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新入社員にできること~先輩社員があなたに期待すること、しないこと

新入社員は仕事に対しての取り組み方や責任の持ち方などわからないことばかりです。上司やリーダーなどの先輩社員が新入社員に期待していること、逆にできなくても当たり前だと思ってもらえることをお伝えします。

「新人だからね」で許してもらえるいろいろなこと

新人のうちは「こんなこと聞いていいのかな?」「こんなことしていいのかな?」とかいろいろ悩むこともあるでしょう。でも、そこは先輩も、ついこの間まで大学生だったことなんてわかっていますから、遠慮なく聞いてしまいましょう。

「任された仕事を失敗した!」「仕事が言われた期日内に終わらなかった!」など、仕事に関するミス

ミスはして当たり前、能力がわからないから先輩の作業見積もりが誤っていることもある。だからそのこと自体は別に怒られません。大事なのは報告。

失敗したならどのようなやり方をしてどのような失敗が起きてしまったのか、また期日内に終わらないのであれば、「終わりそうにないな」と思った段階で早めに先輩に相談を

勿論、最初はその報告もちゃんとできなくても仕方ないで済ませてくれることが多いです。しかし、最初に失敗したときに、「ちゃんと報告するように」という指導は受けるはず。そうしたら、その後は(まずは)ちゃんと報告だけでも確実にするように心がけましょう。

「そうっスね~」「会議室で上座に着席」など、うっかりやってしまった敬語・マナーに関するミス

お客様相手だとまずいかもしれませんが、そんな新人をいきなりお客様の前に出すこともないでしょう。(最近はどの業種も比較的新人教育の意識がしっかりしてきています)

社内であれば、先輩が注意してくれるはずなので、これも一度注意されたら次は同じ注意をされないように気を付けることです。

特にマナーなどは、就活の時に勉強して知識として知っていても、実際に行動するとうっかりマナー違反してしまう、ということがよくあります。

これは慣れるしかないので、新人のうちはマナーを体に刻み込むことも仕事の一つだと思い、意識して注意しましょう。

(これを新人のうちに身につけることが出来ないと、年数を重ねた中堅社員になってもお客様の前に出せないような“不良債権社員”になり、社内の厄介者になってしまいます……そういう人が態度をカバーできるほどの素晴らしいスキルを持っていることは残念ながらほとんどありません)

「こんなに残業してコストは大丈夫なのかな」大きすぎる課題に関するミス

問題意識は素晴らしいですが、新人のうちはもっとやってもらいたいことがあるんです。すなわち、目の前の業務のやり方を覚えることとか、基本的な社会人としての振る舞いを身につけることとか。

QCDや大局的な視点はとても大切なことですが、実際にそういったことを中心となって取り仕切っていくのはプロジェクトマネージャーや幹部社員です。

これは「新人がそういうことに口を出すな!」という意味ではなく、幹部やリーダクラスになって初めて扱っていくことが出来るような大きな問題だということです。

もちろんQCDを意識することや、問題点を改善しようとすることは素晴らしいことです。

しかし、そればっかり気にして肝心の「目先の業務」が疎かになってしまっては、素晴らしい理論も台無しです。

それに、先輩方も問題点に気づいていないのではなく、気づいてはいるけれども現実的に対処する妙案がないためやむを得ずそのままになっているようなケースもあるかもしれません(それはそれで問題ですが……)。

そういうことが気になるなら、リーダーなどに質問してみましょう。

先輩は貴方にこんなことを期待している!

新人がフレッシュな空気を振りまきながら「おはようございます!」元気にあいさつし、軽い足取りで自席に向かう。そんな様子だけで、周りのオッサンオバサンは元気になります。

入社したころの気持ちを思い出したりね。それに、やっぱり明るく元気な態度は、他の人をいい気持にさせてくれるものです。

若いゆえの真面目さ・積極性・素直さ

とはいえ、ゆくゆくは立派な戦力として育ってもらいたいですから、明るいだけじゃちょっとダメです。

仕事に対する積極性があると嬉しいです。例えば手が空いていたら自分から「何かお手伝いさせてください!」と言ってきてくれるだけでも、この子やる気があるなって思って教える側にも力が入ります。

また、与えた課題には真面目に取り組み、指導が入れば素直に聞いてくれる、それが一番ありがたいです。中には妙なプライドをもっていて、自分のやり方が絶対だと先輩にかみついてくる新人さんもいますが、それは正直やりにくいです。

例えば技術系ではかなりのスキルを持った新人さんが、社内文書作成の際、Excelではなく別の表計算ソフトを使うべきだと提案してきたことがあります。

その新人さんはExcelというソフトの欠点と別のソフトの利点を論理的に挙げてくれ、一見言っている内容は正しく思えるのですが、実はその社内文書はお客様に納品するドキュメントとフォーマットが共通化されており、お客様への納品はExcelファイルで行うという規定があるため、変えることが難しいという背景がありました。

そのことを説明したのですが、結局彼は半年ほどの間ずっと納得してくれず、自分の作成するファイルはすべて別の表計算ソフトで提出してくるという状況が続きました。半年後、とある出来事をきっかけに彼はExcelを使うことを承諾してくれましたが、それまでは何かというと彼のExcel批判を聞かされて、かなり疲れる後輩でした。

無知が力になる、素人目線からの発想

新人さんは「業務知識がないから仕事であまり役に立てない」と落ち込んだり悩んだり焦ったりしますが、これは<「新人だからね」で許してもらえるいろいろなこと>でも書いた通り、当たり前のことなので先輩はそれほど気にしていません。新人教育を受けている間に少しずつ学んで行ってくれたらいいのです。

それより、「業務知識がない」、つまり仕事に関する固定観念がないからこそ見えてくる問題点や解決方法があります。先輩たちはそれぞれ仕事にかかわって長いですから、積み重ねてきた業務知識や経験があります。

しかし、それらが却って固定観念となり「これはこうあるべき」という思い込みをしてしまい、お客様から見た問題点を隠してしまったり、今ある問題点の解決法に気づけなかったりします。

そのため、問題点や解決法を考えるときには、頭の中にある知識や経験を一旦捨てさって、まっさらな視点で物事を考え直すという手法がとられます。

こういうのを「ゼロベースの視点、ゼロベース思考」といい、社会人向けセミナーなどでも「とても大切な観点」としてよく紹介されるのですが、実際問題積み重ねたことを全て追い出して頭の中を空っぽにするということはどうしても難しいのです。

そこで、まだ何も知らない新人さんに、その「ゼロベースの視点」を期待するのです。上司や先輩が「どんなことでもいいから気づいたことを遠慮なく言ってみて」などとあなたに向けて促した時は、まさに「ゼロベースからの発想」が求められているときなのです。

いかがでしたでしょうか。「こんなことやったらまずいかも」と思っていることが実はたいしたことなかったり、「このくらい許されるだろう」と思っていることが実は大問題につながったり、新社会人の方の予想を大きく裏切ることが書かれていたかもしれません。

でも一番は、先輩を信じ、「これはどうですか?」と積極的に確認すること! どんな質問できるのは新人の特権です。その特権を大いに活用し、来年の今頃は「デキる先輩」に変身しましょう!

参考→ホウレンソウはどこまで必要か?自立した仕事とのバランス