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従業員割引は会社の勝手な都合?従業員に売り上げ貢献させる意図

よく売り上げが厳しい場合に、従業員が自腹で購入して売り上げを達成させる会社があります。売り上げの足りない従業員が自主的にそうしている場合もあります。そんな中、従業員割引のある商品サービスもありますが、果たしてそれは従業員をターゲットにした商売なのでしょうか?福利厚生との分岐点が大切です。

厳しいノルマが課せられている営業会社の中には、売り上げ数字を達成させるために、従業員が自ら製品やサービスを購入して、売り上げ予算を達成させる事があります。そういう会社では給与に歩合が付く場合も多く、目標を達成するかどうかによって、社内の評価だけでなく、給料にも差が付くからです。

しかしながら、常に社員が商品やサービスを購入していたところで、その製品のメリットを享受したくて売れたものではないのですから、意義が本当にあるのかどうかは分かりません。社員から利益を取って、それを社員に給与で還元しても、お金がウロウロしただけの事ですから無意味です。

反面、自社製品を社員割引として社員に販売する事は意義があることです。お客様に製品を売る際に、自社の社員が買わない物を売ってはいけません。飲食店で例えると、自分が食べられないようなものを、お客様にお出しする事は出来ないですよね。

ですから、社員が自社の製品を好んで購入する事自体は、実は良いことなのです。その上で、福利厚生の一環として社員割引を適用する事も、社員の事を考えた配慮と言えるでしょう。割引しているにも関わらず、誰も買わない商品でしたら、マーケットに受け入れられるはずもありませんので、その指標にもなりますよね。

当然、製品は自社の社員をターゲットに置いているはずはありませんから、ちゃんと社外のターゲットにだけの販売で、数字を賄う必要があります。もし、それでもどうしても目標を達成出来なければ、それは何かが足りないという事です。

マーケティングに失敗しているのか、商品力が足りないのか、それとも営業力が足りないのか、何かが足りないから目標を達成出来ないのです。その時に、何が足りないのかをしっかりと分析をし、売れる仕組みを作ると言うのが重要な事ですよね。

でも、営業が自腹で商品やサービスを購入してしまえば、目標は達成された事になりますから、足りない部分をフォーカスして見直す努力をしなくなってしまいます。実は、目標達成までの少しの部分を自社の社員が僅かに補填をしてしまっただけで、会社にとっては大きな損失となるのです。

営業が自腹を切れるレベルは、利益換算をすれば知れています。所詮個人のポケットマネーですから。そのちょっとの事を甘んじて未達にした上、足りなかった部分を次月以降に活かしていく、原因究明を各セクションに求めていき、前向きで建設的な戦略と戦術を見直す方が、企業の自力の底上げになるのです。

そういう意味でも、外部だけのマーケットでしっかり勝負をし、社内割引で購入された分は、目標の売り上げ分から除外してカウントしなければなりません。マーケットの支持を取り付け、商品力を常に改善し、時にはそれを新商品の開発の参考にして、営業が日々売り方の工夫をする。

どの部署のどのポジションの人も、向上出来る様に心がけなければなりません。自社の社員が売り上げを補填する事は、その心がけを最初の段階でくじいてしまう事柄であると肝に銘じて、なるべくなら組織的に禁止するくらいの覚悟が必要だと思います。

反面、数字の意識という意味においてはどうなのでしょうか?営業は数字必達が当たり前。その意識が高い人と低い人では、普段からの取り組む姿勢が異なります。数字が未達でも平然としている人もいますし、あと少しということで、何が何でも目標を達成させようともがいている人もいます。

そういう意味において、あと少しの時に自腹を切って自社製品を買い、目標を達成させるという事はいかがなものでしょうか?実はこれは、数字の意識がしっかりしていると思われがちですが、いざとなったら自分が購入すれば済むという低い意識を生んでしまうリスクをはらんでいます。

やはり営業は、小細工無しに数字を達成させなくてはなりません。自分が購入すれば補填出来るレベルの額で目標を達成出来ると言うのであれば、たったそれくらいの額を自分の営業力で、何としても取ってくるのが営業の務めです。

もちろん、何としてもと書きましたが、ちゃんと顧客満足を得るのは当然の事です。何としても喜んでもらえる様に売るのが営業の役割です。そういう発想で、他のセクションも商品サービスを捉えてみてはいかがでしょう。