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ホウレンソウはどこまで必要か?自立した仕事とのバランス

上司への報告・連絡・相談は、一体どこまで必要なのでしょうか?毎日営業日報を書いているにも関わらず、同じ内容を報告したり、連絡したり、相談したりする人を見かけますが、上司への責任転嫁の様にも見えます。自立した仕事とホウレンソウのバランスは、どのあたりに有るのでしょうか?

社会人になったら必ず耳にする言葉。それはホウレンソウ。報告・連絡・相談です。これは仕事をする中で、先輩や上司に対して、常にコミュニケーションを取っておく必要性がうたわれているのです。

客先との間の案件情報や、その日の営業の動き、市場動向やクレームなどを、上司に報告や連絡をしなさいと言うこと。それに、困っている事や仕事上悩んだり迷った入りしている事柄を、相談しなさいと言うことです。

報告が無ければ、市場や客先の情報が見えませんし、連絡が無ければ、営業の動きが見えません。相談が無ければ、後からでは取り返しが付かなくなる様な事も起こりえます。しかし、ホウレンソウを徹底するあまり、タイムリーに何もかも報告・連絡・相談してくる人もいます。

日々の仕事でルーティン化していて、特に目新しいニュースでもトピックスでもないような事でも、いちいち電話で報告してきたり、トラブルになりそうもない事柄にも、伏線を張って上司に連絡してきたり、そこまですればキリが無い、上司の仕事が出来ないほどのホウレンソウをする人もいます。

ホウレンソウの正しいやり方は、どのあたりがポイントなのでしょうか。基本的には、営業は日報をつけていると思います。その範囲の内容はスルーして結構です。よく日報を提出する時、同時に上司にその内容を口頭で説明している人を見かけます。

しかし、それでは最初から口頭で報告すれば良いだけで、ワザワザ日報にしたためる必要が有りません。時間の無駄ですよね。正直、営業日報は必要性が疑われる程に読まれていません。長い時間をかけて書いたにもかかわらず、上司から「あの物件はどうなった?」と聞かれる事は、度々皆さんもご経験があるのではないでしょうか。

しかし、上司からの質問に対して「日報に書いた通りです」とは言えず、結局時間をかけて書いた日報の内容を、もう1度説明するはめになっている事ってありますよね。ですので、逆に日報の内容をつぶさに口頭で説明する必要はありませんから、そこは先ず省略して良いポイントです。

連絡も、行先などが社内の掲示板やホワイトボードに明記しているのに、ワザワザ電話をかけてきて確認してくる人もいます。ヒドイ場合には、自分の席からホワイトボードが見えないから、電話で確認する人もいます。そのあたりも電話代や時間が無駄ですので、連絡もホワイトボードに書いてある以外の事で結構です。

そして、相談が1番垣根が無い部分ではないでしょうか?社内での相談と人生相談を、履き違えている社員さんも多く見られます。彼氏と別れてやる気が出なくて仕事が進まないと相談する人や、夫婦喧嘩が影響して前向きになれないなど。仕事そのものと関係のない部分で、相談する人もいます。

しかし、ここで言う相談は、あくまでも業務レベルの話。どこどこのお客さんのこの物件を進めるために、こう考えるのですが、どう思われますか?とか、見積り価格を競合を考慮して1割下げて出したいのですが、どう思われますか?というような、具体的で、なおかつ自分の考えがきちっと含まれている事が相談です。

人生相談は勤務時間が終わってから、個人的に飲みに行くなどして、プライベートの時間でコミュニケーションを取って下さい。こうして考えていくと、実はホウレンソウの内容は、とても少ない筈なんです。

毎日報告する様な事も、出てくる事ではありませんし、毎日の様に連絡しなければならない事も無いはずです。毎日相談しなければならない事も、新人を除いては無いと思います。その多くは、社内の何らかの仕組みで省略出来ている筈の事を、わざわざリフレインしているだけに過ぎません。

そういう観点で、ご自身の報告内容、連絡内容、相談内容を見つめ直してみて下さい。そうすると、不要なホウレンソウが見えるだけでなく、本当に重要な情報が何かという事にも、沢山気づく事が出来る筈です。

そしてその視点で物事を考える癖を付けると、情報の中での大事なポイントも見えてきます。お客様からの重要な情報のポイントに目が行くようになると、今度は商談のポイントも見えてきます。

そうやって、営業センスに磨きをかけながら、今まで気づかずにスルーしていたチャンスを沢山掴んでみて下さい。ホウレンソウを建設的に再考する事で、実は得られる事が多いのです。