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営業職に人気上昇中!転職に有利なITパスポートってどんな資格?

実務経験不要の国家試験

みなさんは、『ITパスポート』という国家試験をご存知でしょうか?

もしかしたら、そんな資格、名前も聞いたことがないという方のほうが多いかもしれません。そんな方でも、『シスアド』という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

シスアド(システムアドミニストレータ)は、『システム管理者』という意味の言葉です。この名前から、パソコン開発・ソフト開発に携わる人のための資格だと思われがちでした。そのため、受験者にとっての敷居が高かったと言われています。

しかしその実態は、『パソコンのエンドユーザーの利用を推進する業務を行っている人たち』が活用している資格。つまり、営業職や管理職こそが、この資格を持つ層の大半を占めていたのです。この流れを受け、シスアド初級という資格が内容を再編され、ITパスポートという資格に新設されました。

国家試験というと、実務経験3年以上などの受験資格があるものが多いですよね。受けたくても専門学校へ通わなくてはならないとか、実務経験という下積みが苦しいなど、受験以前に壁がはだかっておりモチベーションが続かないという人も多いようです。

専門的実務経験がなくても受験できる国家試験であるITパスポートは、その条件だけでも資格取得希望者への門戸が広いのです。

営業職に人気上昇中

学生有利と言われるIT関係の資格にあって、ITパスポートは社会人の占める割合が大きい資格です。平成25年度の応募者割合を見てみると社会人がほぼ6割を占めており、合格率もそれと同等、もしくはそれ以上となっています。

その社会人の内訳についても、IT系より非IT系からの受験者がわずかながら多く、合格率も高いという結果が出ています。これは、IT系のコアな知識より、社会人としての経験則が強みとなっていると言われています。

出題傾向を見てみると、その理由がわかります。著作権など会社間の業務契約に関わる出題、ニュースでよく目にするアルファベット用語の意味、個人情報などコンプライアンスに関する問題、経理的な出題など、社会人となって経験・熟練するような分野が毎回幅広く出題されているのです。

学生が教科書や授業で習うIT関係の知識だけでは、この資格に合格するのは至難と言わざるを得ません。これが、社会人の受験数・合格率が高い理由なのです。

こういった理由から、ITパスポートは近年、営業職に人気が高まってきていると言われています。

過去問の位置づけと受験対策

ITパスポートは、その歴史の短さからかもしれませんが、いまのところ過去問とまったく同じ問題が出題されたことはありません。ただし、似た出題傾向、同じ語群という取り合わせは頻繁にあるようです。

受験対策としては、ほかの資格と同様に過去問をしっかりやる必要があります。ただし、丸覚えでは合格できません。用語や意味をしっかり理解しさえすれば、単純なひっかけ問題につまづくことはありません。

そのためには学習としての知識ではなく、生活の中での知識が重要です。つまり、ニュースを見ること、経済新聞を読むことです。

過去問をいくつか解いてみればわかることですが、用語等の問題は、「どこかで聞いた(見た)ことあるんだけどなー。なんだっけ?」というものが多いのです。これこそ、社会人に有利と言われるゆえんなのです。

直接の給与アップにつながるかどうかは企業次第ですが、持っておけば必ず役に立つ資格です。ものは試しに、受けてみられてはいかがですか?