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面接における自己PRと答えを1分にまとめるポイント

面接における自己PRと答えを1分にまとめるポイント

面接官は、一日に何人もの応募者を面接しますので、できるだけ内容がわかりやすく、簡潔にまとめられている人に良い印象を持ちます。そこで、最も気をつけたいのは、だらだらと長く話すことです。

「私は、御社に入社するにあたり、私自身の経験や実績を顧みつつ、最も貢献できる能力を鑑みて…」このような句点のない話は、結局何が言いたいのかわからず、あなたの意思が伝わりにくいのです。

質問にはまず、一文で、結論から答えましょう。そして、その結論が導き出されたエピソードを「なぜなら~」でつなぐと、スマートな印象になります。

しかし、すべて「なぜなら~」とするとあまりにワンパターンなので、「それは~」や「どうしてかと申しますと~」「例えば~」など、次につながる内容によって、接続詞をいくつか用意しておくとよいでしょう。また、日ごろから文章を短く区切る癖をつける ことも大切です。

面接時に必要なのは「明晰さ」です。要点を短文で話せるだけで、あなたは仕事ができる人としてのポイントを大きく一歩リードすることができます。

質問には1分で答える準備を

面接では、どんなに練習していても、スラスラよどみなく話すことなどできないのが普通です。緊張していたり、言うことを忘れたりして、紙に書いて読んでいるようにはいきません。

ゆえに、言いたいことが思ったより時間がかかるのは当たり前、と思ってください。しかし、前述したように、だらだらと冗長になっては印象が悪くなってしまいます。

だからこそ、お勧めしたいのが「一つの質問に1分くらいで答える練習をしておくこと」です。1分~1分30秒で答える練習をしておけば、忘れそうになったり、つっかえたり、また予想していた質問と少しニュアンスの違う質問をされても、2分くらいには収まると思います。

そのためには、面接で聞かれそうな質問はあらかじめリストアップして、答えを1分くらいにまとめておく必要があります。

面接時に多く聞かれる質問
  • この会社を選んだ志望動機は?
  • 学生時代(あるいは前の会社)ではどんなことをしてきましたか?
  • あなたの自己PRをしてください
  • 長所と短所を教えてください
  • 将来どんな仕事をしたいですか?
  • あなたはこの会社でどんな貢献をしたいと考えていますか?

自己PRは自慢話ではない

さて、以上の項目の中で、最も注意したい2つの質問について考えてみましょう。まずはあなたの自己PR をしてくださいについてです。

自己PRと聞くと、どうしても自慢話のような内容に陥ってしまう人がいますが、それだけは避けるように気をつけましょう。これはあくまであなたの「実績」と「客観的な事実」に基づいた内容であることが重要です。

「私は、やさしくて女らしいとよく言われます。小さいころから両親に気が利く子だと褒められてきました」…このように抽象的で何の具体性もない情報は単なる自慢話にしか聞こえません。

もし、これをこれから入社する会社の希望する職種に向けてアピールするなら 「前職では、社長秘書として、女性らしい気配りを心掛けて仕事をしてまいりました。これは、男性が多い職場であったことと、分刻みの時間に追われる社長のストレスを少しでも和らげることができれば、という気遣いからです。

思えば、小さい頃より、母から茶道の手ほどきを受けており、茶道におけるお客様への気配りやおもてなしの心に関しては人一倍強い思い入れがありましたので、その性格も反映しているのではないかと思います。

どのような職場でも、忙しくて余裕がなく、人間関係がギクシャクするときがあると思います。そんな時ほど、女性にしかできない心配りで場を和ませることができるのではないでしょうか。私がその役目を担えたらと考えております」

このように、具体的な事例とその場におけるあなたの働き をうまくミックスしてまとめることができれば、面接官の頭にあなたのイメージが映像として浮かび、好印象を持たれやすいのです。

短所は逆転の発想でアピールポイントに

注意すべき2つ目の質問であるあなたの長所と短所を教えてくださいというのも、ほぼ必ずと言っていいほど聞かれる項目です。しかし、ここで注意しなければならないのは「短所」についてです。

「私の短所は気が短くて怒りっぽい性格です」・・・さすがに、こんな風にストレートに答える人はいないと思いますが、短所だからと言って、マイナスの要素のまま答える必要はありません。

ここは逆転の発想で、短所と言いつつ、実は長所と思われるような言い換えをしてしまいましょう。

「私は少々短気なところがあり、すぐに結果を出したいと思ってしまうところがあります。仕事が机にたまっていくのはイライラの元ですから、仕事の効率を考えて、できるだけ早く片付ける工夫をするのが好きなんです」

例えば、一週間単位で仕事の締めが来るような、時間に追われることの多い会社では、このような人が必要とされることがあると思います。あくまで、これから就くべき仕事の環境を考えて、上手に短所をアピールしてください。

十分な準備と、希望する会社への想像力を持って面接に臨む

ここまで、面接時の心得をいくつかご紹介しましたが、最後に究極のアピール法をお教えしましょう。それは面接官との心の対話を心掛けることです。初めて会う人と心の対話なんて難しい…と思うかもしれませんが、大切なのは、面接官の態度をよく観察し、その言葉をよく聞き、何を知りたくてこの質問をしているのか? をよく考える余裕を持つことです。

就職活動は恋愛と同じと思ってみてください。好きな人にアプローチするときは、相手がどんな人で、何が好きで、どんな趣味を持っていて、どこに住んでいて…といろいろ調べてからアタックすれば、「私のこと、そんなにわかってくれているなんて…」と、相手の気持ちがこちらに向きやすいですよね。

そう、面接官だって、たとえ怖い顔をしていても「自分や会社のことをわかってくれている」と思う人には好意を持ってしまうものです。できれば、今、目の前にいる面接官が大好き! と、心の中で思ってみてください。

もちろん、本気で好きにならなくていいのです。そう暗示をかけるだけで、あなたの印象は大きく変わるはずです。

あとは、あせらず、適度なスピードで聞き取りやすい言葉を話すこと。1分でまとめた方がいいからと言って、早く話せと言っているのではありません。明瞭に堂々と話すことで、あなたは「信頼できる人」と評価される確率がアップします。

そのためには、面接に臨む前に十分な時間を取って、話すことをノートにまとめ、何度も音読することをお勧めします。