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ランチミーティングを薦めない理由2~具体的な弊害とデメリット

前編では、ランチミーティングが企業にもたらすメリットをお伝えしました。あなたが経営者あるいは管理職であれば、ぜひとも導入したいよいアイディアのように思えたことでしょう。

しかしあなたが一社員、一労働者であれば、なにか引っかかったものがあったのではないでしょうか。今回は、ランチミーティングを実施することで、各社員が感じるかもしれないデメリットをお伝えします。

休憩時間が無くなる

本来休憩時間であるランチタイムにミーティングを行うということは、休憩時間に業務活動をすることを強いられているということになります。これは休憩時間の身体的・精神的な拘束にあたり、実質休憩時間がないということになります。労働時間に対する休憩時間は労働基準法で定められていますが、それが守られていないということになるのです。

無賃労働の強制?

多くの会社員は、実働時間ではなく、定時制のもと、能力給あるいは職責給という形で給料を支払われています。これは、時間単位のアルバイトと違い、職務を果たすことに対して給料が支払われるというものです。

ですが、本来休憩時間であるランチタイム(一時間)を仕事に費やすことになった場合、心境的にはその一時間、サービス残業をさせられたのと同じように感じ、正当な対価を受け取っていないと不満に思う人もあるでしょう。

ランチの自由を奪う

他にも、ランチタイムは就業中の数少ないリフレッシュ手段であり、どのお店に行こうか、何を食べようかなどにより疲れた気持ちをほぐす効果があります。しかしミーティングを実施することで、あらかじめ指定の店に連れて行かれたり、あるいはお弁当を用意しなければならなかったりと、意に沿わない食事をとる必要に迫られる可能性があります。

また、節約などのためにお昼ご飯にかかる費用を抑えたいと思っていても、最低でも1000円するランチしか置いていないお店に連れて行かれたら、意に沿わない出費を強制させられることにもなります。(都心部では最低1000円というお店が非常に多いものです)

このようなことの積み重ねにより要員はリフレッシュができなくなったり嫌なことを強制させられているという思いが高まり、仕事自体に対するモチベーションが低下し、プロジェクトそのものに非協力的になってしまったりするのです。

前編で見たとおり、会社からすればコストカットにもつながり妙案が出る可能性もあるランチミーティングはいいことだらけのように思えます。しかし、それに参加しなければならない会社員の立場から考えると、和気あいあいどころか一種の苦行です。

それでもごくまれにならば良いのかもしれませんが、これが毎週となればその負担がものすごくつらいものになると想像するのは難しくないでしょう。人によっては複数のプロジェクトに参画しており、月曜はAプロジェクトのランチミーティング、火曜はBプロジェクト……のように、一週間で全く個人の自由がきくお昼休みが取れないことさえあり得ます。

業務の効率化と活性化を目指して導入したランチミーティングが結果として要員のモチベ低下を招き、プロジェクトとしての質を下げてしまうとなれば、本当に導入すべきかは慎重に検討されてしかるべきでしょう。