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ビジネスは事実の積み重ね。でもその事実を作るのは感情

      事実と感情の分離

      起こっている事実と、それを見ている自分の感情を切り分けるのには、多少のトレーニングが必要です。

      が、これができるようになると、仕事における生産性は格段に増します。まずは「事実をありのままに見る」というトレーニングから始めましょう。

      「パンダはかわいい」これは事実でしょうか?違いますね。「パンダはモノトーン」これは事実。もう少し複雑にしてみましょう。

      「夫が外食したいと言っている。」これは?夫にとっては感情の発露でも言われた私にとっては「彼がそう言っている」という事実でしょうか。

      事故や事件などの際にも「何が起こっているのか」「何が起こったのか」を認定することが、最も緊急かつ最も重大な初動ではないかと思います。

      「事実が何か」はいついかなるときにも使える「状況把握術」ですので、日々「今起こっている事実は何か」を認識するトレーニングをする癖をつけておくと、ビジネスにきっと役立つと思います。

      正確に認識した事実に対する意見は誤差が少ない

      しかし、「何を事実として認識するか」という時点で、人によってのブレがあります。同じ事実をどう受け止めるかは、結局のところそれぞれの人の感情ですから、それは当たり前のこと。そしてさらに、「事実」を形成するもとは「人の感情」であるということです。その言葉を発したことは「事実」であるが、その言葉を発した意図は「感情」である。というように。

      ビジネスにおいて通常は関係者が複数います。その複数の人がそれぞれにある事実をどのように認識しているか。そこまでを「事実とその周辺事情」として頭に入れておくと、ものごとは非常にスムースに進みます。つまり「関係者の思惑を踏まえた事実認識」が、即ち「正確に認識した事実」ということです。

      関係者が複数いる場合にはマトリックスを書くのも有効です。その上で、自分の「意見」を述べると、事実に対する誤差が少ないため、関係者からの反発を最小限に抑えられます。ビジネスは事実の積み重ね。と言いますが、「事実は何か」と同時に「そこにどんな思惑があるか」も二段階の「事実」として認識することが、ビジネスにおける承認を得るための近道ではないでしょうか。

      感情を無視するのは愚の骨頂

      「事実を正確に認識せよ」と言われれば、ついつい感情を無視したくもなります。ここで無視すべきは「自分の感情」です。相手方の感情は、こちらにとっては「事実に等しい」重みを持っています。なぜならば、その相手方の感情により、事実が作られるからです。

      ここで自分の感情を露わにすると、「感情対感情」となります。一般に言われる「感情論」とはこの状態を指すのではないでしょうか。自分の感情は抑えつつ、相手の感情を含めた「事実」あるいは「事象」をフラットな目で正確に認識する。これができれば交渉で負けることはありません。ぜひ、トレーニングを積んで実践してみてください。