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長所を挙げるのは難しい?面接で質問されたらこう答える

長所を挙げるのは難しい?面接で質問されたらこう答える

20分ほどかけて、ノートの左側に長所を、右側に短所を書き出してみてください。おそらく短所のリストの方が長くなるのではないでしょうか。日本人は儒教的倫理観の影響もあって謙虚さを美徳とするので、自分を低く見る姿勢が身についてしまっているのかもしれません。

長所とはなんだろうか

面接では「あなたの長所を教えてください」という質問がよく為されます。そう訊かれるとわかっていても、どう準備していいかわからない人も多いでしょう。どう答えたらいいかを考えるまえに、長所とはなんだろうかということから考えていきましょう。

エゴグラムをご存知でしょうか。簡単に言えば性格診断で、いくつか方法があります。これを採用時に課す企業もあります。最近はウェブ上にいくつも性格診断のサイトがありますので、時間があれば複数試してみることをお勧めします。

エゴグラムは作成者や質問によっても結果が変わることがありますが、受ける時期によってもタイプが変わることがあります。これは、受ける人の置かれている状況や心の状態によって結果が変わってくるためです。そのため期間を置いて受けてみると面白いですよ。

就職試験でエゴグラムを課す場合「このタイプの性格なら採用される」ということはありません。ではなぜそれを課すのでしょうか。それは採用する人たちの性格に偏りが出ないようにするためです。異なる性格の人たちを採用することにより仕事を円滑に進められる環境を作ろうとしているのです。

このことに基づいて長所とは何かを考えてみると、それは他の人とは違うことなのではないでしょうか。明るさやコミュニケーション能力の高さは長所としてよく挙げられますが、長所はそれほどわかりやすいものばかりでもないのです。もっと奥が深いものです。

長所のヒントは短所にあり

最初に書き出した短所を眺めてください。何と書いてあるでしょうか。飽きっぽい、短気、臆病、冷たい、損得勘定で動く、我儘、優柔不断、お調子者、落ち込みやすい、興味の幅が狭い、真面目すぎる。そのどれもが、長所として読み替えることの可能なものです。

順番に読み替えてみましょう。飽きっぽさは好奇心旺盛であることの表れですし、短気なのは正義感が強いから、臆病なのは優しいから、冷たいのは冷静だから、損得勘定で動くのは合理的なため、我儘さは自己主張の上手さを表し、優柔不断なのは慎重さを表します。

お調子者なあなたは明るく場を盛り上げることができ、物事を楽観視することで難局も前向きに乗り越えていけるでしょう。落ち込みやすいのは自分を省みることができるから、興味の幅が狭いのは1つのことに熱心だから、真面目さは人の信頼を得るのに欠かせない要素です。

そんなふうにして、最初に右側に書き出した短所を左側に書き換えてみてください。コツは「この短所は自分の短所ではない」と考えてみることです。友人や知り合いの短所だと考えてみると、それを長所として捉え直しやすいから不思議ですね。

そんな自分に気づいたら、長所のほうに「他人の長所を見つけるのが得意だ」などと書き加えても良いでしょう。長所というのは特別な才能や能力ではありません。むしろ誰もが持っている性格の特徴1つひとつだと考えてみてください。

長所を書き出せたら、エピソードで肉付けしていく

長所を書き出せたら、それが生きたエピソードを書き出していきましょう。最初はネガティブなことを書いてもかまいません。大学生活全体を見渡して、あなたの記憶に残っているエピソードは全部あなたの長所を説明できるようなものだというつもりで書き出してください。

そして今度は、それを客観的に見て取捨選択していきます。あなたの行動によって危機を回避できたとか、誰かの気持ちが楽になったとかいうことでも良いですし、実際に人から感謝されたとかコメントをもらったということでも良いでしょう。

エピソードを伝わる形にするこつは以下の3つを守って話すことです。

  • 具体的に話す
  • 短く話す
  • わかりやすく話す

あなたのことを知らない面接官に話すのですから、その場にいなかった人やそのことについて知識がない人もその場面を思い浮かべられるような描写をしましょう。長くだらだらと話すのは得策ではありません。長くても20秒ほどでまとめてください。

実際のエピソードを話すことで、採用担当者はあなたの人柄を理解しやすく、ひいては入社してからの活躍を想像しやすくなります。ですから話すエピソードは出来るだけその職種で生きるような、面接官にあなたと働きたいと思ってもらえるようなものを選びましょう。

面接前にはシミュレーションを

長所をピックアップし、エピソードで肉付けをしたら、面接のシミュレーションをしましょう。友人や家族に面接官になってもらっても良いですし、面接官に質問されたつもりで回答してみるだけでも良いでしょう。

とても有効なのが、その様子をビデオに撮って見てみることです。気恥ずかしいかもしれませんが、そうすることでわざとらしさやぎこちなさをはっきりと見て取ることができるため、それらを無くし自然な受け答えが出来るように練習しやすいのです。

面接での回答で最も大切なことはあなたの人柄が伝わることです。普段の自分を偽る必要も飾る必要もありません。面接はいわばお見合いのようなもので、応募者と企業との相性をはかる場なのです。ですから、普段のあなたを知ってもらいそれを受け入れてもらえれば合格なのです。

そう考えると、あなたが自分の短所だと捉えていることも企業側から見れば魅力的な長所だということはよくあることだとわかるでしょう。面接で長所を質問されたら、あまり気負わず、自然体の自分の性格を伝えるようにしてみてください。