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本当の管理とは?人は管理出来ないという前提の管理術

管理職に有りがちな誤解。それは部下やチームを管理するという事です。しかし、そもそも人は管理出来ません。例え仕組みで管理しようとしても、相手は人間ですからいくらでも抜け道を使います。それを踏まえた真の管理術とはどういう事かをひも解きます。

管理出来ているのか

部下やチームを管理しようとしても、それはほぼ不可能に近いです。管理出来ているつもりになっていても、実は管理出来ていない事がほとんどです。例えば営業職でチームを管理した時に、管理職は部下やチーム達が外回りを頑張っていると思っています。

しかし、営業マンは巧妙にサボります。ビジネスマンが市街地から少し離れた所で、車の中で熟睡する姿をあちこちで見かけます。市街地の喫茶店で休むビジネスマンをたくさん見ます。

彼らのうち、行動が目撃されて「サボるな!」と叱責された事のある人が、はたして何パーセントくらいいるのでしょうか?ほとんどが巧妙にサボっていて、分からない状態なのではないでしょうか。

しかし、彼らの上司や経営者は、社員たちが毎日しっかり働いていると思っています。もちろんある程度の息抜きを、営業がしている事くらいは織り込み済みだとは思いますが、サボるという行為が有る時点で、管理が出来ていないという事だと思います。

では、管理とは一体何を管理するものなのでしょうか?人の思考なのでしょうか?それとも行動なのでしょうか?はたまた、営業成績のみなのでしょうか?営業の特性を考えていくとそれが見えてきます。

結論から書きますと、管理職が管理すべき所は、営業の数字だけです。なぜなら、結果にこだわる事で、行動は後から付いてくるからです。行動が付いてくると、思考も変わります。行動を繰り返す事で営業にとっての習慣も変わります。

ですので、管理職の方は結果に着目して下さい。しかし、数字だけ1人歩きをさせると、営業はやる気を無くして働かなくなります。数字には必ず具体性と、落とし込みが必要となってきます。落とし込んだ数字を達成するために、行動の指針が必要になってきます。

具体的に記述しますと、営業4人のチームの管理職にあなたがなったとします。あなたがまずやる事は、会社からチームに与えられた数字をシェアする事です。会社から与えられた数字が仮に800万円だとすると、今月は800万円必達だと提示して下さい。

しかし、これだけでは営業はまるで他人事のようにしか捉えていません。ここで、1人ずつ予算を作ります。例えば今回は仮に単純に4人で割って200万円ずつ、としましょう。すると、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんに200万円ずつ、必達の目標が与えられる訳です。

でも、この段階でも営業は他人事です。他人事のように何とかなるだろうって思っている人や、達成できなくても大丈夫だろうって思っている人もいます。そんな他人事の営業マンに、この後は自分事になって頂きます。

この数字に対して、今度は行動計画を立てさせます。これを達成するためには、今週はどんな動きをしないといけないのかと、数字と行動を具体的に結びつけ、最終的にはその行動計画を、1日毎のレベルまで落とし込むのです。

こうなると、営業はもう他人事ではいられません。毎日の行動計画を提示され、それを怠ると数字が行かない可能性が出るという認識に変わるからです。そして、今度は案件の進捗状況のリストを作らせます。

例えば目標200万に対して、A顧客は50万円の見込み、B顧客も50万円の見込み、C顧客は40万円の見込み、D顧客は60万円の見込みだったとします。しかし、成約率が50パーセントの営業であれば、後200万円の顧客が必要です。

更に、A顧客とB顧客はほぼ決定しているレベル1の顧客。C顧客は確率半々のレベル2の顧客、D顧客はあわよくば受注になるという程度の顧客の場合、ほぼ確定している売上は100万円だけで、C顧客はどうなるか分かりませんから、少なくとも後100万円の見込みを作る必要が出てくるのです。

C顧客が40万円の見込みで半々の確率なら、同じく40万円で半々の確率のE顧客を見つけてくる。これでトータル140万円になる可能性が高い訳です。残りの60万円の見込み客を探す必要が有るという訳です。

こんな風に、営業の目標から日々の具体的な行動に落とし込み、それを更に案件の成約確度に合わせてリアルタイムに管理をする事で、営業はほっておいてもアクティブに動きます。サボっていても数字が達成出来ていれば良しとします。営業各人が個人事業主であるという感覚まで持っていければ、おのずと成果は付いてくるはずです。