• RSS

その言動が命取り!本当は怖い社内・個人コンプライアンス

2013年に新聞やWebの記事で賑わったことといえば、TwitterなどのSNS上に投稿された不適切写真や、産地・原材料などの偽装問題だったことは記憶に新しいだろう。

今は「ブーム」はある程度収まったとは言えるが、問題が収束したわけでは決してない。むしろ、企業や個人のコンプライアンス意識がより注目されるようになったと言える。

今までは、コンプライアンスとは「法令遵守」と捉えられることが多かったが、これらの問題から「モラル」「倫理」といったものも、コンプライアンスに含まれるようになったと思う。

投稿された写真や、偽装問題の中には、法令違反をしていないものもある。だが、様々な非難を浴びて会社・個人の姿勢が問われた。多くの会社では、慌ててコンプライアンス教育に力を入れたと聞く。

ここで問われる社内・個人コンプライアンス。もう一度考え直してみよう。

身近な落とし穴 〜セクシャルハラスメント〜

「法令遵守」だけでは収まりきらないコンプライアンスの筆頭ともいえるだろう。ちょっとした軽はずみな言動が、個人の将来を、そして会社の信頼を壊す。普段何気なくしてしまっている行動はないだろうか?

セクハラの基準は、「相手がどう思ったか」で決まる。男性・女性も関係なく、彼女や彼氏、家族に対してしてほしくないと思うことはしてはいけない。

  • 呼び方
  • 社内での名前の呼び方は非常に重要である。名前は、必ず「○○さん」とすること。親しみを込めたつもりでも「ちゃん」づけや下の名前で呼んだり、女性を「女の子」と言ったりしてはいけない。

  • ボディタッチ
  • 通常考えて、触ってはいけない部分に触ってはいけないのはもちろんだが、肩をトントンと叩いて呼ぶ行為もNGだ。呼ぶのなら、声をかければそれで済む。

  • 酒の席
  • 最も気を付けたい部分。お酌やデュエットの強要などは中年上司にありがちな行動だ。仕事の話があるからと、飲みに誘うのもNG。仕事の話なら仕事中にすればよい。一昔前のように、「酔っていたから」「酒の席だから」が言い訳になる時代ではない。

気がつきにくい落とし穴 〜SNS投稿、社内・会社帰りのヒトコマ〜

退社時間などになって、ほっとするのはわかる。気が緩むのもある程度は致し方ないと思う。だが、ここで気を付けたいことは、「あなたは一人ではない」ということだ。周囲の目、社会の目、友人の目。気づかないところに危険な落とし穴が潜んでいることを認識しよう。

  • 社内での行動
  • 普段何気なくしている行動は、常に誰かに見られている、と思った方が良い。ゴミが落ちていたら拾う、他人に対して気を配る。そんなちょっとの「気付き」が、コンプライアンス遵守には重要だ。個々のそういった気付きは、それを見ている他の人の意識改革にもつながってゆく。

  • 食事の時
  • 友人との食事は楽しいもの。つい日頃のグチも出てしまうかもしれない。だが、それは言って良いことなのだろうか?会社の重要な情報ではないだろうか?相手は良くても、周囲に聞こえてしまっていることだって多い・・・いや、聞こえている。これだって重要なコンプライアンス違反となる。

  • SNS投稿
  • 今や多くの人がTwitterやFacebookのアカウントを持っていて、投稿もしていると思う。だが、投稿は友達との交流や、自分自身のプライベートな近況くらいにとどめておくこと。会社の話はしない方が無難だ。もう一度、よく確認してみよう。会社関連や関係する人の写真、話題、グチ、連想されること。それらは、本当に大丈夫か?「うーん」と思ったら止めたほうがよい。

  • 家に帰るまで
  • 会社を出てから家に帰るまで、社会人だからこその誘惑も多い。飲み会や、買い物などなど、もちろん重要である。でもハメを外しすぎてしまってはいけない。泥酔して仕事の資料をなくしてしまったなんて取り返しがつかない。会社からはコンプライアンス違反を突きつけられるだろう。

以上のように、いくつかポイントを挙げて記載してみたが、もしかしたら「窮屈」に感じる人もいるかもしれない。でも、もし窮屈に感じたのなら注意が必要だ。

今まで起きてきたコンプライアンス違反は、その「枠」からちょっと外してしまったがために起きている。「ちょっとなら」という気の緩みが原因なのだ。たったそれだけのことで、個人のみならず、会社の信用も失墜し、多額の賠償責任や社会的な負担が生じることになる。

「コンプライアンス」は、時代とともにその意味も変化し幅広くなってきた。もちろん社内などでの取り組みや教育なども重要だが、より「個人」の問題にブレイクダウンしてきている。個々のちょっとした意識改革や行動で、自分の将来や会社の未来が守られるなら、それは安いものだろう。