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HPに書いてあることを質問しているようでは中途採用されるわけがない

昨今、企業のホームページには様々な情報が掲載されています。転職活動をする人たちも、受けてみようと思う会社のホームページは必ずチェックしているのではないでしょうか。

ところがその際に、きちんとすみずみまで見ていない人が意外にも多いことに驚かされます。本気の転職――。口ではそう言いながらトドのつまりは片手落ち。そんなオチにならないよう、いまいちどしっかり企業のホームページを確認しておきましょう。

企業の基本データにはすべて目を通しておくのが基本中の基本

会社案内として一般的なところだと「経営理念」「会社概要」「沿革」などは簡単に見つけることができる項目です。支店がどこにあるか、いくつあるかだけを見ているようでは、面接の際に話題を膨らませることなんてできません。いつ頃に、どういう背景を持つ人物が、どういった分野でスタートした会社なのか。そして、それがどのように発展して今に至るのかをきちんと頭に入れておきましょう。

また資本金や主要取引先、前年の売上高だけではなく、出来ればその推移についても調べておきたいものです。ホームページに記載された内容を基にして、記載されていない内容までを引っ張れるようになれれば転職への意識も変わるもの。間違ってもトップページの楽しい部分だけを見て「この会社がいいや」などと満足していてはいけません。

トップページを『見る側』ではなく『見せる側』の視点で確認する

トップページは宣伝の場でもありますから、ここには良いイメージしかありません。たんに顧客としてその会社と関わるのならそれでも良いでしょう。しかし、中途採用に応募するということは、その会社側の人間になることを目指しているのだ、ということを忘れてはいけません。

会社概要がやたら見つけにくいところにあって隠されているような印象を受ける。企業情報に掲載されている情報内容が少なすぎて具体的な姿が見えてこない。…などなど、少しでも「あれ?」と不審に思うことがあるなら、中途採用試験を受ける前にきちんと調べておきましょう。採用されたい一心で気になった点に目をつぶり、採用された後に後悔することになっても遅いのです。

中途採用だからこそ他者との差をつけなければ採用されない

大きな会社になるほど、ホームページの企業情報は内容が多岐にわたります。代表挨拶に始まり役員紹介、経営理念に加えて行動基準などなど、かなりのページ数になることも珍しくありません。これらは地味な内容ですが、こういうところに面接の際の質問のネタが転がっているのです。とにかく、まずはすみからすみまでよく目を通しておきましょう。

新卒採用と違い、中途採用では「学生時代に頑張ったこと」などという温い質問はありません。そのかわりに今まで経験してきた仕事について、突っ込んだ質問をされるのです。そして同時に応募者から会社へする質問についても同じように社会人としての経験を踏まえたうえでの視点を求められています。

それは、ホームページをすみからすみまで読んで重箱の隅をつつくような質問をしろ、という意味ではありません。言うまでもありませんが、ホームページに掲載してあることをそのまま質問すればいいということでもありません。ホームページに掲載された内容を踏まえたうえで、さらに自分自身の視点での質問をしなければ響かないのです。

例えば「この分野の業績は伸びていますか?」と聞くのでは足りません。ホームページにイチオシで掲載されている場合「伸びてるのぐらい、見りゃわかんだろ?」という反応にしかなりませんから。それより、ここ数年でどの程度その分野が他の分野に比べて業績を伸ばしているのかを調べておきましょう。そのうえでどう質問するかを考えてみます。

例えば、ライバル他社と比較してその会社がその分野において突出しているのであれば、「競合他社に比べて伸びが著しいのはどうしてなのか?」――というようにです。その際に、「あなたはどうしてだと思いますか?」という質問を返される可能性があります。それを想定し、「御社と競合他社との違いは○○にあるのではないかと考えました」というように自分なりの考えを述べる用意をしておきましょう。

中途採用においての面接は、新卒の学生とは違ってその人の経験してきたこと、社会人として培われた観察眼が透けて見えるものです。それだけに、他者と明確な差をつけることもできるのですから、事前の企業研究に手を抜かず、万全の準備で臨みましょう。

ざっとホームページに目を通しただけで、「御社のことを調べてきました」という顔をしてくる応募者は面接でじっくり話しをするとすぐにわかります。稚拙な応募者は、よほどの人手不足でもない限り採用してもらえる可能性はありません。