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仕事の報告ってどこまでやるの?意外に難しい「事実だけ」の報告

ほうれんそう。社会人になると、この言葉をよく耳にします。言わずと知れた、『報告/連絡/相談』のことです。会社によっては新人教育でレクチャーされることもあるほど、社会人にとっては大事な心得です。

部下を管理する側から見ると、仕事の出来る人ほどマメに相談や連絡を入れてくる傾向があります。そうすることで間違った判断や作業を早め早めに軌道修正することができますし、無駄な工数を効率よく削減することができるので、結果的に仕事を早く終わらせることができます。

ですが報告ということになると、やはり最初から要領よく行える人は多くありません。時間をかけて経過を事細かく説明し、結論が最後になってしまうというパターンがほとんどです。

では、『報告』は具体的にどのように、どこまで行えば良いのでしょう。

報告は結論から切り出し、事実だけを伝える

報告の主旨は、結果を簡潔に伝えることにあります。そのためには、自分の頭の中で、必要な情報だけを明瞭にまとめておくことが大切です。その際、作業者の個人的な感想や感情を差し挟むことは厳禁です。

たとえば、A社から仕入れていた製品の値上げを理由にB社に変更したとすると、必要な報告の情報は以下のようなものになるでしょう。

報告(結論):当該製品の仕入れ元をA社からB社へ変更した

理由(情報):A社による値上げ。B社製品はA社の物と同成分で構成されており同等効果が見込まれる

こういった場合の報告でありがちなのが、何の裏づけもない個人的な印象や判断を付け加えることです。「A社は製品の材料をC商事から仕入れているので、円安の影響で値上げに踏み切ったんだと思います」とか、「私はまだA社製品でいいと思ったのですが、開発側が同等効果があるからといってきたものですから」といったようなことがそれにあたります。

これは報告者の個人的な意見であり、報告の材料としては不要なものです。報告を受ける側は、簡潔な報告の情報をもとに状況を判断し、不明な点があれば疑問を投げかけてくるでしょう。報告者の所感があれば、その際に申し添えれば良いことです。

先の事例の場合ですと、上司からどうしてA社は急に値上げしてきたのかと聞かれたら、正しい受け答えは「A社の社内事情なので、解りかねます」です。もしどうしても所感を伝えたいのであれば、事実に付け加えて、「これは私の所感ですが・・・」とクッション言葉を入れつつ、報告者が現場で感じ取った事情を伝えても構わないでしょう。

感想や感情を織り交ぜて事実が歪められたり、間違った報告をしてしまうことがあれば、それば会社にとって大きな事故につながることもあり得えるのです。

目指すは報/連/相のエキスパート

仕事の中でとても大事な『報/連/相』ですが、これが上手くこなせる人財は少ないと言われています。あまりにも些細な相談や不要な連絡をすることで、上司のお叱りを受けたりして、新人が萎縮してしまうことも原因のひとつかもしれません。

しかし、上司の叱咤を受けることは、決して悪いことばかりではありません。一度お叱りを受けたことは二度と繰り返さないよう気をつけ、努力することによって、人は必ずスキルアップできるからです。

仕事で不明なことや疑問点があれば上司に相談し、その経験値に頼りましょう。それが次の機会からはアナタの経験値として培われていくのです。

小さなことでも、何らかの判断が必要な事柄が発生したら上司に連絡し、その判断を仰ぎましょう。それを何度か繰り返していれば、判断の傾向をつかむことができ、あなた自身が何事かを判断する際の大きな材料となります。

そして、簡潔に事実だけを伝える報告を心がけましょう。これらが身に付けば、アナタは報/連/相のエキスパートになれること間違いなしです。

日々の業務の中では小さなことのように思えるかもしれませんが、これらの努力は必ずアナタの財産になります。会社にとって真に役立つ人財として成長できることでしょう。