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登録から給料振込まで!知っておけば安心、派遣の仕組み

登録から給料振込まで!知っておけば安心、派遣の仕組み

いろいろな働き方の中から派遣社員を選ぶあたって、知っておきたいのは派遣会社と派遣の仕組みです。

正社員や直接雇用のアルバイトとの違いは何か、また派遣された企業と派遣会社の関係はどうなっているのか、詳しく知っておけば、安心して就業できる上に困ったことが起きた時にどこに相談すれば良いかもわかります。

働く上で大切なのは、自分の立ち位置や周囲との関係です。派遣社員として配属されたら自分がどのような立場であるかを認識して、派遣先の社員と良い人間関係を築いていかなくてはいけません。

派遣会社の仕組みをよく知り、それを十分に活かしてより良い環境の中で働いてこそ、十分な力量を発揮できるというもの。ただ何も分からず一生懸命にやるだけでは、社会で生き残っていけません。

さらに即戦力として求められることの多い派遣社員としては、自らが積極的に成長していかなくてもいけません。例えどんな知識でもそれを吸収することを怠っては、派遣社員の名が廃るというわけです。

派遣の仕組みと働き方を知ることは、自分の土壌を知り、働く意味を知ることでもあります。働き始める前に、まずは派遣社員というのはどういうものなのか、知識を得ておきましょう。

派遣社員と働き方

派遣会社というのは、とても多くの社員を抱えています。そして社員は派遣会社のために働く人々と、派遣先に出向いてそちらで働く社員です。

前者は派遣コーディネーターや営業、派遣社員のお給料や福利厚生を管理する事務などです。派遣会社に雇われていて、登録して派遣先へ行く後者とは違います。

後者は派遣会社に登録して、派遣先が決まれば働いた分だけお給料をもらい、その期間は有給休暇などの福利厚生を受けられる場合もあります。派遣で働く、といった場合には後者のことを指し示します。

派遣社員は仕事がなければお給料を得ることはできません。主な派遣の仕事では 時給制で働きボーナスは出ませんが、一定の期間勤務し続けると有給休暇がもらえます。

派遣社員として働きたい人はまず、派遣会社に登録申請します。その時に同時に派遣コーディネーターや営業担当者と面接(相談)も行うのが普通です。

これは内輪の話なので、ざっくばらんに話をしても大丈夫です。求人面接のようにスーツを着て緊張しなくてもいいのです。主に相談する内容は次のとおりです。

  • 希望の勤務地、どのような会社で働きたいか。
  • 希望する給料額、時給、勤務時間など働く上での条件面。
  • 働く期間、働き方など。

勤務地に関しては、派遣会社の規模によって全国に派遣先を持っていたり、どこかの地方に特化していたりとさまざまです。もし勤務地に強い希望があれば、登録する会社がどのような特性を持っているか前もって調べておく必要があります。

会社の業種や自分のやりたい仕事に関しては、特に専門的な分野でなければ、いくつかの選択肢を派遣会社の方で準備してくれるのが普通です。

特殊な業務を目指していたり専門分野の資格などを持っていてそれを活かす仕事に就きたい場合には、それに特化している派遣会社を探さなくてはいけません。

例えば、医療分野やコンピューター関係、機械技術などの仕事は専門の派遣会社があります。大手の派遣会社であれば、部門別に登録できるようになっているところもあります。

登録を済ませたら、コーディネーターから紹介を受けるのを待ちます。もちろん、自分で希望の派遣先を探して応募することもできますが、すべては派遣会社が間に入り調整を行います。

希望の会社に応募しても派遣会社の方で人選を行った上で相手先との交渉が始まるので、希望通り入れるか分かりませせんし、それどころか相手企業に会いにいくことも出来ないかもしれません。

(派遣では相手企業と派遣を希望する社員が面談することを面接試験とは言わず、「事前打ち合わせ」などといいます。必ずコーディネーターや営業マンが同行します。)

何とか面談を済ませて、仕事が決まると業務開始です。面談の前後に研修を受けることもあります。これを受けることで社会人としてや業務上の知識をつけることができます。

研修制度が充実しているのは派遣社員にとって嬉しい特典のひとつです。たとえ登録しておくだけでも、学びたい人には広く門戸を開いています。

■派遣会社と派遣の仕組み

派遣会社はそこに登録した派遣社員を依頼のあった得意先企業に派遣します。派遣社員は派遣先の企業の指定した業務に当たりますが、雇われているのは派遣会社のままです。

指示を受ける上司や同じ部署内の一緒に働く仲間とは違うところに雇われているということになります。

そのため派遣社員が社内の他のメンバーと打ち解けにくかったり、派遣同士、社員同士で派閥ができたりするのです。

こうした人間関係の悩みや業務上の不安は、派遣会社の担当アドバイザーなどが丁寧に対応します。会社によってはコーディネーターが派遣期間中も相談に乗ってくれる場合もあります。

これは彼らが得意先に何度も足を運んでいるので、その状況を一番よく知っているからアドバイスがしやすいということもあるためです。

雇用されているのが派遣先ではないということは、もちろんお給料の支払い元も違うということです。派遣社員は派遣会社からお給料をもらいます。

派遣先企業は、外注作業費などという名目で派遣社員の費用を派遣会社に払います。派遣社員の捉え方は派遣先企業からすると、仕事を発注して業務を代行してもらっているという風に見られるかもしれません。

そのため派遣社員は即戦力のプロフェッショナルであると見られており期待された存在であるとも言えます。

また同じように有給休暇制度も派遣先ではなく派遣会社のものとなります。実際に働いている現場の許可を取ることや業務に支障のない範囲で取ることは当然のことですが、実際の申請手続きを行うのも、その休暇中に発生する給料を払うのも派遣会社になります。

  • 派遣会社が派遣社員の雇用者である。
  • 派遣先企業は派遣会社にお金を支払う。
  • 派遣社員は派遣先企業の指示(仕事の発注)で働く。
少し複雑な仕組みですが、雇用とお給料と仕事の発注で3者がぐるりと一回りしているのがわかります。

派遣会社と派遣社員にとって、派遣先企業というのは大切なお客様(取引先)と言っても差し支えありません。また、派遣された者はその派遣先で会社の顔として働いている意識もほしいところです。

派遣で働くメリット、デメリット

派遣社員として働くこととその仕組みについて理解したところで、その働き方の良い点、悪い点を比較してみましょう。新聞やテレビのニュースで騒がれていたように、派遣社員の危うさは知る人も多いのではないでしょうか。

しかし、派遣社員でしか経験できないことも数多くあり、そのメリットをしっかりと抑えて置くことで飛躍的にスキルアップすることもできるのです。

自ら派遣社員の道を選ぶ人が少なくないのもそのメリットのためであり、彼らはデメリットを凌ぐ優位性を認めているのです。

派遣社員として働く大きなメリットのひとつは、広い世界が見られることです。夢の大企業で優れた人たちと一緒に働くことができることもそうですし、いろいろな会社を経験することもできます。

大企業に就職するのはかなりの狭き門となっていますが、そういった企業は盛んに派遣社員を利用しており、派遣としてなら入りやすいのです。華やかな業界や一流企業を経験したいなら、メリットは大いにあります。

そしてそんな風にいくつもの会社を経験しても、 履歴書には派遣会社の名前を一行書くだけですから、転職を繰り返しているのとは違うのです。

思い立って正社員を目指して転職活動をする場合にも、履歴書はスッキリ。同じ派遣会社の中でいろいろな企業を経験していても、転職グセのあるようには見えないのです。

また、社内での人間関係のトラブルや業務に対する不満などを直属の上司や会社に言わず、派遣会社を通すことができるため、余計な気苦労を背負うことを避けられます。

デメリットとしては、雇用の不安定さにつきるでしょう。会社は正社員であれば雇用契約をそう簡単には切ることができませんが、派遣であれば仕事が無くなったり期間が終われば継続しなくてもいいので、いつ今の仕事がなくなるか、という不安がつきまといます。

同じくらいの仕事量をこなし、経験を積んでも派遣先企業からの評価はキャリアアップに繋がりません。昇給やボーナスもなく、社員との立場を比較すると物足りなく感じるかもしれません。

デメリットは安定を求める人には大きすぎるかもしれません。しかし、目標や将来の見通しを持って強い志のために派遣社員を選んでいる人もいるのです。正社員として働くには条件の合わない家庭の事情を持っている場合もあります。

派遣社員とその他の働き方

派遣社員の対比として正社員を上げてきましたが、社会にはそ例外の働き方もたくさんあります。契約社員にアルバイト、パートなど、派遣に似ている部分を持つものもあります。

契約社員は月給制ですが、期間雇用で会社と直接雇用契約を結んでいますが、継続して雇われることが決まっていないという点では、似ています。アルバイトやパートに関しては、時給制がほとんどです。

派遣社員と同じ会社で働くアルバイトで給料を比較すると、差が大きいこともあります。派遣元が派遣先から売上として時給に多めに金額を上乗せしているため派遣の方が実際の手取りが少ないこともあります。

働き方の違う人とは同じ業務についていても気軽にお給料のことを話さないほうが無難です。

派遣でももうひとつの形、紹介予定派遣というのがあります。これは派遣先企業がゆくゆくは直接雇用にすることを前提にされる派遣で、将来正社員や直接雇用を目指す人には良い条件です。

いろいろな働き方があり、それぞれが良い面や悪い面を持っています。また自分の生活や環境に合った働き方というのもあります。派遣社員という選択肢も仕組みをきちんと知った上で働く分には、やりがいや働く喜びを得られるものではないでしょうか。