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デキる営業マンは価値を追い求め、ダメな営業マンは数を追いかける!

「営業マンは脚で稼げ!!」という言葉は何世代も前から、業界問わず営業職の金言として言い伝えられてきた言葉です。

どの業界の営業マンも、営業という仕事に就いたばかりの頃は多くの顧客を訪問することから仕事を覚えて行くのが王道でしょう。

勿論、業種によっては顧客を探す為、売上を伸ばす為、利益を確保する為に「脚で稼ぐ」事は基本であり、ルーティンの活動になっていることでしょう。しかし、この「脚で稼ぐ」という表現を「単純に多くの件数を訪問する」という理解で終わっている営業マンが溢れ、その多くが飛びぬけた業績を獲得するには至っていません。

デキる営業マンは、脚で稼ぐことから何かしらのヒントを見出し、「件数を稼ぐ」のではなく「お金を稼ぐ」ことを掴みます。一方、出来ない営業マンは脚で件数を稼ぐことに何の疑問も持たず、地道な努力は必ず花開くとばかりに、毎日誰よりも訪問件数や面談する顧客の人数を稼ぐことに全力を注ぎます。しかし、「脚で稼ぐ」のは決して営業活動の主たる目的ではなく、単なる手段に過ぎないのです。

デキる営業マンは脚で稼ぐことからイチ早く脱却する

業種にもよりますが、新卒の若い営業マンなどは研修の段階で飛び込み営業をひたすら実践したり、顧客リストを渡され、ひたすら名刺を交換して回る、などの方法で仕事を覚えた人も多いと思います。この手法は営業という仕事を覚える初期段階では有効であり、様々なマーケットの中から需要を掘り出す為の基本でもあります。

ベテランの営業マンでも本当に新規の顧客のネタが尽きた時には、飛び込み営業やテレアポなどを実行する他なく、そこから次の見込み客を探し当てる為には数を当たった方が確率が高くなることは判り切っています。(現実には営業マンとしてベテランになれば、全くド新規の客を探さなければならないという状態には殆どならないでしょうが。)

しかし、デキる営業マンは訪問件数を重ねる中から色々な事を掴みます。その何かとは、「自社の商品(もしくはサービス)はどんな人にニーズがあるか」「そのニーズを探る為に、効率の良い方法は無いか」「ニーズがある顧客の集まるエリアは無いか」「ニーズがある顧客を集めてしまえば良い」etc、件数を稼ぐ活動でヒットした顧客の資質を見極め、同じようなタイプの客層を見極め、そこにターゲットを絞ったり、様々な工夫をします。

デキる営業マンは価値を提供し、価値を獲得する

このように、単に脚で稼ぐ活動から、自分が提供する価値を理解してくれる、買ってくれる顧客を見出すロジックを掴み、その傾向に従って価値を案内して回ります。そして、価値を見出すロジックを探る方法は顧客数を稼ぐだけではなく、1件毎の売上や利益などの金額面を稼ぐことにも同様に言える事です。

やっと巡り合った貴重な顧客から、仕方なく最低数量の売上だけ買って貰うのではなく、どうすればもっと買ってもらえるか、他にも同じように自社の製品を必要とするような人はいないかなど、顧客としての価値が大きい相手を探します。

価値を提供するのは営業マンとして当たり前、顧客からもより多くの価値を戴けるように活動するのがデキる営業マンなのです。価値を案内できる顧客が数件あれば、闇雲に挨拶だけで門前払いされる件数を何百件、何千件と繰り返す必要が無い事にも気付きます。

デキない営業マンは数だけが目的になる

一方、デキない営業マンは、脚で稼ぐ以外に方法は無いとばかりに盲目的になり、必死で訪問件数を重ねます。やっと話を聞いてくれる顧客に巡り合うと、ここで会ったが百年目、とばかりに相手を逃がさないよう、必死で売り込み、頼み込む営業をします。運よく売れれば良いのですが、売れなければ今までの単なる挨拶で終わった一件と同じ価値しかありません。

そして、デキない営業マンはやっと売れた一件を探し出すのに、合計で何件回ったかを気にします。それが100件に1件であれば、次の1件に出会う為にと、また100件の訪問を闇雲に繰り返します。

しかし、100件に1件が必ず売れるとは限らず、更に件数を重ねるだけのスパイラルに繋がります。そして、1件で出来るだけ売上を稼ぐという状態になど到底辿りつけず、何とか買ってもらえる1件を探す為に毎日ヘトヘトになるのです。

数の神話に拘る、古い体質の企業が多い

但し、日本企業の多くに存在するタチの悪さとして、結果ではなく訪問件数が多いことを評価する経営者や管理職が多い事と、件数を稼ぐ活動しかしていない営業マン本人が「仕事をしたつもり」になって、自らの活動の稚拙さに気付かないことが今の世の中にも蔓延しています。これも多くの業界が業績を好転させられない要因かもしれません。