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今や就活の必須アイテム!?学生が名刺をわたすことの是非を考える

「よろしければお名刺を頂けますか?」そう言われて学生に名刺を差し出されると、サラリーマンは条件反射で名刺を出してしまう。そこで名刺をゲットしたら、その夜にお礼のメールを送ろう!――と、書かれた就活サイトを見てびっくりしました。なぜなら大手企業の人事部に勤める男性が、「学生からの名刺は困る」とシュレッダーで細切れにして捨てていたからです。

学生の名刺には個人情報が盛りだくさんの場合があるので、安易にゴミ箱に放るわけにもいかないとか。この温度差はいったいどういうことなのでしょうか?そこで、学生が名刺をわたすことの是非について考えてみました。

社会人にとって学生の名刺は『メシの種』にならない

そもそも社会人同士はなぜ名刺を交換するのでしょうか?自分は記載された会社に所属する人間であり、連絡先はここになります――。そのようなことが記載された小さな紙片を相手にわたします。そして相手からも名刺を受け取ることで、その人がどの会社に所属し、連絡を取りたい場合はどこにすればいいのかがわかるわけですね。

それはひとえに、その後の展開を期待しているからです。つまり、仕事として絡む相手となればいい、その一言に尽きるでしょう。そういう意味で考えれば、学生からもらう名刺は社会人にとって何のメリットもありません。まあ、何かを売りつける仕事をしているのであれば、それはそれで一つの個人情報収集にはなるかもしれませんが。

現場の社会人からは否定的な意見が多いという事実

さらに別のサラリーマンにも学生が就活において名刺をわたすことについての意見を求めてみました。有名家電メーカーに勤める彼のところには、時期になるとOB訪問の学生が相当数訪ねて来るといいます。

学生の名刺について率直な感想を求めると以下のようなものでした。

「女子学生に名刺をだされると、正直毎回キャバクラ嬢を思い出す」

「男子学生に名刺をだされると、イベントサークルでチャラチャラしてた奴を思い出す」

……とのこと。

それはつまりマイナスイメージなのかを訊ねると、「マイナスとは言い切れないけれど、少なくともプラスではない」との答えが。その後、就活で学生が差し出す名刺に良いイメージを持つ社会人を探してみたのですが、残念ながら現段階では行き当たりませんでした。

安易な情報に踊らされると逆効果になることもありうる

溢れるような就活情報の中には首を傾げたくなるものがたくさんあります。学生が就活において名刺を使うことのメリットを謳ったものには以下のような記載もありました。

・名刺をわたしておけば相手から連絡をもらいやすくなる。

→これについては、正直眉唾であると言わざるを得ないでしょう。きちんと採用試験を受けていればESや履歴書を提出しているのですから、名刺の有無は関係ありません。

・名刺をくれたということは、相手に連絡をする許可を得たことになる。

→だされたから儀礼として名刺をくれる社会人は確かにいるでしょう。ただし、だから名刺をわたしていない学生を一歩リードできたことにはなりません。あまりしつこくコンタクトをとろうすることで、かえって不快に思われることもあるのです。

就活において学生が名刺を作る作らないは、はっきり言えば個人の自由です。しかしそれが就活における必須アイテムではない、ということは承知のうえで利用するべきなのでしょう。