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円満解決!電話でのクレーム対応のゴールデンルール

円満解決!電話でのクレーム対応のゴールデンルール

顧客からの突然の電話。応答するや否や怒号とともにクレームが繰り広げられる・・。電話を握り締めて見えない相手にひたすら頭を下げる営業マン。

こんなシーン、ドラマでしか見たことがないという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、このようなクレーム対応は実際のビジネスシーンではよく見かける光景です。特に個人の顧客を対象としたB to Cのビジネスではかなりの確率で起こりうることです。

もし、あなたが営業職ならこのような光景にもうすでに何度か出会っているかもしれません。2~3年顧客対応を経験した方でも、怒りが収まらない顧客に対してどう対応したらよいかわからず、つい右往左往してしまうものです。

普段の仕事と比べるとクレーム対応はとても気持ちのいいものではありませんが、対応の仕方によっては今後の仕事への影響を最小限に留めることができます。

クレームが発生したら慌てずにまず傾聴

クレームが発生するとどうしたらよいのかわからず焦ってしまいます。焦った状態でクレーム対応を実施すると、本来は簡単に収束できたはずのクレームがさらに大きなクレームとなり、二次クレームを発生させてしまうことになります。

クレームが発生したら、まずは冷静になって今後どう対応したらよいのかを考えましょう。そして、こちらからの用件を伝える前にまず顧客の気持ちを受け止め、顧客側が落ち着くまで顧客の話に耳を傾けましょう。

クレームの3つの分類

クレームは大きく分けて以下の3つに分類されます。クレームをこの3つのうちどれに分類するかによって、クレーム対応が目指すゴールが変わってきます。

  • 自分や自分の部署・会社のミスに起因するクレーム
  • 顧客の勘違いなど説明不足によるクレーム
  • 不当要求などその他ナンセンスなクレーム

この分類を整理して、なるべく早急に事実確認をすることがクレーム解決への近道になります。電話で顧客と話ながら、少しずつこの事実確認を進めていきましょう。

また、一度の顧客との会話でこの事実確認が難しい場合は必ず担当者や関係部署に確認のうえ、折り返しの連絡をすることを伝えましょう。

自分や自分の部署・会社のミスに起因するクレーム

自分自身や自分の部署・会社のミスや手違いによるクレームです。この場合は明らかに自分側に非があるため、まずお詫びをしたうえで今後どのような善後策をとるか考えていく必要があります。

場合によっては顧客への補償やミスに対するリカバリー方法を顧客ときちんと相談していく必要があるでしょう。何かの契約に関するクレームであれば、最終手段として契約破棄も視野に入れるべきです。

いずれにしても最終的には顧客に満足していただけるように責任を持って対応していくべきクレームです。

顧客の勘違いなど説明不足によるクレーム

クレーム対応をする中で、このクレームが顧客の勘違いであることに気づいた場合、顧客に対してすぐに「これはあなたの勘違いです」と伝える前に、説明した内容などが録音や書面などで残っていないか確認しましょう。

この確認を怠ると「言った言わない」の水掛け論になり、ますますクレーム解決が難しくなります。

もし証拠となる録音や書面が残っていた場合でも、ただ証拠を顧客に突きつけるのではなく、かならずお詫びなどのクッションワードを挟んだうえで事実を伝えるようにしましょう。また、最後にお電話をいただいたことに対する感謝の気持ちも伝えましょう。

もし証拠を確認したうえで多少なりとも自分側の説明不足があるようであれば、心からお詫びの気持ちを伝えましょう。この時のポイントは、落ち度とまではいかないければほんの少しでも配慮が足りなかった点があれば、それについて顧客へ伝えることです。

説明していたとしても伝わっていなければ説明ではありません。常にこの気持ちを大切にしていましょう。反対に証拠が残っていない場合は、最悪の場合顧客の要求を全面的に受け入れる必要性が出てきます。

とはいえ、そのような対応はすぐにはできないと思いますので、顧客との妥協点を模索するクレーム対応になります。今回を反省の機会と捉え、必ず説明した内容などは書面や録音などで残しておくことにしましょう。

不当要求などその他ナンセンスなクレーム

95%以上が上記2つのクレームのどちらかにあてはまります。それ以外の数パーセント、本当に起こる可能性が低いクレームがこのナンセンスなクレームに該当します。

普段接するほとんどの顧客が「いい顧客」で、本当に悪意のある「悪い顧客」は滅多にいないものです。もし、このようなナンセンスなクレームに出会ってしまったら、対応方法は下記2つの分類によって異なります。

・不当要求 自分側の不手際も一切なく、そして顧客の勘違いでもないのにも関わらず、金品や顧客にとって有利な条件を強引に要求してくるのが不当要求です。

このクレームは担当者には用件を言わず、威圧的な口調で社長などの責任者と話したいと求めてくる場合がほとんどです。このような顧客は自分が有利な立場に立った状態になると、必ず金品等の顧客にとっての利益を要求してきます。

この顧客に対して弱気なクレーム対応をしていると、それを逆手にとられてしまいます。このような不当要求に一度でも乗ってしまうと、今後同じ顧客やあるいは違う顧客に対しても不当な要求に応え続けることになります。必ず早い段階で断固とした態度で要求を断ることにしましょう。

できないことをできないときちんと伝えることもクレーム対応にとっては大切なことです。

・要求が見えないクレーム このケースの場合は、顧客の話に筋がなく支離滅裂としていることがよくあります。顧客には特に要求がなく、ただ話を聞いてほしいだけ、あるいは顧客自身でもよくわからず電話をかけてきているパターンです。

ほとんど滅多にこのようなクレームは発生しませんが、要求が見えないだけにクレーム対応が一番難しい事例になります。このパターンでは、要求が見えないと分かった時点で「恐れ入りますが、どのような用件でしょうか?」と用件を確認してみるのが解決の近道です。もし要求が見えなければ、「これで失礼させていただきます。」とこちらから電話を切ることです。

対応するだけ仕事の時間が奪われていきますので、なるべく早めに電話を切ることにしましょう。

対応力でこんなに変わる!クレーム対応後の展開

冷静にクレームを分類し対処することで素早くクレームを解決できます。顧客としても手早く対応したことでサービス等に対しての満足度が向上し、新たな契約などをいただくも少なくありません。また、慌てずにクレームに対処することで仕事への影響を最小限に留めることができます。

クレーム対応は、一度クレームが発生するとかなり時間を取られる仕事です。しかし、同時に顧客との信頼を深めることができるチャンスでもあります。クレーム対応を前向きに捉え、仕事のタスクの一部として冷静に対処していきましょう。