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就活最前線!これさえ解れば怖くない「会社の人事制度概要」

就職活動中の皆さん。会社の人事制度には2種類の制度がある事を御存じの方は少ないかと思います。それは、Job grade system(職級制度)とJob hierarchy(職務制度、職務階層制度とも呼ばれています。つまり役職とか職位と呼ばれているものです)の事です。この制度が明確に確立されている世界に公務員があります。

以前、自衛隊の幹部に自衛隊の階級と給与体系についてインタビューしたことがあります。端的に言うと、同じ階級でも給与体系は非常に複雑になっています。例えば、旧日本軍の大佐に相当する1佐の場合、階層3で1号俸では月額約40万円、階層1で57号俸では約53万円となり、その差は13万円にもなります。これが、旧日本軍の大将や中将に当たる地位にいる人の場合、1号俸で約72万円の給与の人もいれば、8号俸で約120万円の給与をもらう人もいます。

ではこの具体例を頭に置いて、一般企業の職務における階級と階層を見てみる事にします。その前に、皆さんが就職活動で良く耳にする、総合職と一般職の違いを簡単に説明します。

総合職とは、会社の戦略・戦術や主たる業務に携わります。会社の将来構想における新規事業の企画立案や対外折衝も担当しますので、転勤が伴う場合が多くあります。通常、総合職の職級と職務階層には取締役から係長までがその範疇に入ります。

一般職とは、総合職の人達のアシスタント的立場にある社員で、原則として転勤はありません。通常、一般職の職級と職務階層には主任から一般社員、アルバイト、パート社員がその範疇に入ります。

さて、先ず職級制度ですが、これはズバリ「社員の能力や資質」などを評価して、プロモーション(昇格)やデモーション(降格)を行い、社内でのランクを決める制度です。この職級のグレイドが高ければ高いほど、給与や待遇は良くなります。職級制度は通常数字で表されますが、最近では国際化の影響から、アルファベットで表記する会社も増えてきました。

次に職務階層ですが、会社はヒエラルキー型の命令系統を持っているのが一般的です。これは別名ピラミッド型組織とも呼ばれています。この職務階層制度の中で、上位のポストに就くことをプロモーション(昇進・昇格)と言います。

ここで誤解しないことは、職級と職務階層は必ずしも一致している訳でありません。例えば、経営職であるエグゼクティブの職級にある人が、管理職である課長と言う場合もあります。

少々複雑化と思いますが、これらを念頭に置いておくことで、自分が会社からどのように評価されているか、自分の資質・素質・可能性について会社がどれほど期待しているかが客観的に把握できます。

最後に、人事制度についての概要をまとめてみます。会社には大きく分けて5種類の職級があります。そしてそれぞれの職級には下記の職務階層(役職)が含まれます。

1.トップ・マネジメントの職級:

  会長、社長、副社長、専務、常務、執行役員など

2.エグゼクティブ(経営職)の職級:

  部長、室長、次長、稀に部長代理など

3.マネージャー(管理職)の職級:

  グループマネージャー、チームリーダー、課長、係長など

4.リーダー(監督職)の職級:

  主任や副主任など

5.ジュニア(初級職)の職級:

  一般社員、(アルバイト、パート社員)など

  ※アルバイト、パート社員は待遇によって社員扱いの場合もあります。

就職活動中の皆さん。これらを念頭に置いて自分の将来設計を考えて見ませんか。