」 私「え、見たこともないのに買うんですか? マジですか?」 隣の人「コレで人生変わりそうな気がするからねぇ」 (会場爆笑)

ホントの話ですよ!そこで私は続けました。

私「iPadで仕事が効率的にできたら、時短ができて、結果として妻や子供と過ごす時間が増えるから、欲しいなと思って」 隣の人「なんでそう思うんだい?」 私「スティーブ・ジョブズのプレゼンを聞いたからですよ。」

こうして見ると、スティーブ・ジョブズは、アップルは、世界で成功する企業というものの明確なビジョンを持ってたんだと納得ですね。

サイモン・シネックも「ゴールデン・サークル」のプレゼンで、聞き手に「その『物』を手に入れさせる前に、それを求める『理由、思い入れ』を先に伝えよう」って言ってます。

凡人はしばしばそれを忘れてしまいますが。でも、一流のTEDの話し手は決して忘れません。これが彼らの話の切り出し方なんです。

皆さんは「でもTEDでカッコいいのは話し手のストーリーじゃないか。」と思うかもしれない。それぞれの人のもつスタイルによりけりですね。

これから、TED TALKの最高のスピーチの中から見つけた4つのスタイルについて説明しますよ。みなさんが生まれ持ったやり方っていうのがあるわけです。

どのスタイルにも共通するのは、人に「なぜ」それを手に入れるべきなのかを先に説得するところ、手に入れる「物」自体を説明する前にね。万人が求めてやまないのは、幸せ、成功、そして自由です。

「幸せなだけで満足」っていう人もいる、でもそれは本当じゃない。私の友達でWiiが大好きで兄弟とWiiさえしてれば幸せって奴がいるけど、それだけで自由を手にしてはいるとはいえないですよね。

ウォールストリートで億万長者の梯子を駆け上がっている人は仕事では成功しているけど、かけがえのない子供、夫、あるいは妻と過ごす時間を犠牲にした上だったら、自由とはいえないですよね。

人に話をする前に、人が聞きたいと思うだろうアイデア、自分の話したいアイデアを書き出してください。

その時自問自答すべきなのは、そのアイデアは人を幸せにするか?成功に導くのか?そして人に自由を与えるものか?というキーワードです。そして、人はなぜそうするべきなのか?を考えてください。

スティーブ・ジョブズがしたようにね。アップルの成功を見てください!

自分のプレゼンテーションスタイルをみつけよう

次にするのは、自分のスタイルで通すことです。皆さんもご承知のように、私はトレーナー、企業の部長さんたち、金融マン、販売・営業マン、大学の教師、など、世の中のあらゆる組織のキープレイヤーが自分の伝えたいことを効率的に伝える訓練をしています。

私は新しい人に会うと、この人はどういう人なのか、知ろうと努めます。人事のプロがするようにね。

尊敬するメンターのいる人を観察してみると、そのメンターの話し方や態度をそのままコピーする人が多い。でもそれはまったく無駄なことなんですよ。

これから、TED TALKのトップ4だと私が考える人たちを類型化した、4つのプレゼンテーションスタイルをご説明します。どうやって話を進めるかで、皆さんは、自分がどのスタイルに当てはまるか判断してほしいんです。

ここに図を書きます。円全体を四つのグループに分けます。これはカール・ヤングが考え出した人の性向の分類方法です。

これをコミュニケーションの仕方別に当てはめてみると、話し方のプレゼンテーションスタイルの類型を導きだせるんです。

1

ちなみに、私はinspirer(人の心を動かす人)、生まれつきほかの人の欲求に叶えてあげたいタイプです。今日もお話する前に、来場者10人の方にどんな話が聞きたいか、直接聞かせてもらいました。

聞き手のニーズにできるだけ応えたいからです。効果的な授業をしたい教師の方に意見を求められた時は、生徒たちのどういうことに興味があるのか、と問いかけます。

妻のジェスはここ、Energizer(エネルギーを与える人)。

こんなふうに人は皆、Fascinator (人に魔法をかける人)、 Inspirer(人の心を動かす人)、Energizer(エネルギーを与える人)、Performer (役者肌)の4つの類型に分けられます。

これは私が、長年人々を観察してきて、それぞれの類型に名前をつけたものです。これから挙げていくTEDの講演者を自分の類型に当てはめてみてください。自分のスタイルをつかみましょう!借り物でなく!

ダニエル・ピンクはFascinator (人に魔法をかける人)です。彼はユーチューブでもおなじみTED TALKのトップテンの常連、”A Whole New Mind”という本も書いてます。

彼のアイデアで人は魔法にかかったようになります。偽物の笑顔は作れないって知ってました?彼は、人の頬骨は目じりと口角とつながっていて、心から笑わないと、笑顔にはならない、と説くんです。

ハリウッドスターが地元スーパーでパパラッチに追いかけられている時、鼻も口周りも覆っていますよね。あれは笑いたくないからだそうです(会場笑)

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ある日、私の息子のトレイが、部屋に駆け込んで来るなり私を見て、いきなりげらげら笑いだしたんです。

私は別におかしいことを何もしてなかったのに、なぜ?理由なしに!彼は、feeler(感じるままの人)なんです。彼は気分が良かったから笑い、それが見ている人に安心を与えてそれが快感になり、笑いを引き出すんです。

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私の妻ジェスは、笑い出したトレイを見て、笑顔になったけど、ホントには笑ってないですよね。ほら口と鼻のまわりを覆ってみたら、目つきが邪悪でしょう?(会場笑)

今やったのは、「人に魔法をかける人」、ダニエルのスピーチのスタイル。ウケるでしょう?

Inspire(心を動かす)のは、私のスタイル、そしてスティーブ・ジョブスのスタイルでもあります。スティーブ・ジョブズはTEDで不動のトップテンです。スタンフォード大学でも同じようなスピーチをしましたね。

4つのスタイルに共通する2つのこと、それは「弱みと、サプライズ(ちょっとした驚き)」です。さっき私が最初に話した、机が二つ教室の端から端へふっとんだ話、私の弱みをさらけだしましたね。

そこで人は私の誠実さを感じ取ってもらえます。偽の笑顔は作れないし、誠実さはごまかしがきかない。これがすべてを変えます。

スティーブ・ジョブズは、スタンフォードの卒業式の式辞で、「そう、私は大学を卒業しなかった。」と切り出し、次に「これから皆さんに三つのことをお話しします。」と続けました。

「人の心を動かす人」はストーリー語りに長けています。それに対して、「人を夢中にさせる人」はトリビア(雑学話)に長けてます。ダニエル・ピンクのように。

スティーブの三つのうちの第一話はマックについて。カリグラフィーの学校に行って文字の書体を学び、マックに使ったから、彼のコンピューターは特別なものになったと語ります。

そして、「IBMがマックの書体を真似し、ほかの部分もコピーしまくった」というくだりで、聴衆は笑いだします。なぜ笑ったのか?ダニエルのプレゼンで笑ったのと同じ理由です。想定外のサプライズ話だったからです。

ダニエルが、「写真の人の口と鼻を覆ったら邪悪に見えるぞ」と言ったり、スティーブが「IBMはマックのコピーだ」、なんて言いだすなんて全く想定外だからです。

次にEnergizer(エネルギーを与える人)、Performer (役者タイプ)について。生まれつきリーダー気質で、自信家です。

パフォーマーは、とても勇気があるタイプ、アンソニー・ロビンズがいい例です。アンソニーを知っている人は?彼はカリスマ性あふれる、TEDの不動のトップテンの一人です。

彼は聴衆に問いかけます。「世の中なんでモチベーションが上がらないのか?」聴衆1「金だ、金がもらえないから!」聴衆2「政治だ!政治が悪い!」そこで彼は大声で「最高裁だ!」(会場笑)

すごいサプライズですよね?彼はゆっくり皆を見渡すと、前の方の席にいる元副大統領アル・ゴアと目が合う!(会場爆笑)わかります?

そして、彼はアル・ゴアのところに悠然と歩みよって、彼とハイファイブしたんです!(会場爆笑)

パフォーマーはほんとにそういうのがうまいんです。羽目をはずした行動をしてみせたりが。TED TALKの最中の会場で!私にはできませんよ。私のガラじゃないからです。アンソニーならではです。

私がコーチする人に伝えているのは、「ご自分のスタイルに合わないなら、私のまねをしないでください、ほかの人のまねをしないことです」と。

無理はしないことです。自分のスタイルで、自分が紡ぎだしたストーリーを語ってください。ダニエル・ピンクが人気なのは、その話し方が自分のスタイルにうまくはまっているからです。

最後に、Energizer(人にエネルギーを与える人)たるサー・ロビンソン。彼はTED TALKで一番の人気、視聴回数1500万。この人たちも大変勇気のあるタイプです。

彼の得意技は強烈なジョークです。「人にエネルギーを与える人」は、thinker(「考える人」)気質で、非常に分析能力が高く、生まれつきのリーダーで、自信がある人です。あなたもそのタイプなら、彼のスピーチをお手本にしてください。

ロビンソンは、舞台に出てくるなり、ジョークをかまします。歩いてきて、聴衆を見渡して、「TED TALKってすごいのばかりですよね。今ここに来る道中もそのことばかり聞かされてね。だから、私はもう帰るとこです。」(聴衆少し笑)

ロビンソンがこれをやった時にはすごい拍手喝采の嵐でした。それにひきかえ、今の私のは全然ウケてないですよねぇ?(会場笑)それは私が彼とは対照的なタイプだからです。彼のようなジョークはひねり出せないですよ。

自分らしく話しかけよう

ここが一番のキモですよ。自分らしく、これにつきます!今日の私からのおみやげはこれです。

TEDやTEDxで話すというような大きな機会でなくても、地球のどこにいても、あなたの人生において、自分のアイデアを人に聞いてほしいなら、あなたが最初にすることは、あなたが相手にとってどのような助けになるかというメッセージを伝えることです。

私は最初に、「私は優れたアイデアを持っている各界のリーダー達に自分のアイデアを広めてほしいと願っています」と伝えましたね。

次に、相手にあなたのメッセージによって、「なぜ(理由)」、幸福、成功、自由を感じとれるかを伝えます。相手に安心感を与えるのです。相手に売り込みたい「何か」を伝えるより先にね。

最後に、ちょっとあなたの「弱み」をみせて、聞き手にサプライズというスパイスを与えて笑いを誘います。そして自分のスタイルを貫くこと。自分らしいトークは必ず相手の心に届きます!

さあ、皆さん、これからいつでも、どこにいても、TED みたいなカッコいいプレゼンをしてください!ありがとうございました!