• RSS

目標達成してないのに定時退社!?走らない部下走らせたい上司

部下のやる気を出させるには

毎年のように話題に上るのが、その年のトンデモ新入社員の実態です。「最近の若いもんは…」「ゆとり世代だからか」「不況しか知らない世代だから…」などといろいろ言われます。

そう文句を言う側の世代の方も、若い頃にはいろいろしでかしたことはあっただろうし、最近の若者にも、前向きで仕事ができる人材はたくさんいます。しかし、10年20年と、毎年入ってくる新入社員たちを見ていると、確かに「昔の新人はもう少し…」という感想を抱く時があるのも事実です。

しかしなんだかんだ言っても、そう言う世代と仕事をしていかなければならない状況に変わりはありません。愚痴を言う前に、どうやったら彼らが企業にとって戦力となるのかを考えなければなりません。

ステップ1:まず見極めとあきらめが肝心

まずその部下を分析する必要があります。能力が劣るから仕事ができないのか、能力はあるがやる気がないのか、あるいは、能力もやる気もあるのに常識を知らないからなのか。

3つ目のタイプはもっとも修正が簡単です。何しろ能力もやる気もあるのですから。私もちょっと前に「他の課の人にも挨拶する必要あるのですか?」という趣旨のことを言われ、愕然とした経験はありますが、そう言うことは教えてあげさえすれば次からはきちんと挨拶してくれるようになります。

次に修正が楽なのは1つ目のタイプ。確かに能力が劣る場合、ちょっと教えたくらいですぐに仕事ができるようにはなりませんが、経験を積めば徐々に仕事を覚え、コツをつかんでいくはずです。ただしこの手のタイプはケアレスミスが多く、何度も同じミスをしがちです。少し気長に指導する必要があります。

問題なのはと2つ目のタイプです。ここで重要なのは、まずあきらめること。所詮「馬に水を飲ませることはできない」のです。結局、本人が自分でやる気を出さない以上、怒ろうがほめようがどうしようもありません。

ステップ2:認めて理解する

分析が終わったら、まずその部下を認めてあげましょう。そして「こういう人物なのだ」と言うことを理解してあげるのです。つい自分の方が企業内での立場が上であることから、人間的価値も自分の方が上であると錯覚しがちです。しかし、実際には少し早く生まれたから経験が豊富なだけで、それがすなわち人間的な価値の優劣ではないのです。

たとえ部下でも、同じ社会人として信頼と尊敬を持って接しなければ、良好な関係は築けません。そして、一度お互いに信頼できる関係さえ築ければ、部下はあなたの期待に応えようとしてくれるでしょう。

ステップ3:仕事というものを理解させる

損をするとわかっていて商品を購入する顧客はいません。この値段を払ってでも、この商品やサービスが欲しいと考えるからこそ購入してくれるのです。どんな仕事でもその原理は変わりません。つまり、自分の作業が顧客を満足させるクオリティになってこそ、初めて仕事が成立しているんだということを理解させる必要があるのです。

ステップ4:まず自分でやらせる

立派な大学を出た社会人でも、やったこともないことをやり方も教えずにいたらできないのは当たり前です。領収書の精算、有給休暇の取り方などの社内書類の提出の仕方みたいなものは、もちろん教えてあげなければいけません。

しかし、業種・職種にもよりますが、実際の業務に関して1~10まで教えてしまうのはよくありません。自分の頭で考えて作業させることで、仕事への理解はより深まるからです。もちろんミスもするでしょうが、間違いから学ぶことは多いものです。大いに間違わせ、なぜ間違ったかを検証し、次につなげることが重要なのです。

結局できることは環境づくり

叱られてやる気を出すタイプもいれば、ほめられて伸びるタイプもいるでしょう。しかし、結局のところは、本人がやる気を出さなければ叱っても褒めても結果は出ないものです。つまり、上司ができること、すべきことは、部下がやる気を出す環境を作ってあげることです。それにはまず、お互いが信頼できる関係を築くことが何よりも重要です。

最後に山本五十六の有名な言葉を!「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」ほめてさえいればいいとは思いませんが、どんな人間だってほめられればうれしいものです。部下がいい仕事をした時には、ほめることも重要だと思います。