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残業をしなければ売上が上がる?営業マンの好循環

遅くまで仕事をしている人は頑張っている。定時で帰宅する人は努力が足りないという企業風土の会社が日本には多いようですが、果たして本当に残業は必要なのでしょうか?残業が売り上げアップに結び付いているのでしょうか?

営業職の場合、お客様の都合でやむを得ず残業が必要な場合や、日中外回りをしているために、内勤は夜に行い、そのために残業が必要という人もいます。また、本当は仕事は終わっているけれど、上司や先輩が残業をしているために、自分だけ先に帰りにくくて残業に付き合っている人もいます。まるで、遅くまで残っている事が美徳で有るかのような場合も有るのです。

しかし、本当にその残業は必要なのでしょうか?営業マンの中には、業種を問わず、ほとんど残業をせずに帰宅し、ちゃんと成果も上げている人もいます。一体その差はどこに有るのでしょうか?等身大の具体例を挙げて残業について考えてみたいと思います。

某企業T社の営業マンで、日常的に残業をしている担当者Aさんと、定時に帰宅しているBさんがいました。T社はルートセールスが基本で、時々新規営業も行うという会社でした。

Aさんは毎日の様に同じルートを回っていて、お客様のところに顔を出していました。そこで頼まれた仕事を帰社してから行い、残業の日々が続いておりました。また、お客様もAさんは遅くまで会社に残っているので、依頼事項も遅くまで受け付けてくれると喜んでいました。

Bさんは同じお客様の所へは週に1度くらいしか行かず、残りの時間を使って新規営業や、内勤を行いました。内勤の時間も勤務時間内で確保出来ているためにしっかり定時で帰宅していました。その代わりBさんが帰宅後のお客様の対応は翌日となっていました。

あるお客様I社の所で、AさんからBさんに担当が変わることとなりました。BさんはAさんの様に毎日お客様と所へ顔を出さない上、定時以降の対応が出来ないため、最初はお客様I社から苦言を呈される事も有りました。

しかし、Aさんは内勤の時間を確保しているため、I社からの依頼をタイムリーに対応する機会が増えました。更に、定時で帰宅している事をI社の担当者も知っているため、I社の担当者はAさんが帰宅する前に仕事を依頼する事となり、依頼サイクルのスピードが上がったのです。

それによって、エンドユーザーへの業務サイクルも向上し、売り上げが増えました。その結果I社からAさんへの物件も増えてAさんの売り上げも上がりました。新規営業での上積みも有り、Aさんの売り上げは更に上がりました。反面Bさんは毎日のように同じ顧客に顔を出しており、残業時間に内勤をしているので、新規営業をする暇が有りませんでした。

Aさんは残業をせずに帰宅しているので、自分磨きもちゃんと行っておりました。資格取得や仕事のスキルアップを学び、それを日々の仕事で実践し、更に成果を出していました。Bさんは残業に追われ、自己研鑽をする暇が有りませんでした。数年後、二人の社会的ポジションは圧倒的に差が出てしまいました。

さて、これらはあくまでも一例ですが、必要だと思っている残業が本当に必要かどうかを考える良い例なのでは無いでしょうか?残業する前に、日々の業務効率や最も効果的な成果の上げ方を考える必要が有るかと思います。

時間管理や営業の行動管理を徹底している会社では、定時で電気が強制的に消えるシステムを採用しているところも有りますし、そういった事を推奨しているコンサルタントも多いです。

残業自体に良し悪しが有るのでは無く、その前に有る日々の業務にどれだけ創意工夫をしているかが重要だと考えます。その結果どうしても残業が必要で有れば、それは人手不足と考えないといけませんし、定時までに仕事が終わるので有れば更に新たな仕事を取れるという事だと思います。残業というキーワードを手掛かりに、ご自身の仕事の棚卸をしてみては如何でしょうか?