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チームや部下のモチベーションは上げられない!成果が上がればいい?

部下にどれだけ激を飛ばしても、チームをどれだけ活気づけようとしても、モチベーションはなかなか上がりません。一旦モチベーションが上がったとしても、数日後には元に戻っているでしょう。そんな組織に成果を出させる方法を紹介します。

モチベーションを上げようとしても

モチベーションの低いチームを活気づけようとしても、なかなかモチベーションは上がりません。しかし、リーダーはチームに成果を出させる必要がありますから、こういったチームのテコ入れは難しいと思いながら、取り組んでいる人が多いのです。

その結果、リーダーはとても苦労をします。チームに叱咤激励を繰り返し、恐怖モチベーションを持たそうとしたり、アメとムチの方法を取ったり、インセンティブを与えたりと、あの手この手の手段を取ります。

モチベーションが上がった

リーダーのあの手この手の戦術によって、モチベーションの低かったチームが活気づく場合があります。試行錯誤したリーダーが、安心とやる気を感じる瞬間です。リーダー自身もそれに勇気づけられ、活気づきます。しかし、そんなリーダーの安心も虚しく、大抵のチームのモチベーションは再び元に戻ります。

また低いモチベーションに戻った訳は?

人間には恒常性という本能があり、一旦出たやる気も、まったく無くなったやる気も、普段の水準に戻るという現状維持のバイアスが働くからなんです。例えば、どんなに落ち込んでいても、一生落ち込む訳ではありませんよね。

あなたが通常モードと感じる状態まで、いつかは戻ります。逆に、どんなに嬉しい事があったとしても、一生その嬉しさが続く事もありませんよね。あなたが通常モードと感じる状態まで、いつかは戻ります。

この現状維持のバイアスは個人個人に対してのみ働くのではなく、チームに対しても働くのです。チームの一員が、今までに無い発想でハイレベルな提案をした時、チームの他の一員は「そんなの、このチームでは無理だ」と、そのレベルを下げようと、引き戻しにかかります。

逆にチームの一員が、あまりにも投げやりな意見を出した時も、チームの他の一員は「もっと前向きに考えよう」と、そのレベルを上げようと、引き戻しにかかります。こんな風にチームにも現状維持のバイアスが働くために、一旦上がったモチベーションも、結局いずれは元に戻ってしまい、リーダーの気持ちも元に戻ります。

そもそもモチベーションは必要なのか

モチベーションを上げる方法は、実はいくつもある事はあるのですが、しかし、365日モチベーションが高い人なんて世の中にはいません。仮にいたとしても、それを退職の日まで何十年も維持し続ける事に取り組むなんて、現実的ではありませんよね。

つまり、モチベーションが低くても仕事のクオリティーを高めておく方法を取った方が、建設的という事なんです。変わり身の早い人間の感情に左右されるより、仕事自体の安定感を求めた方が、てっとり早いという訳です。

モチベーションと関係なく成果を出す

モチベーションと関係無く成果を出すためには、チームの業務に目標を設定します。抽象的な目標ではなく、具体的な数値目標を設定します。そして、それを個人の行動指針にまで落とし込みます。

ここでは分かりやすさを追求するために、営業チームの例を上げましょう。業種にもよりますので、あくまでも率などは参考程度です。営業5人のチームで、1ヶ月に5,000万円の売上目標を立てます。

逆算すると1人あたりの目標は、月に1,000万円となります。1人が1,000万円の目標を達成するためには、仮に4件の成約が必要だとします。4件の成約を得るためには、チームの成約率を出す必要があります。

仮にチームの成約率が50パーセントだとすると、8件の見込み客が必要となります。月に8件の見込み客を得るためには、週に2件の見込み客を作る必要があります。見込み客を作る方法の一例を、ここではテレアポだと仮定します。

週に2件の見込み客を作るためには、テレアポの率を出す必要があります。100件のテレアポによって1件の見込み客が出来るという率であれば、週に200件のテレアポが必要です。そのためには1日に40件のテレアポが必要です。

これで、目標の1,000万円達成という確率になります。しかし、ぴったり目標に対する件数だと、必達とはなりえませんから、余裕を見て目標に対する倍の数字を設定しましょう。1日に80件のテレアポが必要となり、そこから逆算して、午前中の仕事、午後の仕事の計画が出来上がる訳です。

後はその数字をこなすだけ。機械的に行うと勝手に成果が出ます。モチベーションのせいにする事無く、チームの売上だけをよみがえらせると、副産物としてモチベーションが上がるかもしれません。