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聞かれた質問に適切な内容で答えられない転職希望者は採用されない

面接官に質問をされ、それに対して転職希望者が答える――。面接においてごく当たり前の光景ですね。

ところが、その返答の内容が微妙にずれている、もしくは雑な人が多いとある面接担当者が嘆きます。中には完全に質問の意図している部分を理解していないケースもあるのだとか。

言外を理解してもらおうなどという発想は面接においては意味がない

――お休みの日にはどんなことをして過ごしていますか?

面接担当者にこんな質問をされたとします。『休みの日には1日中パソコンに向かっていることが多いですね』あなたがこんな返答をしたとしたら、その意図にはどんなものがあるのでしょうか。

  • 週末ごとにふらふら遊びに出るようなタイプではない。
  • 1日パソコンに向かえる集中力と忍耐力があり、それを仕事にも活かすことができる。

いずれにしても、自分はパソコンの操作が好きであり、得意なのだということを伝えたいニュアンスが感じられます。ところが、それを事細かく話さない理由はいったい何なのでしょうか。

  • 1日パソコンに向かっていると言えば、イチイチ言わなくてもわかるはず。
  • あまり事細かく話して鼻持ちならないヤツだと思わることを避けたい。
  • 本当はそこまでパソコンに向かっているわけではないので、詳細に話してボロがでたら困る。

まあ、理由はいろいろあるのでしょう。ですが、この場合はそれがどんなものであっても、あまり意味がありません。面接担当者があなたが意図したいこととは関係なく、勝手にイメージするだけのことですから。

  • 引きこもりの傾向でもあるのか?
  • オンラインゲームにでもはまっているのか?
  • まさか18禁のサイトばかり見ているんじゃないだろうな!?

……せいぜい、与える印象はこんなところになるでしょう。

そもそも、自分が意図している内容が相手に伝わっていないのはなぜなのでしょうか。それは前述の返答ではあまりに抽象的過ぎて、どのようにでもイメージできてしまうからです。そうなると、目の前に座るあなたから受ける印象がすべてを左右することになります。

ひょっとして資格取得に向けて一日中パソコンに向かって勉強しているのだろうか?そんなふうに極めて好意的に受け取ってもらえる可能性はまずありません。それを期待するなら、見るからにそう思わせるだけの見た目と態度、有無を言わせないキャリアがなければ不可能でしょう。

きちんと相手の目を見て話さずうつむきがちになってしまう。言葉の最後を曖昧に濁したり、声が小さくなって聞き取りにくい。そんな受け答えをしていたとしたら、実は本当に優秀だったとしてもまったく伝えることはできません。

もしも、ハキハキとした受け答えが苦手なのだとしたら、なおさら話の筋道をたて、面接担当者の想像が悪い方に傾かないよう気を使いましょう。

トンチンカンな答えは相手を不快にさせるだけ

お休みの日にはどんなことをして過ごしていますか?たかがこの程度の質問に、時々驚くほどトンチンカンな返答をする人がいます。

『休みの日ですか?普通に休んでいます』

……こらっ!やる気がないのか!と、説教したくなるような答えですね。こういう返答を真顔でしてしまう人は、おそらく悪気なく言ってはいるのでしょう。しかし、これではまるで会話のキャッチボールが成り立っていません。

面接担当者が聞いているのはあなたが「普通」と表現したまさにその部分なわけです。あなたの言う「普通」とはどんなことですか?と聞いてくれる面接担当者はかなり心の広い人でしょう。ほとんどの場合は何も聞かずに「そうですか」と相槌を打ち、心の中では『不採用』の印を押しているでしょうから。

トンチンカンな答えを返せば、本気で転職を希望しているわけではなさそうだ、と疑われても仕方がありません。おまけに相手の意図を汲み取る能力に欠けていると判断されててしまうのがオチでしょう。

こんな判断をくだされた人材をわざわざ採用する会社があると思いますか?コミュニケーション能力ゼロでも雇ってもらえるほど優秀な技術やスキルがあるというのなら話は別ですが…。そうではないのだったら、面接中は会話一つをおろそかにしてはいけません。転職活動はいかなる時も真摯な気持ちで臨むべきなのだ、ということを忘れないでください。