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残業したら無能呼ばわり!?残業は働きものの証か否か

皆さんの会社では残業はどのくらいしているでしょうか?職種・業種によって、残業が当たり前のところもあれば、それほど残業がない所もあるでしょう。

しかしどんな職種でも、残業が全くありませんと言うところは少ないように思えます。では、その場合残業代はきちんともらえているでしょうか?

そもそも残業って何?

労働基準法、いわゆる労基法では、1週間に40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないことになっています。これが法律上の「法定労働時間」であり、これを超えた労働時間が「残業」と言うことになります。

ただし、これとは別に会社ごとに労働契約書や就業規則があり、勤務時間を「昼12:00~13:00を除く9:00~17:00までを勤務時間とする」というように「所定労働時間」を定めてある場合が多いかと思います。

社内的には、所定労働時間を超えて働く場合も残業になりますが、1日8時間、週40時間内であれば法律上の時間外労働ではありませんから、かならずしも残業代を支払う必要はありません。

基本的な残業の概念は上記のとおりですが、細かい所を見ていくと、上司の命令で早朝から出社した場合と、自分で早朝から出社した場合、平日内に祝日がある場合の土曜日の出勤など、いろいろとそのケースによって違いも出てきます。

みなし残業の勘違い

企業によっては「みなし残業」にしているところもありますね。「みなし残業」とは、例えばみなし残業が30時間だとすると、その月の残業が20時間であっても30時間分残業代を払いますよ、ということ。

みなし残業じゃない方々は「残業していないのに残業代をもらえるなんてすばらしい!」とお思いになるかもしれませんね。ところが現実はそんな甘くない場合が多いのです。

定時に上がろうとしようものなら「みなし残業ぶんくらい働いて行けよ」なんて上司のチェックが入ることはしばしば。まして、「残業していなくても残業代出すんだから、みなし残業を超えたって払わないよ」なんて言う企業もあるのです。だとしたら、みなし残業っていったい何のため?って思ってしまいますよね。

そもそも勘違いしてはいけない点は、みなし残業を取り入れた企業であっても、みなし残業を超えた分に関しては、当然その分の残業代を支払わなければならないということ。みなし残業以下の残業でも残業代をもらえるので、超えた分は我慢しなくちゃ・・・と思いがちですが、そんなことはないのです。そういう心理につけ込んで利用している企業も多いかもしれませんので要注意。

残業は悪なのか?

企業とすれば残業代をなるべく払いたくないですよね。残業代に加え、深夜残業もついたら、企業としては「もっと効率よく作業できないのか?」と言いたくもなるでしょう。同じ仕事を効率よくやって定時に帰る社員と、非効率で残業する社員がいれば、当然企業側とすれば前者を雇った方が得ですから。

しかし現実的には、納品間近になれば終電になったりあるいは徹夜になったりすることもあると思います。そうやって必死に納品に間に合わせようとしている社員に向かって、「効率が悪いからだ」と決めつけてしまうのは問題があるように思います。

残業代を減らすことが目的となり、「残業はするな」「しかし納品は間に合わせろ」と無茶な命令をする企業も少なくありません。結果的に社員たちは、徹夜をしても書類上は残業をしていないことにするのです。これが日常化してさらに過激になってくると、最近流行りの「ブラック企業」と言うことになってしまうわけです。

サービス残業って当たり前?

労基法では残業代を支払うのは当たり前です。しかし、現実的にはサービス残業が全くありません、という企業も少ないのではないでしょうか?企業によっては、社員のサービス残業で成り立っている・・・なんてところもあるかもしれません。

もし社員たちにきちんと残業代を払ったら、経営が成り立たなくなってしまう、なんて場合もあるとかないとか。会社が潰れれば社員も困ります。なので、社員たちも渋々サービス残業をする。本当に「残業」というものは、奥が深いというか難しい問題なのです。

戦後の日本を立て直した先人たちは、きっと「サービス残業当たり前」の精神だったのではないかと思います。その考えが、いまだに日本企業には根強いように思います。はたして、日本においてこの「残業」の問題が、経営陣にとっても下っ端社員にとっても、双方に納得いく解決策が出る日は来るのでしょうか?