• RSS

部下に失敗を推奨?懐の広いレバレッジを利かせた教育方法

誰しも仕事で失敗をしたくはないですよね。しかし、失敗は成功のチャンス。失敗をすることによって新たな創意工夫が生まれ、更に成果につながります。部下に失敗を恐れずにチャレンジさせる上司は懐が広い。失敗ウェルカムな教育方法でチームの成果を上げましょう。

上司が部下を育てる上で、失敗に対してどうのように捉えるかはとても重要です。失敗を恐れて無難に仕事をし、逃げ腰になるように育てないためにも、失敗に対して寛容な、懐の広い上司になる必要があります。

しかしながら、客先や仕入先が絡んでいる事に対して、ただ単にミスを受け入れる事も難しいですよね。ここでミスをしたらこのお客様が離れるのではないかとか、ここでミスをしたら仕入先さんが離れてしまい、他の営業や購買にも迷惑がかかるのではないかとか。

仕事は1人でやっているわけではなく、そのチームと、社外の人も含めた多くの人で成り立っています。更に間接的には外注さんだけでなく、孫外注がいる場合もありますし、客先にもエンドユーザーまでの流れがあります。

そういうたくさんの人々が関わる仕事の中で、1人の社員のミスを許容するにはかなりの度量が必要です。しかし、人を育て、その人々で構成されているチームを育てるには、それだけの覚悟は必要です。なぜなら企業やチームはやはり人だからです。

どこの会社でも経営は「人が一番大変」と仰るように、人の能力如何で会社やチームの成績は一変するからです。部下に向上心を持たせて成長させるのに最も大切な事は、チャレンジ精神です。チャレンジ精神を継続して持たせるには、失敗を気にしないマインドです。

失敗を気にしないと言うと語弊があるように思えますが、失敗をプラスに転換できるマインドという意味です。失敗をして、人に迷惑をかけて、それで終わりであれば意味がありません。失敗から多くを学び、次につなげてこそ失敗の意義があるのです。

例えば、新規営業をしていて、商談ミスによって失注をした場合、1つの商談ミスで学んだ事のお陰で、今後の商談のクオリティーが上がり、結果的に成約の件数が圧倒的に増えたというのはよくある話です。

ルートセールスにおいても、失敗をしたせいで、既存顧客との間にトラブルが発生し、今後の付き合いも含めて信頼関係を心配していたとしても、結果的に前向きな対処で処理できたがために、逆にその顧客と仲良くなれたり、信頼関係が強くなったりするものです。

失敗自体を推奨する事はもちろんありませんが、失敗をした後のフォローがきっちりできていれば、逆に失敗する前よりも良い状態になる事が多いのです。では、上司は部下に対して具体的にどのように接すればいいのでしょうか?

部下「すいません、Aのお客様でこんな失敗をしてしまいました」

上司「バカヤロー!Aのお客様は大事なお客様だろう!何してんだよ!」

っていう接し方をしてしまうと、もう部下は事なかれ主義の仕事ぶりになってしまうでしょう。

部下「すいません、Aのお客様でこんな失敗をしてしまいました」

上司「そうか。じゃあ、まず謝りに行って、次に対処法を数パターン提示して、その後、しっかりフォローして、最後にもう1度挨拶に行ってきなさい」

こういう接し方も、最初から上司が失敗に対する対処法の答えを出してしまっているので、失敗から学ぶための創造性が身につきません。なるべく本人の中から答えを導かせる癖をつけましょう。

部下「すいません、Aのお客様でこんな失敗をしてしまいました」

上司「それは大変だなあ。で、お客様はどんな様子なんだ?」

部下「随分ご立腹で、かなり感情的になられてます」

上司「そりゃそうだろうなあ。で、君の意見としては、まず最初に何をすればいいと思ってるんだ?」

部下「そうですね。まずは感情的な所を落ち着いていただいてから、対策を提示したいと思いますので、しっかりと謝りに行ってきます」

上司「そうだな。まずは冷静にさせないとな。その後はどうするつもりだ?」

部下「提示した対策が完結するまで責任持ってフォローをして、それを見届けてから、最後に報告とご挨拶をします」

上司「うん、それが最も良いプロセスだな。もしも上司を呼べと言われたら、その時は同行するから安心しなさい」

と、言うように、本人の中から答えを導かせ、自分の案で解決ができたと認識させる事で、失敗のフォローに強くなりますし、失敗のフォローに強くなると、失敗を恐れずに仕事をするようになります。

ただ失敗に対しての責めや責任を追及するのではなく、長い目で見た育て方に力を入れるようにしましょう。もちろん、かなりの覚悟が必要ですから、懐の広い上司になって下さい。