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ニートなめてもらっちゃ困りまっせ!力を合わせて会社ができた!

ニートが会社設立!成功やいかに!

皆さんニートってなんとなく知っていますよね。「Not in education, employment, or training 」の略で、15~34歳までの家事も通学もしていない人のことを指します。

なんとそのニートが175人も集まって、「NEET株式会社(仮称)」と言う株式会社を立ち上げるそうです。はたしてどんな会社になるのでしょうか?

NEET株式会社のしくみ

まずは参加するニート全員が取締役に就任し、一人当たり6000円ずつ出資するそうです。その合計105万円が資本金となり、全員が対等と言う立場の中で、様々な事業を展開する予定。現在30案くらいの事業が予定されていると言います。

全員が対等、つまり「リーダー」が存在せず、「辞令」というものもないそうで、誰も「雇われていない」環境を実現しています。世の雇われビジネスパーソンからしたら、ちょっとうらやましいですかね。

通常株式会社と言うのは、所有者である株主が資金を出し、経営者が会社を運営していきます。つまり経営者は経済的な責任を負う必要がありませんが、その代わり会社が行った行為に対する法的な責任を負わなければなりません。そして従業員は資金と経営のいずれの責任を負う必要がありませんが、所有と経営に関与する権限がありません。

つまりNEET株式会社は所有と経営を分離させず、全員が責任を負うというスタイルをとっており、非常にユニークな仕組みを採用していると言えます。

まきおこる批判の数々

このニュースに、ネット上では当然批判的な意見も見られます。その多くは「どうせ失敗する」「ニートが集まっても無意味」と言った内容のものです。

たしかに全員が対等と言えば聞こえはいいですが、そうなるとプロジェクトを進行するうえでの意思決定がうまくいかない可能性もあります。最終的にはまとまるにしても、間違いなく時間はかかることになるでしょう。

仕事にとってスピードは大事ですし、そもそも仕事というものは厳しいものです。なぁなぁでやっていて成功するほど甘くはありません。ネット上で言われる「どうせ失敗する」と言う意見は、あながち間違いではないでしょう。

得手不得手、適材適所

しかし、個人的にはこの会社、非常に面白いと思います。ニートと一言で言っても、その能力や経歴は人それぞれでしょう。法律に詳しい人もいるかもしれませんし、以前は大企業のエンジニアだった、なんて人材もいるかもしれません。

もちろん全員が優秀であるとは思いませんが、何万人もいるニートの中から「自分で会社を起こそう」と集まった人材です。モチベーションはけっして低くはないはず。それぞれの得手不得手をうまく見極め、適材適所に人員を配置できれば、面白い化学反応が起こる可能性もあります。現在30あるプロジェクトの多くは失敗するかもしれません。しかし、もしかしたら大化けするものもあるかもしれないのです。

NEET株式会社の問題点

得手不得手をうまく見極め、適材適所に配置できればと言いましたが、そこがこの会社の問題点でもあります。それぞれが対等でリーダーもいなければ辞令もないわけですから、ではどうやって適材適所に人材を配置するのか?と言うことです。誰が見ても「あなたはこっちのプロジェクトに参加するべきだ」と言う人材がいても、本人が拒否すればそれまでです。そうなれば、宝の持ち腐れです。

全員が対等と言うのは、一見理想的に見えるかもしれませんが、デメリットも多いと思われます。少なくとも、実際にプロジェクトが動くとなれば、「今回のプロジェクトリーダーは○○さんです」といったように、プロジェクトごとに責任者を決めるべきではないかと思います。

新しい企業の形

現在株式会社と言うのは、資本金が1円でも設立が可能です。しかし実際に会社を起こそうと思えば、様々な書類が必要で、認証や登録などになんだかんだお金も時間も労力もかかります。資本金が1円でいいというだけで、実際に1円で起業できるわけではありません。

もしもっと簡単に起業できるようにルールが変わったら、NEET株式会社のようなユニークな会社がたくさんできるかもしれません。ニートだけじゃなくフリーターや主婦、定年退職した方々、あるいは高校生や大学生たちがどんどん挑戦的な会社を立ち上げるかもしれません。そうなれば、日本の経済にとってもいい影響があるのではないでしょうか?

個人的には、それぞれが自己責任によってどんどん何度でもチャレンジできる、そんな社会になってくれたらと思っています。どうです?あなたも「フリーター株式会社」「主婦株式会社」「定年退職株式会社」を立ち上げてみませんか?