転職で圧倒的な好印象を残す面接ノウハウ【緊張対処法】
転職の場合の面接は、あなたの今までのキャリアを見られることは必須です。
社会人としてのマナーはもちろん、前職でどんな仕事をして、どんなことができるから、この会社ではこんな貢献ができます、というアプローチをするのが基本的な面接の骨子になります。
しかし実際には、面接官は話の内容なんて、選考の数分の一くらいにしか考えていません。
では、何を一番の選考基準にしているか?…それは、あなたの態度なのです。
面接官は、長年の勘でその人の態度からいろいろなことを判断するので、選考の最も重視するポイントは「第一印象」と言われています。
新卒とは違い、フレッシュさや素直さよりも、安心感や信頼感を求められる転職の面接では、第一印象のあなたの態度の中に、落ち着きや包容力、臨機応変の対応力などを見ているのです。
ちょっと、ハードルを上げちゃいましたか? でも心配しないでください。初めて会う人の前で、しかも何人もの面接官の前で、落ち着いて話ができる人なんてほとんどいないでしょう。あがってしまうのが普通だと思ってください。
でも、全員が緊張する中で、余裕ある態度できちんと面接官の質問に対応できる人が勝利を手にするのです。
そこで今回は、転職の面接時に緊張を友にして圧倒的な好印象を残すノウハウをお伝えします。
まずは緊張について、知っておこう
緊張するというのはどんなことなのでしょうか? 緊張すること自体、悪いことのなのでしょうか?
…いいえ、緊張は悪いことではありません。動物学的にいうと、緊張というのは自分の生命や生活にかかわる、重大な局面に接したときに起きるものです。
動物で言えば、いわゆる「臨戦態勢」であり、獲物を捕獲しようとするときの集中力が、緊張の中には含まれています。
人の場合は、例えばこんなときに緊張しますね。
- 命に関わることを行うとき
- 大きなリスクを伴うことを行う、あるいは決断するとき
- これからの生活を一変させるような出来事に遭遇したとき
- どうしても成し遂げたいことをするとき
- 知らない人(人たち)の前で、何かを話す、発表するとき
- 自分を実際より大きく見せたいとき
- 経験のないこと、あるいは準備不足のことを人前で行うとき
これを転職に置き換えるなら、仕事というのは生きるために必要なものですから、面接で緊張するのは当たり前だし、むしろ緊張しなければ手に入らない、という理屈になります。
しかも、上のリストのほとんどの項目が、面接の場面にあてはまりませんか? でも、私たちは「緊張」というと、どうしても良くないイメージを持ってしまいますよね。
それは、緊張し過ぎることで、逆に体が思うように動かなくなる、という経験を誰もが持っているからでしょう。気が動転する、頭が真っ白になる、どもる、赤面する、手足が震える…それらはすべて緊張のし過ぎからくる体の反応です。
では、適度に緊張状態を保って、緊張を友にするにはどうしたらいいのでしょうか?
適度な緊張を保つ体の使い方
緊張している状態の体は、頭は集中力を増し、体は身体能力を上げるために、神経伝達物質を分泌しています。
しかし、その分泌が処理しきれないくらい大量に出てしまうと、今度は自律神経の失調を起こし、体に害を与えてしまいます。
それが、赤面や震え、どもりとなって、体に現れてしまうのです。
でも、神経伝達物質を適度に出すこと=適度に緊張することができれば、あなたのパフォーマンスは最大限に発揮され、体中にやる気がみなぎり、エネルギーにあふれた印象を与えます。
では、正しい緊張を引き出すためには、どうしたらいいでしょうか?ここで、緊張するという言葉を、「あがる」という言葉にしてみましょう。「あがる」というのは、「何が」上がっているか、ご存知ですか?
それはあなたの「気」です。気とは、気功の「気」、元気や人気の「気」と同じ、気持ちの「気」です。
気が上がっていると、ふわふわして足元が定まらず、頭はのぼせてボーっとしてしまい、バランスが悪いのです。
そこで、気をどこに下げるか? というと、気功でいうところの「丹田」という場所。
ちょうど、おへその下あたりです。ここは、何か大事なことを行うときに「気」を集めるところですから、覚えておいてください。
そこに気を下げるためには、一度両肩をギュッと持ち上げて息を吸い、そして、肩をカクンと下げると同時に息を深く「は~っ」と吐いて、一気に気を丹田に落とすイメージで行います。
緊張しているときは肩も上がっていることが多いので、わざと上げた状態から、息を吐きながら一気に落とすことで余計な力が抜けて、リラックスできるのです。
これにより、自律神経の安定を促し、適度な神経伝達物質の分泌につながります。
また、緊張しているときは、頭がい骨と首(頸椎)のつながっているところが詰まっていることが多いものです。ここが詰まると、脳と全身の交流が滞り、全身が固まってしまいます。
できるだけ、首を伸ばして肩を下げ、頭が自由に動くイメージを持って、首をリラックスさせることも、自律神経を正常に働かせる方法の一つです。
圧迫面接の裏を読む…心理学を使った応用編
面接会場でなぜ緊張するのかを、もう一度、上の表「日常で緊張するときの例」をもとに考えてみましょう。この中で、特に考えるべきことは、後半の3つの項目についてではないでしょうか。
まず、「知らない人(人たち)の前で、何かを話す、発表するとき」に緊張するのは、一つには、視線を感じているからです。
これも動物の本能的なことでいうと、じっと見るというのは、「敵意がある」という認識を持ってしまうからなのです。
そこで、意識の変換が必要なのです。まず、面接官の視線は敵意ではなく好意だと思い込むこと。
面接官だって、好き好んで圧迫面接なんてしたくはないのです。誰でも嫌われるのはイヤですし、悪役になりきるために、一所懸命、演技をしているのです。
そんな面接官の方に、「お疲れさま」というような気持で接すると良いでしょう。そして、その会社に入れば、同じ会社の上司と部下になるのですから、親愛の情を持つようにしましょう。
また、「自分を実際より大きく見せたい」という気持ちはわからないではないですが、面接官は、たくさんの人を見ているのです。その場限りの取り繕いなんて見抜かれてしまいます。
等身大、ありのままを見せることで、かえって信頼が得られると心得てください。
そして、経験のないこと、あるいは準備不足のことを人前で行うことに対する極度の緊張は、ひたすら準備と経験を積むことでしか解消されません。
そのためには、話すことをメモして録音することをお勧めします。それによって、内容を暗記したり、自分の声のトーンや話し方、言葉の癖を修正したりすることができます。
また、誰かに模擬面接をしてもらって、面接の場面に慣れるのも良い方法でしょう。
緊張を友にする一番の方法は、「緊張をするのは、重要な場面にやる気を出すために必要なこと」と思うこと。
そして、緊張している自分を客観的にとらえ、心臓がバクバクしていたら「おっ、今緊張が始まって、本番に向けての準備をしているんだな」と思うことです。
プロの司会者は、緊張しないときほど、大きなミスをするといいます。どうぞ、良い緊張を味方につけて、面接を楽しむ心の余裕を身につけてください。