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上司を飛び越えてその上に、直訴すべき時そうでない時

1.部下にとっての上司の使い途とは

20代の頃、若いくせに「上司は上手く使うもの」なんて言うとよく驚かれました。実際、若い頃は特に上司を上手く使えたらいいのですが、なかなか。

上司との相性もありますしね。仕事って、一人の力ではどうにも動かしようのないことがよくあります。そんな時、下っ端ながらに「こうしたら良いのに」と思うこともあるでしょう。でも、下っ端のあなたが言ったところで誰も聞いてくれない。そんな時に、上司とあなたの関係がモノを言います。

例えば移動中の電車の中で進言してみる。上司が納得する話なら、彼(彼女)があなたの考えを発信してくれます。ここで気をつけるのは、自分の手柄にしようと思わないこと。下っ端のうちは、出来ることも限られますが評価されることの範囲も狭いのです。出過ぎた真似をする奴、という評判が立ってしまうと、あとあと面倒です。

2.社内人脈を広げよう

同じ部署内の人と上手く関係を作っておくのは、日々の仕事の上で大切なことですが、社内で、全く関係のない部署の人(それも自分より立場が上の人)と仲良くなっておくことは、会社という小さな社会で生きていく上で、とても大切です。

少し前までは「タバコミュニケーション」が使えました。喫煙所に行くと、隣の部署の部長が一服していて、「お疲れ様です」なんて挨拶しているうちにちょくちょく世間話をするようになって。ところが今は、エラい人もタバコを吸わなくなりました。ではどうやって他部署の人と接点を持てばいいのでしょう。

例えば、社内便。誤配されたものを届けに行かなくちゃ、というときなど、率先してお使いを引き受けましょう。無駄に出入りする必要はありませんが、届け物のついでに他部署の人と会話を交わすこともありますよね。それから、ランチ。ついつい、席の近い人や決まった人と食べることも多いと思います。あえて他部署の人を誘ってランチに行ってみたりするだけで、社内人脈はグンと広がります。

3.人脈を政治力に変えていく

人事異動も社内人脈を広げるチャンスです。昨日までの同僚が、今日からはあっちのシマで、となればあっちのシマに橋頭堡がある状態になります。他部署との連携が必要になったときなど、話せる人がいるといないでは大違いです。社内であちこちの部署の人と話が出来るようになると、思った以上に情報が集まってきます。

そのプロジェクトのキーパーソンは誰か、同じ部長でも人事権を持っているのは誰か、希望の部署に異動するためには誰にどの順番で相談するのがスムーズか、困ったことが起こったときに矢面に立ってくれるのは誰か、などなど。特に、予算を獲得したい、とか、コピー機を新しくしたい、とか、そんなあったらいいなを実現するには、社内政治力を密かに蓄えるのが早道です。

4.政治が機能しない時に初めて直訴する

直属の上司に上手く動いてもらう。他部署のキーパーソンに上手く動いてもらう。この二点を踏まえて政治力を駆使しても、通らない無理を通したい時。もしくは直属の上司の不正を発見した時。ハラスメントを受けている時。もはやあなたの政治力だけでは如何ともし難い、という時の伝家の宝刀が、「社長への直訴」です。

言い換えると、伝家の宝刀ですから抜きどころが肝心。下手に抜いては効果激減。なので普段はオススメしません。でも、伝家の宝刀は持っておく必要はあるんです。いざというとき、躊躇わず抜くためには、社長とのパイプ、築いておきましょう。

普段の業務では接点がなくとも、エレベーターで会ったときに必ずきちんと挨拶する。ひとことふたこと交わしてみる。食事会などで同席出来ることがあれば、きちんと覚えてもらう。会社の規模にもよりますが、大きな商談をまとめようとする時には接待の席に社長を連れて行ったり。こうしてあなたのことを印象づけておくだけで、本当に必要な時、ホットラインが機能します。

例えば上司から嫌がらせを受けていて客観的にも(これ、とっても大事です。あくまでも客観的に良くない状態にあることを証明する立証責任はあなたにあるということをお忘れなく)まずい状態であるとき。異動したい!!と思っても上司がどっかに飛んで行かないかと思っても、思うだけでなんとかなることはまずありません。

行きたい部署の責任者に直談判する。社長に直訴する。いきなり面識のない社員から言われても、あまり本気では動いてくれません。上司に軽いお説教が飛んでくる程度。でも、普段のあなたの人となりを他部署の責任者や社長が評価してくれていたら。ことが思うように進む確率が格段に上がります。結局のところ、日々のあり方取り組み方なのですが、社内人脈、広げておいて損はありません。