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採用面接時の「何か質問ありますか?」にうまく質問するコツ

採用面接時の「何か質問ありますか?」にうまく質問するコツ

採用面接の終盤に、必ずほとんどと言っていいほど面接官から「何かご質問はありますか?」 と聞かれます。

私自身、様々な企業様に採用コンサルティングを行っていたとき、必ず最後にこのフレーズを入れるように指導させていただきました。

まず知っていただきたいのは、なぜこのようなことを面接官が聞いてくるのかというということです。大きく2点が挙げられます。

  • 面接官からの一方通行なだけの質問ではなく、双方向に質問できることで面接官と採用応募者の間で対等な雰囲気を作り出す。
  • 応募者の質問の内容から、そのヒトの志望本気度と興味事項をあぶり出す。

前者に関して、企業にとって採用応募者もいわばお客様です。もし面接の際に、面接官の威圧的な態度などから採用応募者が嫌なおもいをしてしまうと、SNSやクチコミなどによって、あっという間にその企業の悪い風評が立つリスクが生じます。

そのために、面接官は面接の際のNG事項(タメ口を聞かない、時間に遅れない、身だしなみを整えるなど)を教育されており、面接を通じて少しでも応募者に良いイメージを与えようとする企業も少なくありません。

その一つの施策として、対等であるという雰囲気を出すため「何かご質問はありますか?」と聞きます。

さて、本題は後者の方です。実は、質問する内容によって採用応募者をしっかり評価しております。

採用応募者は「志望動機」や「自己PR」のような、面接官から聞かれたことに回答する受身の発言と、自分から話題の主導を握る「質問する」という発言の間に大きな違いが生じます。

受身の発言というものには、ある程度の模範回答があるせいか、それほど他の応募者と異なる発言をみることはできないのですが、この「質問する」という発言に関しては実に様々な質問が飛び出し、そのヒトを評価する上で実に重要な情報を提供してくれるのです。

では実際に、採用面接の現場ではどのような質問がなされているのでしょうか。具体的な事例をみながら研究していきましょう。

①残業時間や社員の平均年齢、平均給与などの数値データ

この手の質問は、公表されていない情報であるならば応募者として是非知っておいた方が良い情報であります。また、ほとんどの応募者が質問してくる内容でもあります。

私が面接官であれば、よほどの秘密情報でない限りはなるべく正確に伝えるべきだと考えます。

しかしながら、「残業時間」や「給与」について執拗に質問されたり、その質問してくる表情や態度によって例えば「残業時間がそんなにあるの?」とあからさまに感じてしまうと、応募者に対して興味を失ってしまうことがあります。

②企業の強みと弱みについて

この質問は、正直に言うとあまり良いものではないと考えます。面接官に「企業研究不足」と評価されても仕方ない質問になります。

しかしながら、応募者の意見を述べた後にこの質問をする、つまり「私は、御社の強みは○○で弱みは××であると考えておりますが、いかがでしょうか?」といった言い回しだと評価が上がる可能性が高いです。(もっとも、応募者の意見が的外れでないことが条件ですが・・・)

質問を通して、「私はこれだけ御社のことを研究しているのだ」とさりげなくアピールできるよう立ち回るのが良いでしょう。

③企業文化など、会社の雰囲気について

これも応募者にとって非常に興味のある質問であると思います。しかしながら、②と異なり、応募者にとって実際の会社の雰囲気はなかなか事前調査しにくいのが現実です。

そして、面接官にとってもこの質問は実に抽象的であるため、答えにくい質問であることを知ってほしいです。

そこで、私からのご提案は「唯一その会社の雰囲気を知るサンプルである面接官」を評価して欲しいと考えます。

「私は、(面接官)○○さんとこの時間を一緒に過ごして、非常に前向きで明るい方だと感じましたが、御社もこのような方々が多いのですか?(このような企業風土なのですか?)」

これならば、面接官も悪い気はしないし、具体例を挙げてくれたことで質問にも答えやすいですね。

以上のように、質問といえども面接官もヒトである以上、質問を受けてどのように感じるかをしっかりと考えて質問するようにしよう。特に、すでに外部に公表されていることを質問するのは企業研究不足という面で御法度です。

一方で公表されていないことに関しては、どんどん質問するべきだと思いますが、ある程度、「私は○○だと思いますが、実際はどうなのですか?」のように、自分の意見や仮説を入れて質問するのが良いと考えます。

最後に奇をてらった質問について挙げてみましょう。一部の応募者は、他の応募者と差別化を図ろうとしているのか、実にユニークな質問をしてくることがあります。以下は、実際に私が遭遇したユニークな質問の一部です。

  • 「転職するとしたら、どこの会社に行きたいですか?」
  • 「入社1年目で年収1000万超えるためにはどうしたらよいですか?」
  • 「社会人の女性にモテる秘訣を教えてください」
  • 「私の面接での評価はどうでしたか?」
  • 「この会社に落ちたら、どの会社に応募すれば内定がでますか?」

どのような感想を持ちましたか?この質問を聞いた面接官がどのように感じるかがスポッと抜けている印象を持ちますね。結果はいわずもがな・・・