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ビジネスモラルを持とう!何でもありの営業とはサヨナラしましょう

沢山の営業の中には、売れれば何でもありの考え方をしている人もいます。しかし、ビジネスモラルの無い会社や仕事はすぐに衰退します。仕事は信頼で成り立っています。ビジネスモラルと利益は比例するという考え方を紹介します。

世の中に何らかのメリットを提示する事で、それが感謝の声に変わって、結果的に集客につながったり、商品やサービスが売れて売上に繋がると言う考え方が、最近増えてきております。

しかしながら、ビジネスは利益であり、そういった事は綺麗事だとする利益主義の考え方もまだまだ根強いです。はたして社会への貢献や感謝を集めるというような理想で、飯が食えるのでしょうか?

分かりやすい事例として、A社とB社の実例を紹介します。ともにサービス業で、A社は営業をどんどん増やして、販路を一気に拡大していきました。営業はフルコミッションの非正規社員。

A社は利益第一主義で、仮に売れ行きが落ち込んだ月があったとしても、フルコミッションの非正規社員しか雇っていないので、A社には痛手はありませんでした。まさにうなぎ登りの発展で、最初は小さな会社だったのが、1年余りで急激に発展し、そのサービスが一部の地域でブームとなりました。

対して、B社は営業を正規社員で雇っていました。B社の営業はプロフェッショナルの集団で、あまり営業を増やして急拡大する事無く、地道に事業を伸ばしておりました。

B社は社会貢献や感謝を理念に掲げており、社員の幸せもしっかりと考えていたために、急拡大をしませんでした。そのために業界で、理想では飯は食えないと揶揄される事もありました。

A社は更に乗りに乗って成長を続けていきましたが、少しずつ社内の非正規社員の営業から、不満が出てくるようになりました。仕事は非正規社員の営業任せで、売れなかった時のリスクは全て彼らが負う事になりますから、売れずに辞めていく人も後を絶たなくなったのです。

新しく入ってくる人も多く、常に人が入れ替わる状態となりました。しかし、利益はちゃんと出続けていたのです。反面、B社は相変わらず地道に経営を行い、社員は生き生きと働きました。3年後、A社とB社の立場は逆転しました。

インナーブランディング

インナーブランディングという言葉をご存知でしょうか?通常ブランディングは外に向けて行うものですよね。

例えば会社の名前や商品のイメージなど、外部に対して働きかけるのがブランディングです。それに対してインナーブランディングとは、内部の人に働きかけるブランディングです。

例えば働く人が醸し出す雰囲気は外に漏れます。嫌々働いている人は、行動に出たり、顔や言葉に出てしまいます。笑顔が自然じゃなかったり、電話応対が雑になったり、何らかの形で外に漏れるのです。

逆に働く人がやりがいを持って働いていたり、楽しく働いている場合も、その雰囲気が外に出ます。社員に活気があって、それが客先に伝わったり、楽しい雰囲気がそのまま伝わったり。

中の事は外に出るという発想から、社内に向けたブランディングも必要です。そういうインナーブランディングを考えながら事業を進める事もとても重要です。

3年後

3年後のA社は、ブームが去ってしまい、フルコミッションで働く人自体も減ってしまいました。フルコミッションの非正規社員の営業に頼りきりだったために、社内の体制を強化する事を怠り、逆風に対処出来る能力がありませんでした。

市場のブームが右肩下がりになるのに比例して、結局売上も利益も右肩下がりになりました。

逆にB社は社員から様々な発想で良い事業のアイデアが出ていたため、類似の新しい市場の開拓にも成功し、着実に利益を積み重ねて右肩上がりの経営が続いておりました。

一旦訪れた、A社と同じ市場での逆風に対しても、特に従業員を減らす事も無く、無理なく乗り越えたのです。逆風の時にこそ社員が率先して活躍をし、その時の方が却って会社が一致団結をし、社員のやりがいも明確だったそうです。

結果論かも知れませんが、A社は利益追求を目指し、短期的には利益を得ることが出来ましたが、長期的には衰退してしまいまいした。

B社はビジネスモラルを大切にし、無理なく徐々に会社を大きくしていったため、逆風に足元をすくわれる事もありませんでした。

ビジネスモラルというのは、一見建前のように映るかも知れませんが、日本は昔から大義名分を大切にしていた国です。武家社会からそういった事を重んじていた国ですので、今でもそういった事を拠り所に働く人達が多いのかも知れませんね。