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学校における掃除の時間、校内も心もピカピカにする人間教育

皆さんも毎日、家庭や職場でも掃除をされていることだと思います。学校においても昔の思い出があると思いますが、小学校では給食後の昼休み、中学校、高校では放課後、20分位は掃除の時間があったと思います。私も長年教員生活を送ってきて、毎日この掃除の時間に関わってきました。そこで感じたことを述べたいと思います。

清掃活動を通しての人間教育

私の勤務校では、清掃活動を重視しています。放課後だけではなく、現在は部活動の生徒を中心に、早朝から校門、中庭、駐車場の落ち葉を掃いたり、通学路のゴミ拾いをしています。おかげで毎日、本当に校舎内が綺麗な状態で学校生活が送れ、来客者の方も快く迎え入れることが出来ています。

本校では部活動の強豪チームが多く、常に全国大会出場を目指しています。その場合、早朝練習も行ったりして、どうしても勝利主義になりがちなのですが、顧問の先生を中心に、ただ勝つだけではなく人間的にも最高の人間になろうということで、朝の清掃活動を始めました。

最初は嫌々ながらしていた部員たちも自ら進んで行うようになり、同時に気持ちのよい挨拶も出来るようになりました。まさしく人間教育です。心の教育という面では最高の指導だと思います。

よく言っているのは、ゴミを1つ拾うことは、試合での運を1つ拾えることだということです。それが1人1つでもチーム全体で行うと、ものすごい力になります。その成果があってか、多くの部活動が、試合で接戦をモノにして、勝ち上がった例もあります。

これは何も学校生活に限らず、他の職場においても当てはまることがあると思います。早く出勤して、仕事がスタートする前に、綺麗に社内清掃を行っている方もおられると思います。会社を良い状態に持っていくには、そういう陰の努力が必要だと思っています。

放課後の清掃活動

放課後の掃除は、皆さんも経験があるように、教室がメインで、廊下、下駄箱、外庭等の特別区域もあります。当然、1クラスの人数によって担当割りを決めていきます。これは、4月初旬、新年度が始まる前に作成するのですが、これがまた一苦労なのです。

担任の先生方によって、男女混合に組んだり、名簿順に上から人数を配分したりします。さらに、1週間交代とか月ごとに交代とか違います。その分担表をたいていは教室後方の掲示板に貼るのですが、単純に紙に手書きで書いたり、パソコンで打ってかわいい掃除のイラスト模様まで付けたり、私のように円形にして、4分割して、真ん中を画鋲で留めて、クルクル回すパターンもあります。

その作業1つにも担任の個性が出てきます。例えば教室清掃の仕方としては、単純に机を後ろに下げ、ほうきで履き、モップで磨き、また机を前方にやり、後ろも同じようにする。最後に机を戻す。というサイクルです。

一番気を遣うのが黒板清掃です。毎日使うもので、チョークの粉も大変な量になります。黒い服はすぐに粉で真っ白になってしまいます。黒板消しもすぐに痛んできます。翌日、教科担当の先生が気持ち良く授業に入れるように、黒板、黒板の溝、チョーク入れまで綺麗にしておくのが普通です。

清掃も生徒任せではいけません。やはり教員が先頭になってコミュニケーションを取りながら、一緒に行うことが大切なのです。掃除の最後には、日直の日誌記入やゴミ捨て等の確認もします。そのおかげか、私自身も我が家の清掃も妻よりも率先して行うようになりました。やはり綺麗な状態で生活を送れるというのは、心も綺麗になり、人としての基本的なことだと思います。

やる気のない生徒への対応

「掃除をするぞ。」と言っても全く動こうとしない生徒もいます。授業が終わって机に伏せて寝ている。声を掛けても面倒くさそうにする。何もしないで偉そうな格好でいすに座ったまま。廊下を友達と走り回って、ふざけている、等協力しないで返って掃除の邪魔になる生徒もいるのが実際です。

部活動の生徒でも朝の清掃活動はクラブの監督の指示に従うが、教室では担任の言うことは聞かない者もいます。教員の間でよく話題に出るのが、朝の美化活動は監督に一生懸命にしているように見せかけ、教室で動かない者は、パフォーマンスに過ぎないということです。

私はそういう生徒に対しては必ず部活動顧問と連絡を取り、何かペナルティを与えるようにしています。生徒というのは集団で同じように動かない生徒がいれば、楽な方に流れてしまいます。なので、必ず放課後個別に呼んで色々話をして、本人が納得いく方向に持っていきます。

最近の教育として、集団の中で1人の生徒を頭ごなしに怒るのは生徒が逆ギレして悪い効果になる傾向にあります。教科指導でもそうですが、昔のように怒鳴り上げて指導というのが禁止になりつつあります。とにかくコミュニケーション重視です。そういった意味でも教育の難しさを感じるこの頃です。