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「ブラック企業」っていうけど、実際はどんな会社を言うんですか?

突然ですが「ブラック企業」の定義とは、なんだと思いますか?この頃ではメディアを騒がせることも度々あり、求職者だけでなく求人を行う企業側にとっても無視できない存在となってきました。

ところが急激な一般への普及が所以か、「ブラック企業」ってこういう条件を満たしている会社を指すんだよと、正確な認識をしていない人が多いのも事実です。これはまさに「ブラック企業」という言葉だけが一人歩きしている状態といっても過言ではありません。

社会的、人道的に非道な企業がのさばっている事実は無視できず、そんな企業を少しでも減らして行こうという流れはとても素晴らしいものですが、一方で被雇用者側が少し気に入らない条件や状態を企業側の責任として「ブラック企業」だと決めつけてしまうのもどうでしょう。

そのような行為自体が企業側に多大な「風評被害」をもたらすことになりますし、法律的な問題は除いたとしても倫理的に許されざる行為と言わざるを得ません。「ブラック企業」とは一体どのような会社なのか、被雇用者一人一人が定義をしっかりとふまえた上で、該当する悪質な企業を社会的に糾弾していくことこそ理想の形だと思います。

今回は「ブラック企業」の定義とはどのようなものなのか、リサーチしてみました。フレーズを使う機会がないことを切に願いますが、自身が被害者に、または加害者にならないためにもチェックしてみて下さい。

「ブラック企業の定義」とは?ブラック企業にありがちな勤務パターン

「ブラック企業」の定義としてまず挙げられるのが長すぎる勤務時間。労働基準法はもとより、常軌を逸した長時間に及ぶ勤務を強要されたならば「ブラック企業」の可能性が高いといえます。

ある企業の場合、一か月の時間外労働時間が100時間を超えたという報告も。一か月の時間外労働が100時間というと、週5日勤務で算出したとして週25時間の残業。一日に換算すると5時間の残業となります。

一日に5時間…。言葉にすると意外と少ないと思う方もいるかも知れませんね。それでも時間外ということは、一日の勤務時間9時間(休憩時間一時間を含む)に加えて5時間ですから、通算して14時間勤務を行っている状態です。24時間の内14時間を勤務時間に、その他にも通勤時間が往復で1時間程度と考えても平日は睡眠や生活に関わる時間を削らなければならない状況であることがわかります。

まだ100時間はブラック企業の中ではいい方で、200時間を超えてしまい精神疾患を発症してしまった例もあるのです。一日10時間の時間外労働を強要されてしまったら、残りの時間はたったの4時間。満足な睡眠だけではなく、まともな生活など出来るわけがありません。

その他にも1ヶ月にも渡る連続勤務を強要されたりする企業も。そのような状態では心身に異常をきたしてしまうのは当然のことで、企業側もそれを承知の上で被雇用者に強要をしています。このような会社は間違いなく「ブラック企業」に該当するといえるでしょう。

不要な社員には容赦ない選別が。パワハラやセクハラにより自主退社を促す「ブラック企業」

ブラック企業のもう一つの定義として「選別外の社員に対しての度を越した圧力」が挙げられるでしょう。あくまで自主退社を目的とした「セクハラ」や「パワハラ」を会社ぐるみで計画的に行う手法は、悪辣そのものといえます。

加害者が複数である場合、個人にかけられる圧力は耐え難いものであり、やはり心身に疾病を抱えてしまうケースが多いようです。その他にも理不尽な解雇理由をつきつけられたり、同意のない転勤命令など、法的にも違反するような行いを平然と行う企業はまさに「ブラック企業」の呼び名がふさわしい企業といえそうです。

ではこのような「ブラック企業」を見極める方法はあるのでしょうか。以下にブラック企業に多い特徴を数点挙げてみました。

■一度の応募人数がやたらと多い。

多くの退職者をあらかじめ想定としているため、一度に応募する人数が多くなる傾向があるようです。現在の社員数と比較し、応募人数が極端に多いと感じたなら注意が必要です。

■離職率が異常に高い

社員を粗雑に扱っている企業は離職率も高くなります。離職率は確認しておいた方がよいでしょう。

■求人に具体的な情報が記載されていない

仕事内容や、職場環境などの記載が曖昧な企業が多いので注意が必要です。

ブラック企業とは「社員」=「使い捨て」と考える悪質な会社を指すといえるでしょう。一方で「ブラック企業」との風評被害を受けている企業も存在します。被雇用者の労働環境がよりよく改善され、当然のものとして健全な社会生活を送ることができるよう、行政を始めとした国民が一丸となりこの問題に取り組んでいくことが必要とされているのかもしれません。