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世界を飛び回る花形職業のツアー・コンダクター!その実態はどうなの?

海外旅行が一般的となり、国内旅行も盛んになってる昨今、旅行者の安全と快適な旅をサポートするツアー・コンダクター(ツアコンとも添乗員とも呼ばれます)の存在は重要になっています。

そのためのスクールも多数存在し盛況を博しています。

ツアー・コンダクターの仕事とは

そんな現代の花形職業の1つであるツアー・コンダクターの仕事とはどんな内容なのでしょうか。そして、その実態とは?今回は、現代の花形職業の1つであるツアー・コンダクターの業務内容とその実態を、現役のツアー・コンダクターにインタビューしました。

インタビューに応じてくれた現役のツアー・コンダクター2名を、Aさん(男性)とBさん(女性)とします。以下は彼らの話した内容です。

Aさん:僕の場合はツアー・コンダクター派遣会社に登録していますので、旅行会社から依頼が来た時にツアー・コンダクターとしての仕事が入ります。ですので、安定収入と言う訳ではないのです。

Bさん:私は旅行会社の団体旅行部に所属していますので、自分が担当する会社や企業、学校などに旅行の企画と見積もりを提出し、採用されれば自分がツアー・コンダクター(添乗員)としてお世話する事になります。ですので、一つのツアーをまとめるには約3ケ月かかりますので、添乗業務は年に4回から5回ほどになります。

Aさん:それは羨ましいですね。私は2ケ月に3回のペースでツアコンをしています。ですから体が休まる時がない状態です。

Bさん:私の場合、女性だと言うこともあり、旅行先での夜のお誘いが多くて困ることがあります。特に、男性客ばかりの団体旅行ですと、ほとんど毎晩飲み会状態になります。

添乗員は体力がないと続かない

Aさん:それは大変ですね。私もそんな経験があります。我々ツアー・コンダクターは、知性よりも体力勝負と言った面がありますからね。

Bさん:同感ですね。添乗員は24時間勤務体制の覚悟がないと務まりませんよ。ある大学の卒業旅行で、ヨーロッパツアー2週間に添乗業務をした時など、オーガナイザーの教授ご夫妻の面倒を見る羽目になったことがあります。

Aさん:今どき、卒業旅行に教授夫妻が一緒に行くのですか?

Bさん:女子大だからなんでしょうか。その時の教授の奥様が日本食専門と言う人だったので、朝昼晩の3食を別に用意していました。それに、アルコールが極端に弱い人だったので、毎晩のように奥様の嘔吐物の処理やらをしなければならず、情けない気持ちになりました。ある時などは、意識不明に近い状態になってしまい、シモの世話までしました。

Aさん:私も同様の経験があります。我々は介護士ではないと叫びたくなりますね。それに、バスや電車の出発時刻に遅刻する人が多いのには泣かされますね。バスはともかく、電車や飛行機の場合は「待ってくれ」とは言えませんし。

Bさん:本当に添乗員泣かせですよね。

Aさん:これはハワイに添乗した時の事ですが、丁度年末年始と言うこともあり、ホテルと飛行機がダブルブッキングされた状態だったのです。他の旅行会社の添乗員は、予約したにもかかわらずホテルに泊まれなくなり、連れて行った客をロビーに寝かしていました。翌日その添乗員と顔を会わせると、目の下と顎に青あざが出ていました。多分怒り狂った客に殴られたのだと思います。

Bさん:私も台湾に添乗した時、飛行機のダブルブッキングで、飛行機に乗れず客に怒鳴られている添乗員を見た事があります。

添乗業務はけっして花形職業ではない

Aさん:あれこれ添乗業務を振り返ってみると、花形職業とは言いかねますね。

Bさん:本当にそう思います。旅行日程を滞りなく終わらせて、お客様を無事に連れ帰って当たり前の世界ですから。

Aさん:会社は添乗員が旅行先でどんな苦労をしているかなど斟酌してくれませんからね。

Bさん:私も結婚したら添乗業務は辞めようと思っています。

いかがですか、これが花形職業の1つと言われているツアー・コンダクターの実態です。