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「人事担当者の印象がいいから」を就職の決め手にするべからず

「黒田さんみたいな人がいる会社で働きたいと思って!」人事採用の仕事をしていた時、私も実際に言われました。

ちなみにそう言った彼女に私は「その理由でうちの会社に入りたいならやめた方がいいよ。」と答えました。

採用担当者は会社を売る営業マン

そのときはまだ一次面接の段階で、可否はハッキリしていませんでしたが、結局上司の判断で不採用に。ところが、不採用の通知を受けた彼女、諦めきれなかったのか、食い下がって連絡してきました。「なんとか、もう一度面接の機会をいただけないでしょうか。」と。上司と相談の上、面接をすると答えたら無駄に期待させてしまう、ということで私が個人的に(という形でもちろん会社の経費で)お茶することにしました。

「うちに入ったとしても私とあなたが一緒に仕事をすることはない」と冷たいようですがハッキリ言ってみました。そしたら「そんなことを言ってくれる人事の人は他にいない」とむしろ更に恋心?を刺激してしまったようで・・・(汗

その時まで自覚していなかったのですが、採用担当者って学生に対して会社を売る営業マンでもあるわけです。その彼女の場合、こちらからお断りさせていただいた形になってしまいましたが、よほどの人気企業でもない限り、本来学生の就職活動は「学生が会社を選ぶ」活動なわけです。

採用担当者の印象だけで会社を決めない

採用側からすると第一義的には「いかに(当社の求める)学生に当社を選んでもらえるか」に苦心惨憺。だから、まずは説明会に何人集めるか。これが分母。分母を多くしないと会社側としても選ぶ余地がすくなくなります。そこから、辞退率を抑えつつ、最終内定者を絞り込む、という作業です。

採用担当者はその会社で最も外面のいい人」だから、会社説明会で話をする採用担当者や先輩社員は、外面のいい人で固めます。社内から説明会で話をしてもらう若手社員を選ぶ時は、1に見た目、2に話し方、3から6を飛ばして7に実績。てな感じ。

いくら勉強ができても、成績が良くても、学生の皆さんはまだまだ世間知らず。見た目の爽やかさや話の巧さに、簡単に乗せられてしまいます。だからこそ、就職活動も後半になってきたら、人事担当者の印象は2割くらいの評価にとどめましょう。

「会社を選ぶ」目を養う

どんなに個人的に親切にしてもらったと思っても、どんなに素敵な人だと思っても、彼らは仕事でやっています。人事担当者がいい人だから。という理由で就職先を決めるのは、お勧めしません。

ぜひ、冷静に客観的に「会社を選ぶ」目を養ってください。もうウンザリする気持ちもわかりますが、「就職活動は多くの会社を覗くことのできる唯一無二の機会」であることをくれぐれも肝に銘じ、あなたが10年後も納得していられる場所を見つけてください。