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企業も学校も同じ、忙しく頭を悩ませる年度末業務について

私は高校の英語教員をしています。いよいよ年度末に近づいてきました。どの職業の方もそうだと思いますが、3月というのは、決算、まとめの時期と新年度の準備でとても忙しい時期だと思います。一般の方は、教員の年度末の仕事がどんなものかあまり知らないと思います。そのことについて述べていきたいと思います。

学年末試験と学年成績

どこの学校もそうですが、2月末から3月初旬にかけて、学年末試験が行われます。その点数を含め、1学期、2学期、3学期の総合成績を出します。試験の点数だけではなく、授業態度や課題等の提出も含まれます。

高校の場合は、欠点を取った生徒には、再試験のための特別授業と再試験、出席不良の生徒には、補講が行われます。進級に関わる大きなものです。欠点は学校により基準点が35点以下や40点以下とか若干違ってきます。普通に登校して、普通に授業を受け、普通に試験を受ければ欠点を取ったり、出席不足になることは無いのですが、本校では、毎年多くの生徒が出てきます。

これを読んで頂いている方はおそらく学生時代、優秀だった方だと思いますので、あまりピンとこないと思います。学習に対する意識の無い生徒、能力的にかなりレベルの低い生徒、教員や親の指導に素直に従わない生徒たちをマンツーマンで指導していくのは大変な労力を必要とします。体の疲れよりも精神的な疲れがどっときます。

成績を出し終わると、次は通知表作成があります。ここからは担任の業務になりますが、通知表に生徒一人一人のコメントを書いていきます。どんなに素行が悪い生徒でも、相手を批判する言葉は書けません。出来るだけ励ます方向に持っていきます。

通知表が終わると、進学や就職の際に調査書のもとになる指導要録の記入があります。これも一人一人の学習面、生活面、部活動、特別活動等について、詳細に記録を残していきます。大変な作業です。昔はすべて手書きでしたが、最近はコンピュータの画面上で出来るようになりましたので、少しは楽になりました。

校務分掌について

学校の仕事というのは、授業を教えるだけではありません。授業が一番優先事項になるはずなのですが、全体の2割位です。

それ以外には校務分掌の仕事があります。教務部、生徒指導部、進路指導部、研究部、生徒募集対策室等、どこかの部署に所属し、色んな仕事を行っています。年度末には各分掌ごとに会議があり、本年度の反省と次年度に向けての打ち合わせがあります。合わせて、新年度のクラス編成や担任、部活動、校務分掌等の人事が発表になります。

教員の世界は企業のように、階級の縦社会のような雰囲気はあまり無いので、人間関係であまり悩むことは無いと思います。ただ教員の数が減っているので、仕事量が毎年増えているのは確かです。クラスが増えたり、減ったりすると教室配置も大きく変わり、机や椅子の調整、さらには、各教員の授業の持ち時間も教科主任を中心に決めていきます。時間割作成はすべて手作業で行いますので、1週間掛かりの大仕事になります。

新年度クラス編成について

新年度を迎え、生徒たちが一番気になるのは、クラス編成についてです。生徒側の意見としては、やはり友達と一緒になりたいという希望が多いです。学校により色んな決め方があります。成績順に上から1組、2組という場合。Ⅰ類、Ⅱ類等、類型分けしている学校は、その類毎で成績順又は選択科目による編成の仕方があります。

本校でもそうですが、小学校、中学校等でよくあるパターンが、まずは選択教科とクラスの平均点が同じ位になるように、コンピュータで並べ替えをします。その後、大きな問題は生徒の人間関係です。これは教員同士の連絡で手作業になりますが、素行の悪い生徒はまず離します。生徒同士での人間関係を見て、いじめが起こらないように出来るだけ配慮をします。

しかし、変更できるクラスが限られている場合は苦労します。新担任も学年が持ち上がりとは限らないので、新しくクラスを持つ教員には情報を提供する必要があります。教員でもどの学年を持ちたいという希望がありますが。ここの部分は管理職が決めています。

私も長年、担任していますが、どの学年を担当しても良い面と悪い面が出てきます。1年生の担任になると、4月の入学式のための準備があるので、3月下旬からは会議が多くなります。

よく3年生を担任すると、受験指導で大変だと思われがちですが、本校の場合は大半の生徒が推薦で12月上旬までには進路が決まってしまいますので、落ち着きの無いやんちゃな生徒が増えてきます。そういう生徒たちを指導する生活指導にパワーが要ります。

特に授業で若い女性教員が担当のクラスは大変な苦労をしていいます。体罰、暴言等が禁じられているこれからの教育は大変難しいと思います。特に保護者の価値観も昔とは変わってきました。