「それは聞いてない!」回答が質問内容と関係ない若者が増えている?
なかなか一次面接で受からない、質問に対し回答すると首を傾げられる、回答に対しさらに同じ質問をされる…そんな経験のある方、ちょっとそのやり取りを振り返ってみてください。もしかして面接官の質問に対し的はずれな答えを返していませんか?
このやりとりを見て違和感を感じられるでしょうか。なんとなくちゃんと答えているようにも見えますし、受験者もそのつもりです。ただこれこそ「そんなことは聞いてない」的外れ回答なのです。
その想像力、今要らないから!ありがちな「とんだ勘違い想像アンサー」
普段の会話でもずれた受け答えをする人がいますよね。
一見自然な会話かもしれませんが、AさんはBさんに対し、Bさんにとって赤と黄色の二色であったらどちらのほうが好みなのか聞いています。それに対しBさんは自分の一番好きなピンク色を挙げました。BさんはAさんが自分の好きな色を聞いてきたのだと勝手に解釈し、Aさんの用意した「赤と黄色」の二択を無視して、「色」の中から「ピンク色」を選んでしまいました。
実はAさんはBさんにたまたま手に入ったボールペンをBさんにもプレゼントしようと思っていて、それが赤と黄色の二本だったのです。Bさんの所望するピンク色は、手元にはありませんでした。
ちゃんと質問の言葉をよく考えれば、「どっちのほうが」と聞かれているのだから、その二択に順位をつけて答えられるはずです。
Bさんの頭のなかで繰り広げられた、「あ、好きな色の話をきかれた。赤とか黄色より私はピンクがやっぱり好きだな!」という思考。自分の感覚で考えたことでとんだ勘違い想像アンサーでしかなくなってしまいました。
無駄にステップ数を増やすな!時間は限られ、相手は君だけじゃない
この例だとわかりやすかったかもしれませんが、結構わかりにくいところでもこのようなやり取りは起きていて、会話に「ひと手間」を産ませているのです。
この二人はこの後Aさんの「いや、二色しか無いんだよー」にBさんが「あ、そうなの?じゃあ赤!」と答えて話を終えますが、これはAさんの質問→Bさんの回答の2ステップで解決した事象。Bさんが最初に間違った受け取り方をしたおかげで、Aさんの質問→Bさんの回答→Aさんの説明→Bさんの再回答という形で倍の4ステップを踏む結果になりました。
まぁ、これは友だち同士の、ただただボールペンを手渡すだけの会話。しかも見方によっては「Aさんももうちょっとわかりやすく聞きなよ!」とも思えます。
しかしながら、採用面接でも同じ現象を起こした時には、相手の質問の仕方に文句・意見などできるわけないことはもちろん、上のAさんとBさんの例のように「ステップ数」を増やして、面接官に「首を傾げられる」「回答に対しさらに同じ質問をされる」ことで無駄な手間と時間を発生させてしまうのです。
普段の業務がありながら面接官を担って、さらには貴方だけでなく多くの受験者を相手にしている彼らにどう写るかというとまさに「そんなことは聞いてない」。ですよね。
普段でも面接でも見失うな!相手が何を聞きたいのか?
最初に挙げた面接の例に戻ってみましょう。
ここでは面接官は、普段情報収集を行うにあたって受験者自身が普段利用する媒体が何なのかという質問を投げています。ただし、帰ってきた答えは、「最近の世の中での情報源について」なんてタイトルを付けたくなるような、受験者本人の話とは別のものでした。
「媒体」「情報収集」という単語でとらえた結果、質問の意図を汲み取れませんでした。これを聞いて、自分はこんな間の抜けた事はしない、と思いましたでしょうか?
確かに、普段から解釈のずれる人は面接でもずれることでしょう。
どちらも聞いた側は答えを一発で得られていませんね。こういう風に相手の文章を読み取らずに想像を働かせて話す人は少なくありません。
ただ、面接という緊張した場では、この「とんだ勘違い想像アンサー」はうっかりやりがちなのです。「最近の世の中での情報源について」語ってしまったあの受験者も、落ち着いていれば普段は起こさない現象を起こしたかもしれません。
あの場面で「答えよう!」と焦った時、「あっ、質問が来た!えーと、自分の情報収集について?ここは最近の傾向についての話を取りれよう!えーとえーと」なんて、たくさんを考えているうちに本来を見失ってしまった。最終的に答えがズレているけれど、質問の文章をもう頭のなかで繰り返せないので、それで答えた気になってしまう。
めずらしいことではありません。
面接になかなか受からない、質疑応答で相手の反応に違和感を感じる、そんな貴方は、この記事の内容からもう一度自分の「答え方」を振り返ってみてはいかがでしょうか。