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必要とされる人に!派遣社員のためのできる仕事術

必要とされる人に!-派遣社員のための仕事術就職活動をしている人たちは、一般的には各企業が募集する社員の採用試験を受けることが多いものですが、こうした直接的な雇用形態とは別の働き口もあります。

その代表的なものが派遣社員といわれる職種です。

いわゆる派遣社員とは、派遣業を営んでいる会社に登録した被雇用希望者が、紹介を受けた派遣先の会社を仕事場として派遣される人です。

派遣社員の給与は派遣会社が支払うため、雇用上の上司は派遣会社の担当者になりますが、日常の仕事は派遣先の会社の指示を受けて働きます。

そのため指示系統が複数存在し、仕事の上で気を使う人間関係も複雑になりがちです。

ここでは、そうした微妙な立ち位置にある派遣社員が、仕事場で必要とされる人材になるための仕事術を考えてみましょう。

派遣社員の特性を理解する

一般的な社員の場合、社内教育を受けながら「ひよっこ」として社会人デビューし、やがて中堅となり、幹部社員となるまでの長い人生を歩みます。

配属先を転々としながら会社の仕事や仕組みを徐々に覚え、一人前になっていくのです。

これに対して派遣社員は、職務内容や労働環境について細かく取り決めを交わした契約にのっとって、派遣会社から派遣されてくる社員です。

特定の部署の特定の仕事に従事する専門的な経験をつんだ社員を、一定の期間に区切って雇うことができる社員です。

そのため会社としては一から新人教育する必要がなく、しかも高い専門性を維持できるというメリットがあるのです。

また派遣社員本人にとっても、この雇用形態には利点があります。自分の得意とする職種に集中して働くことができ、勤務日や勤務時間などの条件をある程度フレキシブルに調整してもらえることです。

結婚して子どもができた女性が退職後の働き口を求めて派遣会社に登録するケースが多いのも、こうしたメリットがあるからです。

しかしこれらのメリットは、視点を変えるとデメリットにもなることに注目しましょう。

一般社員は配置換えや異動によって流動するため、広く浅く会社全体の人間関係を築く傾向にありますが、派遣社員は自分の持ち場以外の人と接する機会が限られているのです。

こうした派遣先の会社の中での人間関係の大きな構造を理解した上で、輝ける派遣社員でいられる仕事術をみつけてみましょう。

人間関係を上手に乗りこなす

派遣先の会社の環境は千差万別です。同じような派遣社員が大勢いる場合や、逆に自分以外はすべて正社員というケースもあるでしょう。

同じ派遣社員でひとつのグループが形成されているような環境では、日常的に接することになるのも同じ派遣社員になります。

その場合、大切なのは適度な距離を保つこと、派遣社員同士で群れないこと、正社員の陰口などを慎むことです。

とかく派遣社員は待遇面などで不満がたまりやすいものですが、派遣社員と正社員との間に壁ができてしまうと組織の風通しが悪くなり、働きにくい環境になるからです。

とはいえ、正社員との接触が多い職場であっても、適度な距離を保つことは必要です。

特に給与などの待遇は正社員と派遣社員では大きく違うことが多いため、気にはなっても自分から話題にするのは避けましょう。

また、ここでも陰口に参加しないことは同じです。

ただ、他の社員のポジティブなうわさ話なら、たくさん情報を持つことはよいことです。

持ち場が定まっている派遣社員は、とかく正社員の顔や名前を覚える機会が少ない傾向にあるからです。

同じ会社で働く人たちを覚え、声をかける機会は、自分で意識しないとなかなか難しいものです。

いずれにせよ、組織の中には多様な人々、多様な雇用形態で働く人たちが混在しています。

黙って仕事をしている限りでは気づかないで終わる人たちとの接触を意識的にとり、かつ一定の距離感を保ちながら、礼儀と品格をもって仕事をすることが大切です。

必要とされる人材に

すでに述べたように、正社員の立場は流動的で、派遣社員はセクションに専属となる傾向にあります。このことは、組織から必要とされる派遣社員とはどんな人材かを示しています。

同じように何かに秀でた力をもっても、正社員は部署を横断的に異動するため、特定の場での動き方には精通しないことが少なくありません。

いっぽう派遣社員は、特定の勤務空間での動き方に特化した感覚が身についてきます。

つまり正社員の立場からいえば、自分の不慣れ場勤務空間で起こるさまざまな出来事に精通し、組織をさりげなくサポートしてくれる派遣社員が歓迎されるのです。

派遣社員は、自分の仕事に成熟しているだけでなく、常に周囲の小さな出来事にアンテナを張り、何が必要なのかを考え、行動する気遣いが求められているのです。

たとえば受付の仕事であれば、一度来社されたお客様の顔を覚え、二度目からは訪問相手の社員にあらかじめ来社時の変わった様子を伝えるといった配慮です。

このような動きが自然にできるようになるためには、日々の社内の出来事に関心を持ち続けることが大切です。

そのためには、自分の持ち場に壁を作らず、ひろく組織の人たちと接触する場面をもち、適度なバランスをはかりながら情報を頭に入れる努力が必要になります。

派遣された会社のよき理解者になること。それが派遣社員の極意といってよいでしょう。

派遣先の会社にはさまざまな規模や社風の違いがあり、中には派遣社員と正社員の区別をほとんど意識することのない場もあるでしょう。

しかしいっぽうで、派遣社員と正社員との間の溝が大きいところもあり、コミュニケーションを図ろうとしても、相手に厚い壁が作られることもあるかもしれません。

それでも大切なのは、相手の意向にあわせる柔軟さです。

自分の考えや主張よりも、まず相手が何を求めているかを推測する習慣をつけること。この習慣が身につくことで、日ごろの観察眼が鍛えられ、必要な時に機能的な動きがとれるようになるでしょう。